今年一番の陽気になったのだけれど、すれ違う人はみんな「寒い」と言っていた。天気予報の気温と実際に感じる気温にズレがあるのかも知れない。
今日は18℃まで気温が上がった。暑いぐらいの陽気のはずだが左に非ず。すれ違う人の服装は春の陽気という感じではなかった。
天気が良かったので近所のスタンドに行ってタイヤ交換をしたが、待ってる間にやって来たお客さんは「今日は暖かいの?」と聞いていた。
陽のあたる場所で仕事をしていたら少しは暖かさ、春の陽気を感じられたかもしれないが、いや、それでもこの気温ならば室内にいてもかなり暑く感じるはずだが。
夕方すれ違った近所の人も「今年は寒い」と言っていた。 18℃の陽気に感じられない一日だった。
日が暮れると気温は一気に下がって、四月だというのにあっという間に氷点下になる。
庭のクロッカスがようやく咲き始めたが、どうにも言われてる温暖化の実感できない今日この頃だ。
さて、季節はようやく冬から春に変わったが、どうにも世の中の流れ的には、少なくともこの街は真冬状態だ。
この四月でおそらく県の人口はいよいよ100万人を割ったはず。今年も一万人の人口が県外へ去っただろう。 そして今春もこの街から若者が1,000人が去っていった。
こんなことが続いたらどうなるのだろう?とオフクロがよく口にする。この先にある街の姿、日本の姿はどうんなものなのだろう、と。
その「この街がどうなるのか?」という答えを今まさに目の当たりにしてるのではないかと実感する毎日だ。
街から映画館が消えて、本屋が消えて、レコード店が消えて、楽器屋が消えて、商店街が消えていく。
進出してきた中央資本のチェーン店も撤退を始めた。その進出で地方経済はガタガタにされて、最後には張本人が去っていくのだな。
口では人口流出を食い止める、とか少子化をなんとかするとか、雇用をつくるとか、若者を呼び戻すとか言ってるが、何一つ実現しない。
最近は中央のコンサルに乗せられて観光客を増やすと言い出した。笑止千万。それも海外の観光客を増やすというのだからもはや呆れて物が言えない。それも250万人とか天文学的な数字をぶち上げる始末だ。
実際には年間で500人ぐらいの海外観光客らしいが、まあ外てもサバ読んでるとしか思えないんだが。
新幹線が近くに開通して観光客が増えるどころか在来線を4割もカットされて良い面の皮だよねえ、まったく。
まあ、それらは我々地方在住の人間のせいではない。我々がどれだけ何をしてもみんな中央に持って行かれる。地方では何をしても無駄だ。
諦めじゃなくて現実だからね、これは。人口流出を食い止める方法は地方にはない。原因はみんな首都圏にある。東京が全ての元凶だ。
しかし政府はその度を越した一極集中を改めようとはしない。それどころかさらなる東京一極集中を画策する始末だ。
その度を越した一極集中のはてにどんな日本があるのか?今まさにそれを我々が体現してるわけだが、それに比例して過疎化が進む地方都市の行く末を、今まさに我々は目の当たりにしてるわけだ。
こういう将来を、こんな寂れていく街の姿を予想した人がいただろうか。少なくとも僕は20年前にこの街に戻ってきた時に、20年後の今の姿を全く予想できなかった。
当時はまだ発展する伸び代が感じられたのだが、いつ頃からかなあ、これは将来の街の姿はエラい事になりそうだ、と不吉な予感がしてきた。
そしてその予想は予想外の早さで最悪の展開を始めていく。もはやこの街に将来のイメージなど描ける人などおるまい。いや、寂れていくイメージなら誰でも容易にできると思うが。
僕自身もまたこの街の衰退を嫌というほど痛感させられる今日この頃。
今月末のイベントでもおそらく悲惨なことになりそうな予感がしてならない。大丈夫ですよ、と言った手前後ろめたさを感じてるわけだが、
まさかここまでとは思っていなかった。ここまで人が集められないとは。想像以上に地方がこの街が弱ってしまったのだなあと実感させられる。
長引く不景気はまず「衣(文化)」を破壊する。 次に「住」。最後に「食」。しかし、やがて食うにも困る日が来るのだろうか。
本を読まなくても音楽を聴かなくてもコーヒーを飲まなくても生きていけるかもしれないが、それらが全部否定されてはなあ。
自分が関係する部分ではもうとっくに衰退が始まっている。というか末期かな。僕が中学の頃でも今よりは全然文化を感じられたがなあ。
一巡して昭和の初期に戻ってしまったか?