ほんの20分ぐらいの短い演奏だった
ただただ、ボクとマサの呼吸だけが張りつめていた
アイコンタクトで演奏が終わるタイミングを計った
思ったよりもお客さんが来ていたことに、機材を掃けて
店の前の路上に出て、初めて気づいた
しばらく会っていなかった友人の顔もあった
骨董屋の店内で、ノイジーなライヴ、
その奇妙なシチュエーションの余韻にボクたちは浸っていた
パラパラと、徐々にみんな帰り出し始めた
マサとボクは「お疲れです」「お疲れ様」と、言いあった
こうしてボクたちの最初のライヴは終った
帰り際に、「今日の音、録音したんで、あとでCDに
焼きますね」と、マサが言った
このライヴをきっかけにして、ボクとマサは転がるように
ロックンロールをつくっていくことになる