林間教育通信(「東大式個別ゼミ」改め「シリウス英語個別塾」)

私立中高一貫校生徒を対象とする英語個別指導塾。小田急線の東林間駅(相模大野と中央林間の隣駅)から徒歩3分。

三つの受験戦略―私立中高一貫校か公立中高か(3)

2009年03月09日 | 受験
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三つの受験戦略―私立中高一貫校か公立中高か(3)

私立路線が良いのか公立路線が良いのかという選択肢について、再度詳しく書いてみようと思う。
ここでいう私立中高一貫校とは、中堅レベルの私立進学校のことである。すなわち、神奈川で言えば、御三家(栄光、聖光、浅野)の下に位置する学校で、例えば、逗子開成、神奈川大学附属、森村学園あたりから桐蔭、桐光、桜美林、日大三高あたりを念頭においている。公立高校(現段階ではトップ公立高校は全て中堅進学校と言ってよいのではないか)としては、湘南や横浜翠嵐あたりから相模原高校や大和高校くらいまでである。

まず私立中堅校の中高一貫教育は、上位の生徒には極めて有効であることは疑いない。数学の場合は、中三の数学と高校の数1Aとは重なりやっているので、中三でやってしまえば良い。また、英語の場合、3年間では英語の基礎学力を身につけることはできないが、4年計画ならばそれが可能である。ただし、中堅進学校に進学するぐらいであるから、上位の生徒しか中高一貫教育は役に立っていない。(それにもかかわらず、高い授業料を払い続けなければならない)。中堅校上位の生徒にしても、通塾しなければそのペースについてことはやや困難である。(筑駒や開成などのトップ中学に進んだ生徒とならば、独学でやりこなせることがままあるとは思うのだが、中堅校の生徒にそれを期待するのは酷というものであろう)。

他方、公立トップ高に通う生徒の場合、残りの3年間で集中的に勉強し、中高一貫校に追いつかなければならない。校風にも多少違いがあって、厚木高校の場合はどちらかというと自由放任主義で生徒の自主性に任し、横浜翠嵐の場合はスパルタ方式で沢山の課題を与える。だが、やらなければならないことは結局のところ、ほとんど同じことである。一流大学に現役で合格したいならば、入学が決まったらすぐに猛勉強を始めるしかないのだ。もちろん、通塾は常識だろう。

問題は、彼らや彼らのご両親が、自分たちの置かれている状況について理解しているかどうかである。というのは、公立トップ校に合格した生徒は、自分たちは一生懸命に受験勉強やってきたと勘違いしてしまう場合があるからである。現実には、彼らの英語や数学の能力はまだ低い。とくに、東京学芸大附属や開成・早稲田・慶應といった難関高を受験しなかった公立トップ校の生徒の学力は危ういだろう。(将来一流大学を目指すならば、東京学芸大学附属は当然受験しておかなければならないはずである。どうして受けないのか、理解に苦しむところだ)。今まではぬるま湯にいたのだという自覚を持てるかどうか。これが公立トップ高生の鍵なのだ。

私立か公立かと考えてみると、経済的には断然公立だといえる。私立において極めて遺憾なのは、4割ー9割くらいは落ちこぼれているのにもかかわらず、高い授業料を払い続けていかねばならないという点である。

受験的にはどちらが良いのか。私は、もしご両親や高校の先生が十分な配慮示すことができるならば、公立高校でも受験的には不利ではないと思っている。ただし、浪人率が高くなるのはやむを得ないとしてのことだ。大いに懸念しているのが、繰り返すことになるがノホホンとした地方出身のご両親の場合である。「公立中学-公立高校-国立大学だと経済的に助かる」などと安易に言っているようでは、公立組は非常に厳しいと言わざるを得ない。経験上、国立大学を安易に希望する生徒やご両親というのは、極めて意識が低いのだ。もちろんのことだが、神奈川県は山梨県でも鳥取県でもないので、国立大学はそんな簡単に合格できるわけではない。