熊谷氏一族の居館跡
岩手県一関市と宮城県気仙沼市を結ぶ国道284号線(気仙沼街道)と国道45号線の合流地点近く、気仙沼窯業㈱(ヤマサカ)手前の市道を入り、林道府中線を登っていくと「中館登り口」という標柱を見ることができます。
中館は東西約300m、南北約400mの中世の城館跡です。
道路擁壁の登り口を登っていくと、昔の墓石を見ることができます。
また杉の木の合間を登っていくと、廓と思われる平場が現れます。
館跡の頂部に付くと、広い平場と、眼下に国道284号線、気仙沼の街並みを観ることができます。
本丸と思われる頂部には小さな祠と「中館跡」の標柱が建てられています。
背面は崖地になっています。
「仙台古城書上」には「山 中館城 東西十七間、南北十八間 城主 熊谷上総」とあります。
また、「安永風土記」には「松川中館 東西十七間、南北十八間 御館主 葛西家臣熊谷上総直平」とあります。
築城年代は建武年間、熊谷直高の居城説や、永享十(1438)年、磐井郡中里にいた熊谷直継が築いたなど諸説があります。
中館は天正十八(1590)年、豊臣秀吉による奥州仕置によって廃城となりました。
【中館MAP】
気仙沼市松川