私的感想:本/映画

映画や本の感想の個人的備忘録。ネタばれあり。

「オール・ユー・ニード・イズ・キル」

2014-07-11 20:05:13 | 映画(あ行)

2014年度作品。アメリカ映画。
桜坂洋のライトノベルをトム・クルーズ主演で映画化したSFアクション。近未来の地球を舞台に、謎の侵略者との戦闘に挑んでは戦死するという不条理な世界に囚われ、同じ出来事を永遠に繰り返す男が同じ境遇にいる女性兵士と出会い、現状を打破しようと奮闘する姿が描かれる。
監督はダグ・リーマン。
出演はトム・クルーズ、エミリー・ブラントら。




タイムループものである。
宇宙生命体との戦争で命を落とした兵士が、死ぬたびに何度も人生をやり直す、そういった内容だ。

タイムループ自体は、やりつくされたテーマだ。けれども、決して飽きさせず見せる辺りはすごい、と思う。
それはこの映画のゲームっぽさも関係しているのかもしれない。


実際主人公のケイジは、何度も死ぬうちに戦闘技術も上がっていく。そしてリタという女兵士と知り合い、タイムループから抜け出す方法の真相に迫ることとなる。
言うなればその設定はゲームのリセットと同じなのだ。

何度も最初からやり直すが、経験値は増えており、どのように行動すればいいのかもわかり、次々と難題をクリアすることができる。
まさにゲームである。


ただ何度も死ぬというのも、かなりきつい状況だなと見ていて感じた。
僕なら精神的におかしくなってしまうと思う。
だがケイジは何度も死に、人生をやり直していく。

とは言え、希望の見えないまま何度も死に続けることに、虚しさや無力感を覚えることもある。
実際ケイジは人生をやり直すたびに、リタの死を都度目にするし、まったく状況を変えられず、落ち込むこともある。
それはかなり絶望的な話だろう。


それでも何とかめげずに、危機を潜り抜け、謎に向かって一気に迫っていく。
そういった敵を追いつめる過程は、エンタテイメントとしてすばらしい。

エンタメ面に触れるならば、もちろん戦闘シーンもすばらしく、展開もたたみかけるようにスピーディだ。
プロット面を含め、多くの点で目を引く。

これぞまさに一級の娯楽映画、そう思う次第である。

評価:★★★★(満点は★★★★★)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 梓崎優『叫びと祈り』 | トップ | ウィリアム・シェイクスピア... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画(あ行)」カテゴリの最新記事