ポン助の迷走日記

30歳目前・無職から、まあ何とかなるでしょうという日々を綴ったブログ。実際、何とかなりかけている。

ライブドアの決算

2006年01月19日 | 簿記・会計士
ライブドアの決算書を見てみました。

IRにあった最新の決算書は
平成16年の第1四半期(10月1日~12月31日)の連結F/Sだったのですが、
ちょうどライブドアが近鉄買収に名乗りを上げた頃と重なり、
なかなか興味深い内容になっていました。

知名度が上がったためか、平成15年末の段階で12社だった連結子会社は
平成16年9月末に27社、12月末には37社と急激に増えています。
そのため、「連結財務諸表作成の基本となる重要な事項」という

「この会社が連結対象で、処理方法は云々~」

という箇所が一般的な企業と比べて多めになっています。

この中で1つどうしても解せなかったのは、
「ライブドアファイナンス」という会社についてです。
この会社は別の会社に吸収されたはずなのに
また新たに設立されているようなのです。

おかしいと思ってネットで検索してみると、
そのことについてズバリ書いているブログを見つけました。

簡単にまとめると、

1、ライブドアの子会社で「エッジファイナンスアンドコンサルティング」
  という会社があった。この会社は平成16年2月1日に
  「ライブドアファイナンス」に商号を変更している。

2、「グローバル証券」という会社が平成16年3月22日に株式の公開買付によって
  ライブドアの子会社になる。

3、2のグローバル証券は平成16年7月3日に「ライブドア証券」に
  商号を変更している。

4、1のライブドアファイナンスは平成16年9月27日に、
  3のライブドア証券に吸収合併されている。

5、上記1~4とは関係なく、
  平成16年9月22日に「ライブドアファイナンス」という会社が
  新規に設立されている。

ここまで読んで、「え?」と思った方も多いかと思います。
全く同じ会社名が2つあるのです。
9月22日から26日までは全く同名の会社が存在していることになります。

新規設立の方は9月末の決算直前に設立されているので連結対象外になっています。
ところが、その後の第1四半期では連結対象になっています。
連結F/Sは親会社が企業集団全体の業績等を公表するものなので
子会社の個別F/Sは子会社自体が上場していないと分かりません。

ですからどんな処理が行われたのかは分かりませんが、
既存のものと同じ名称の会社を新設するのはおかしいと思います。

テレビ・新聞の報道では、株式百分割が悪いとか錬金術だとか
とかく感情論に走っているものが多いように感じます。

株式百分割も時間外取引でのニッポン放送株取得も
法律上の不備をついたものであって、道義上は問題がありそうですが
決して法律違反ではありません。

法律的・道義的・感情的。

この3つをごちゃ混ぜにして報道している新聞・テレビに恐怖を感じます。
何をやったか良く分からないけど、とにかく

ライブドアは悪!悪!悪!

と思っている方がいたら、ちょっと落ち着いてみてください。

お金を稼ぐ事は決して悪い事ではない。
利益が沢山あるから悪いという訳ではない。

情報を隠して株価を高くすることが悪いのです。
粉飾決算などはその最たるもの。

基本的に投資家は財務諸表を信じるしかない。
だからこそ、財務諸表に嘘があっては絶対にいけないのです。
それは株式市場、つまりは株主への最大限の裏切りになるのだと思います。

財務諸表の正当性を監査する公認会計士が背負っているものは、
株式市場全体の信用だと言えるでしょう。

ライブドアの監査法人である港陽監査法人がどのような対処をするのか
見守っていきたいと思っています。

なお、この記事を書いた1月19日午前中の段階では
ライブドアが粉飾決算をしたと確定した訳ではありません。
フジテレビでは「粉飾指示メールを独自入手!」とやっていますが、
これではちょっと弱いし、もし情報提供者のでっちあげだったらどうする気だろ。

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