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2012年度作品。イギリス=アメリカ映画。
トルコのイスタンブールで、極秘データを盗んだ敵を追っていたMI6エージェント“007”ことジェームズ・ボンドは、敵ともみ合ううちに狙撃され、川に落ち生死不明に。MI6では007を死亡したと判断する。その頃、MI6本部が爆破され、サイバーテロ予告が届く。これらのテロはMI6を率いる“M”に恨みを抱く者の犯行だった。イスタンブールで密かに生き延びていたジェームズ・ボンドはMI6に戻り、MI6を襲う敵に立ち向かうことを決意する…。
監督はサム・メンデス。
出演はダニエル・クレイグ、ハビエル・バルデムら。
個人的には作品のテンポにどうも乗り切れず、ボチボチという程度にしか楽しめなかった。
しかし作品そのものはレベルの高い一品である。
いくつかの点が趣味ではなかったので点は低いが、アクション、ストーリー展開等、内容自体はよくできた作品と素直に感じることができる。
まず冒頭のアクションシーンからしびれてしまう。
冒頭はトルコの猥雑なマーケットの中をカーチェイスする場面だが、そこから早くも心は持っていかれてしまう。
このけれんみたっぷりのアクションは嫌いじゃない。
バイクでバザールを疾走するシーンといい、列車の上での決闘といい、見応え抜群で、じりじりしながら見入ってしまう。
そこは007シリーズの良さを引き継いでいると言えよう。
それ以外のアクションシーンも盛り上がるようねらってつくられていて、さすがにおもしろい。
ストーリーも考えてつくられている。
任務のため、冷酷にエージェントを切り捨てることも辞さないMだが、ボンドもMの判断で危うく命を落とすところまでいっている。そんな中で、Mに切り捨てられたエージェントが復讐のためにスパイ情報を奪い、敵に情報を流してしまう。
というのが本作の流れだ。
エージェントの仕事と、Mの人間性の二点が本作のテーマといったところだろうか。
そういったストーリーのつくりは上手い。
また本作では、敵役のハビエル・バルデムが独特の存在感を放っていた。はっきり言って少し気持ち悪かったくらいだ。
「ノーカントリー」のときでもそうだったけれど、この人はちょっとイカれた感じの役を演じるのが上手いのかもしれない。いい役者だ。
といったように、誉める要素に満ち溢れた作品である。
これでテンポが良ければ文句なしだったが、まあボチボチ楽しめたから良しとしよう。
エンタテイメントらしさにあふれた一品であった。
評価:★★★(満点は★★★★★)
そのほかの007シリーズ感想
「007 カジノ・ロワイヤル」
「007 慰めの報酬」
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