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今日の女王サマ

映画、本、音楽、お出かけ、思ったことなどズラズラ書き連ねています。

理想の女(ひと)

2005年09月24日 | 映画&本&音楽&TV

秋分の日は銀座シネスイッチで「理想の女」  を観てきました。
祝日とレディースデー(シネスイッチは金曜日)が重なり大混雑。チケットを買うときから「お立ち見でございます」と言われました。で、腰をかばいながら通路に体育座りで観賞。

映画の原題は「A Good Woman」ですが、もともとはオスカー・ワイルドの『ウィンダミア卿夫人の扇』という戯曲です。
映画のキャッチコピーはオスカー・ワイルドの言葉をそのまま取って「いい女は2種類しかいない。すべてを知り尽くした女と、何も知らない女」
全てを知り尽くした女には、男から男へとたくましく渡り歩くアーリン夫人。何も知らない女には(私のごひいき)、スカーレット・ヨハンソン  扮するメグ・ウィンダミア夫人。

夫のウィンダミア卿が妻であるメグにプレゼントする宝石を見て、アーリン夫人は言います。「奥様に宝石はだめ。宝石は愛人に」と。そして純金をあしらった豪華な扇  を薦めるのです。この扇が終盤で、ある役目を果たすのですが、結構いいオチになっています。

メグは夫がアーリン夫人と不倫関係になったと思い傷つき、やけくそでプレイボーイのダーリントン卿と駆け落ちしようと彼の船へ向かいますが、それを止めさせようとするのは他でもないアーリン夫人でした。

メグを含め他の妻たちはアーリン夫人をライバル視しているけど、アーリン夫人は誰をもライバルとして見ていない。スポンサーとして男性を求めるけど、結婚には夢を持っていないんです。
アーリン夫人とメグの間には大きな秘密があるのですが、それを明かさないままアーリン夫人は旅立ちます。

旅立つ飛行機の中で、アーリン夫人を追ってきた大富豪のタピィは改めて彼女にプロポーズするのですが、彼こそが悪女と見られていたアーリン夫人の本当の理解者(いいオンナであるという)かもしれません。

豪華絢爛、優雅、お金持ちの退屈な日常。その中にある「全てを知り尽くした女」の切なさを感じた映画でしたが、私たちの感傷などお構いなしでアーリン夫人は今後もたくましく生きていくのでしょう。あの時代に於いて素晴らしくカッコイイ女性を見せてもらいました。← アーリン夫人を演じたヘレン・ハント。

◆映画「理想の女」はこちらから ⇒ http://www.gaga.ne.jp/goodwoman/index2.html


いっぺんに3冊

2005年09月24日 | 映画&本&音楽&TV

時代小説を少し離れ、ミステリーを読んでいます。野沢尚(のざわ・ひさし)の『リミット』はカバーのあらすじを読むとどうやら誘拐モノらしい。
読み始めて、ちょっとドッキリしました。子供が誘拐されるのはわかるとして、誘拐された子供の特徴に犯人側のメモのような形で内臓の重さが出てくるんです。臓器売買がらみの誘拐なのね、と背筋がゾッとしました。

「リミット」の主人公は婦人警官の有働公子。白バイ隊の夫を事故で亡くしたシングルマザーです。ある誘拐事件の担当になって犯人との交渉をするうち、自分の息子も誘拐されてしまいます。自分の子供を救うためには犯人側に有利に動かなければなりません。すごくハラハラしながら、私も人の親なので、つい感情移入してしまいます。

まだ3分の1を読み終えたばかりなのに、区の図書館からリクエストしていた本が届いたと連絡がありました。佐藤優の『国家の罠-外務省のラスプーチンと呼ばれて』  です。

佐藤優氏は、いわゆる「鈴木宗男事件」で背任と偽計業務妨害の容疑により逮捕された人で、「国家の罠」はこの事件の内幕を綴った手記であります。

前後して読売新聞の22日付夕刊に『「国家の罠」に評価真っ二つ』というコラムが載りました。第4回新潮ドキュメント賞の選評で、賞を逃した「国家の罠」に、絶賛する評が並んだというのです。(しかし、強硬な反対があったから賞を逃したのでしょうね)

自分で読むまではわかりませんが、私のまわりでもデスクや同僚が「これは面白いよ」と感想を述べていました。その「面白いよ」と言った同僚が「『国家の罠』がまだ来てないのなら、 『東京タワー・オカンとボクと、時々、オトン』  を貸してあげる」と言うのです。 一気に3冊も面白そうな本が手元にやってきました。
しかし、とりあえず「国家の罠」は私が返却するのを待っている人がいるわけで、こちらのリミットは2週間。
次が「東京タワー」。リミットのない「リミット」は最後になってしまいそう。それまで筋を忘れないでいられるかなぁ。