毎月1回、購読している全国紙と共に、
30ページ余りの生活情報誌が入ってくる。
その中で、毎回楽しみにしているのが
「診療所の窓辺から」という2ページの
エッセイだ。
執筆者は高知県四万十市の大野内科院長
小笠原望先生。
在宅の患者さんの診療を続けられており、
患者さんや介護されているご家族の様子などが
毎号綴られている。
今月号には、パーキンソン病に脳溢血を合併して
10年来寝たきりのYさん82歳のことが書かれていた。
Yさんは調子が悪くなると飲み込めず、
唾液を吸引しないといけない。
ずっと介護を続ける夫の吸引チューブを
使う手つきは、長年の経験から本職の
看護師を思わせるほどの鮮やかさである。
深夜も吸引を続ける日が続いた。
Yさんの夫も80歳は超えているだろう。
その方が深夜、奥さんの唾液を吸引している。
私より20歳近く年配の方がこのような介護を
されていることに、私は励まされる。
そして、不安になる。
20年後に果たして私にこのような介護が
できるだろうか。
先生は川柳の選者もされているという。
毎号、先生の句が載せられている。
今月号は、
守るのは
いのち
深夜の
天使たち
☆ 昨晩の下剤が効いて、朝方パットに出ていた。
廊下、洗面所、浴室の暖房を点け、
妻をトイレに連れて行き、座らせた。
そこで、下ズボンとズボンを脱がせ、
パットとオムツを取り外す。
そのままにして、私は、
バスタオルや紙オムツや着替えの準備をする。
それから、便座から立たせる。
見ると続きの分が出ていた。
軽く拭いて浴室に連れて行く。
立たせたままお尻を洗い、
その後、イスに座らせ身体を洗い、
最後にシャンプーで終わり。
昼近く、二度目のゆるいウンチ。
下ズボンやズボンも着替え。
さっき新しいのに替えたばかりなのに…と
ちょっと思ったが、
深夜に唾液を吸引している80歳の方を思うと、
これしきでブツブツ言うのはあまりにも
器が小さすぎる。
穏やかに処理する。
そういう意味でも、よその方の
介護情報は大変助かる。