功名が辻（第２２回）

【「鳥毛の槍」の話はどうでもいいような話だったのか？】
先週，十両の馬をゲットした一豊さま。
そして今週は敵将から名槍・来国俊をゲットしました！
原作では，十両の馬を駆使し，敵将・宍戸修理良近を見事に討ち取り，一豊は父の形見の槍を失う替わりに，この国宝級の槍を手に入れるという「功名が辻」の中では重要なエピソードだったと思われたのですが，ドラマでは秀吉ほか４名の，まるで競馬中継みたいに一豊の奮戦模様を観戦，実況のみ…
確かに今回の主役は光秀サマだったのかもしれませんが，それにしてもこの番組の主役は一豊と千代なんだから，いくらなんでも今回のような制作費節約的な演出はひどすぎる気がします

【武田勝頼，無念の首！！】
ついでに言えば，武田勝頼討伐の話も，このドラマお得意の「話は遡るが…」で，さらに勝頼の登場はとうとう逆光の首だけでした。
これも制作費節約の意図が丸見えです！
これで次回の「本能寺」が納得いかない出来だったら，視聴者は怒りますよ，きっと…

【時は今　雨の下しる　五月かな】
今回のサブタイトル「光秀転落」。
光秀が，信長を討とうとした理由は現在でも歴史学者の研究課題として諸説唱えられているところ（詳しくは「Wikipedia」参照），このドラマでは「怨恨説」＋「恐怖説」＋α　で語られています。
この「怨恨説」は，これまでいろいろなドラマでも取り上げられ，記憶に新しいのは昨年の正月時代劇「国盗り物語」でも，「誰が骨を折ったんじゃい！」の話や近江と丹波を召し上げられた話から光秀（渡部篤郎氏）が寝返りました。
ここでいう「＋α」というのは，①朝廷をも滅ぼそうとする信長に対する国賊討伐的思考説，②決め手は六平太の一言だった説（笑），などなどでしょうか。
近江と丹波を召し上げられた光秀の姿を目前にした一豊に「ワシならその場で異議を唱えて，聞き入れられねば自刃する」と言わしめるほど不愉快な人事。
第三者ですらそのように思わされるのに，光秀本人はどれほど屈辱的だったことでしょう
愛宕山での連歌会で詠まれた「ときはいま…」の句について，「らくたび涼」さんのブログに，この句には「土岐は今　天の下治る　五月かな」という裏のメッセージが込められているという記事が載せられていました。
なるほどという感じがしました

【むすび】
信長さま（舘ひろし氏）の恐い顔も徐々に板に付いてきましたが，板東三津五郎氏の神経質でかつ人の心を忘れない優しさを持つ光秀の演技も自然に入ってくるようになりましたね。
いよいよ次回，前半戦の山場「本能寺」！
原作ではたった２行で片づけられたこの見せ場を，今回のドラマがどう魅せてくれるのか楽しみですね！
ではまた来週