2018年のブログです
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またまた古い文庫本を見つけて、読んでしまいました。
庄司薫さんの『赤頭巾ちゃん気をつけて』(1973・中公文庫)。
キャーッ、題名を言うだけで、なんか恥ずかしい。
じーじが大学に入った年の本です(今から45年も前の大昔のことです)。
大学生の時、教科書を読まずに、こんな恥ずかしい小説を読んでいたんですね。困ったもんだ。
しかも、あちこちに、赤鉛筆で線が引いてあって、さらに、キャーッです。
もっとも、今回、あらためて読んでみて、赤い線のところに頷けない今の自分と、今でも頷いてしまう自分の、両方がいて、人間って、年をとってもあんまり成長しないんだな、とあらためて思ったりしました。
あらすじは書きませんが、東大進学を目指していたのに、大学紛争で東大入試が中止になってしまった日比谷高校生が主人公。
(今の若い人は知らないかもしれませんが、昔、東大入試が中止になった年があったんですよ~。でも、東大出の官僚の悪さが目につく今を考えると、どうせなら東大は廃校になったほうがよかったのかもしれませんね。)
その主人公のさまざまな思いや考えと周囲の人々を温かく描いています。
表題は、小説のラスト近くで展開されるある小さな女の子とのエピソードから取られています。
とっても素敵でいいお話で、じーじの北海道ひとりたびのエピソードにも負けていません(?)。
おおげさにいえば、生きる意味や生きる目標を問うているのしょうが、その文体の軽やかさのせいで、深刻さはあまりなく、しかし、時々、えらく深いことがらが述べられたりしていて、そこがじーじの趣味にぴったり合います。
なつかしいながらも、とっても恥ずかしい感じで、うちの奥さんには内緒で読んでしまいました。 (2018. 10 記)