つたない掌編ですが書いてみたので・・・・
天気予報どおりの時間に雨は降りだした。
わかっていたけれど、傘を持たずに出たのは、
出がけにサトルとのメールで、待ち合わせ場所を
何処にするかで言い争いをしたせいもあるかも・・・
・・・言い訳にしかならないことは解っている
傘を持たないことを決めたのは自分。
誰のせいでもない雨・・・・
ショッピングモールの玄関で、
入るでもなく外に出るでもなく、中途半端な立ち位置で
雨に当らないように表通りの、横断歩道を
ぼんやりと見ているあたし・・・
サトルはあの横断歩道を渡って来るはず
少し遅れてくるのはいつものことだけど、今日は雨だ。
だいたいここの場所を指定したのはサトルだ。
「雨の中で女の子を待たせるなんて!」と、怒りが込み上げてきた
「カフェラテとかパンケーキとかアイスとか
イチゴたっぷりのショートケーキとか、ぜぇ~ったい
おごらせることにしたら、あたしの怒りは少し小さくなった
顔を上げると横断歩道の向こうにサトルが傘をさして立っていた
あいつ、傘をさしてるってことは雨が降り出してから
家を出たんだろう(その時点で待ち合わせの時間は過ぎている)
あたしの怒りがまた顔を出してきたけれど、
信号が変わった途端にサトルは猛ダッシュで走ってきたので
笑顔で迎えてあげよう(あたしって優しー)
サトルは息を切らしてあたしに「ちょっと遅れた?」などと平気で言う。
「ちょっとじゃなーい!」あたしはさっきまで考えていた、カフェラテとか
アイスとかパンケーキとかショートケーキとか、全部ぶちまけてやろうとしたら、
サトルは、「そんな、口を尖らせるなよ、傘、一本だから・・」と、ぐいと
手をつないであたしを傘の中に引き寄せた。そして言った
「見てごらんよ、屋根で、窓ガラスで、アスファルトの上で、きみの肩の上で
雨がうたっているよ
「手をつなごう、きみと一緒なら雨の日もうたって、あるいていけそうだから」
雨が強くなってきて、サトルはあたしの肩に手をやり、傘の中に引き寄せた
そしてそっと、指先であたしのまつ毛についた雨粒をぬぐったと思ったら
ふいにきつく抱きしめられた。その瞬間、サトルが「好きだよ」って・・・言った
気が付くとあたしの中でカフェラテとかパンケーキとかアイスとか
イチゴたっぷりのショートケーキとか
怒りとか、全部雨に流れていた
「こんなに冷えて・・・、温かい飲みもの、ごちそうさせて」サトルが言った
あたしはサトルの腕の中から離れないように
サトルにしがみついていたら思わず口をついた
「許す。」
あたしは単純だ・・・・・
天気予報どおりの時間に雨は降りだした。
わかっていたけれど、傘を持たずに出たのは、
出がけにサトルとのメールで、待ち合わせ場所を
何処にするかで言い争いをしたせいもあるかも・・・
・・・言い訳にしかならないことは解っている
傘を持たないことを決めたのは自分。
誰のせいでもない雨・・・・
ショッピングモールの玄関で、
入るでもなく外に出るでもなく、中途半端な立ち位置で
雨に当らないように表通りの、横断歩道を
ぼんやりと見ているあたし・・・
サトルはあの横断歩道を渡って来るはず
少し遅れてくるのはいつものことだけど、今日は雨だ。
だいたいここの場所を指定したのはサトルだ。
「雨の中で女の子を待たせるなんて!」と、怒りが込み上げてきた
「カフェラテとかパンケーキとかアイスとか
イチゴたっぷりのショートケーキとか、ぜぇ~ったい
おごらせることにしたら、あたしの怒りは少し小さくなった
顔を上げると横断歩道の向こうにサトルが傘をさして立っていた
あいつ、傘をさしてるってことは雨が降り出してから
家を出たんだろう(その時点で待ち合わせの時間は過ぎている)
あたしの怒りがまた顔を出してきたけれど、
信号が変わった途端にサトルは猛ダッシュで走ってきたので
笑顔で迎えてあげよう(あたしって優しー)
サトルは息を切らしてあたしに「ちょっと遅れた?」などと平気で言う。
「ちょっとじゃなーい!」あたしはさっきまで考えていた、カフェラテとか
アイスとかパンケーキとかショートケーキとか、全部ぶちまけてやろうとしたら、
サトルは、「そんな、口を尖らせるなよ、傘、一本だから・・」と、ぐいと
手をつないであたしを傘の中に引き寄せた。そして言った
「見てごらんよ、屋根で、窓ガラスで、アスファルトの上で、きみの肩の上で
雨がうたっているよ
「手をつなごう、きみと一緒なら雨の日もうたって、あるいていけそうだから」
雨が強くなってきて、サトルはあたしの肩に手をやり、傘の中に引き寄せた
そしてそっと、指先であたしのまつ毛についた雨粒をぬぐったと思ったら
ふいにきつく抱きしめられた。その瞬間、サトルが「好きだよ」って・・・言った
気が付くとあたしの中でカフェラテとかパンケーキとかアイスとか
イチゴたっぷりのショートケーキとか
怒りとか、全部雨に流れていた
「こんなに冷えて・・・、温かい飲みもの、ごちそうさせて」サトルが言った
あたしはサトルの腕の中から離れないように
サトルにしがみついていたら思わず口をついた
「許す。」
あたしは単純だ・・・・・
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