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2012年度作品。アメリカ映画。
18世紀半ば、コリンズ家が築いた港町 “コリンズポート”で、「家族こそが財産」という父の教えを胸に若き当主となったバーナバス。が、名うてのプレイボーイでもあった彼は使用人のアンジェリークにも手を出し、残酷な運命を招く事になる。彼女の正体は嫉妬深い魔女だったのだ。呪われたバーナバスはヴァンパイアにされて生き埋めに…。200年後の1972年、蘇ったバーナバスは見る影もなく没落した一族の再興に乗り出す。
監督はティム・バートン。
出演はジョニー・デップ、ミシェル・ファイファーら。
人それぞれ好みはあろうけれど、個人的に「ダーク・シャドウ」は合わなかった。
というか、僕個人の印象で言うなら、これは失敗作だ、と思う。
だから以下に記すのは、大半ネガティブな言葉である。
個人的に本作で気になった点は、メインストーリー以外のどうでもいいところに、細かな設定を盛り込みすぎていることにある。要はつめこみすぎなのだ。
そのせいで、説明不足な面もあるし、メインストーリーの焦点がぼやけ、全体的に散漫。
結果、退屈な作品になっているのが、どうにも残念だ。
一応メインストーリーをまとめるなら、二百年前、魔女の手によりヴァンパイアにされてしまった男バーナバスが、現代に甦り、自分の末裔たちの元を訪れ、没落した一家を建て直し、魔女とも張り合う、といったところだろうか。
だがつくり手は、主人公と魔女以外の人物に、わりに多くの時間を割いている。
そして悲しいことに、それがほとんど蛇足に終わっているのだ。
たとえば、クロエ・グレース・モレッツ演じる末裔の少女の、ラストの真相は典型的だ。
あれは別になくても、物語としては成立可能なのに、なぜ描いたのか理解に苦しむ。
ほかにも、多くは語らないが、もっと削ってもいいのにという部分が多く見られた。
早い話、脚本がまったく練れていない、ということなのだろう。
そういう点においても、本作はどうしようもなく失敗作だと思う。
もちろん本作にだって良かった場面はある。
個人的にすばらしかったのは、エヴァ・グリーン演じる魔女だ。
これがなかなかタフで押しが強く、それでいて、妖艶さもあって、魔女って雰囲気が良く出ていて、見ていて楽しかった。
ジョニー・デップと抱き合うシーンなんかは、いい意味でバカバカしい。
そういった映像を見ていると、ティム・バートンはティム・バートンなりに、楽しい映画をつくろうとしていたことはわかる。
それが上手くいっているかはともかく、意気込みだけは見事だ。
ともあれ、有名監督とはいえ、いい作品ばかりは描けない。そのことを示す一品である。
評価:★(満点は★★★★★)
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