2011年度作品。アメリカ映画。
天才的なドライブ・テクニックを武器に、昼はアクション映画のカースタント、夜は強盗の逃走を請け負う運転手をしているドライバー。ある晩、彼はアパートの同じ階に住むアイリーンという若妻と偶然エレベーターに乗り合わせ、ひと目で恋に落ちる。だが彼女には服役中の夫スタンダードがいた。やがて服役から戻り更生を誓うスタンダードを見たアイリーンは、ドライバーを思いながらも家族を守る選択をする…。ドライヴ - goo 映画
監督はニコラス・ウィンディング・レフン
出演はライアン・ゴズリング、キャリー・マリガンら。
「ドライヴ」はジャンルとしてはアクションのくくりになるのだろう。
けれど、アクションにしてはずいぶん静かな雰囲気であった。
そう感じた理由は、主人公のキャラクターに負うところが大きい。
主人公のスタントマンにして、犯罪者のドライバーを務める男は基本的に無口である。しゃべるときでも、ぼそっていう口調の場合が多い。
おかげで何を考えているのか、パッと見、わかりにくい。
だけど根は優しい青年だということがだんだん見えてくる。
実際隣人がトラブルに見舞われたときなどは、女に惚れていたということもあるが、その夫に対しても、一肌脱ぐくらいの義侠心を持ち合わせている。
ともあれ、そんなキャラの影響からか、映画全体のトーンは抑えられたものになっている。
そして、ハードボイルドな空気すら立ち上がってきているのが、印象に残った。
物語自体は、前半こそ、平坦な内容だが、映画の中盤から加速度的に盛り上がってくる。
血で血を洗うという表現を思い浮かべるような、殺るか殺られるのかの展開がくり広げられ、ハラハラさせられる点が良い。
また適度な緊迫感が漂っているあたりも、魅力だった。
また車のシーンも派手さはないものの、見応えのあるものになっているのが良い。
ともあれ、個人的には満足の一品である。
世間的に見れば、地味な作品だ、と思うし、これっていう売りにはいくらか乏しいとは思う。けれど、映画のつくりとしては上々だ。
目立たないが、なかなかの佳品、と思った次第だ。
評価:★★★★(満点は★★★★★)
出演者の関連作品感想
・ライアン・ゴズリング出演作
「ラースと、その彼女」
・キャリー・マリガン出演作
「17歳の肖像」
「パブリック・エネミーズ」
「プライドと偏見」
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