GWもあっという間に過ぎていきました…
結局,休み中は行楽地にも行かず,軽く買い出しに出かけた以外は,ほとんど家でゴロゴロしていました
ところで,先日,「梶浦由記」氏のプロデュースする「kalafina」のアルバムを購入したところ,予想以上に素晴らしかったため,楽譜がないか探していたのですが,GWに買い出しに出かけた際,久しぶりに楽器屋にふらっと立ち寄ったところ,「梶浦由記作品集」なるピアノスコアを発見し,思わず衝動買いしてしまいました!
私はピアノは弾けませんが,アコギで適当にジャガジャガする程度ならなんとか…
我が家にしばらく封印されていたヤマハのサイレントギターを引っ張り出し,久しぶりに一人で弾き語りの練習に明け暮れていました。
ワタシがギターを始めたのは社会人になってからでした。
なんとなく始めたものだったので,バリバリ弾けるわけではありませんが,ギターはジャガジャガ弾いて歌っているだけで自己満足に浸れるのがよいですね。
特にサイレントギターは,騒音に神経質になることがないので,好きなときに弾けるのがGOODです。
いつの日か,人前で満足に演奏できるようになりたいものです…
先日ペルジーノ展を見に行ってから,やたら気分が中世ヨーロッパになっている私…

そんなわけで,聴く音楽も中世のものを聴きたくなり,我が家のCDコレクションをごそごそあさっていたところ,買ってからあまり聴いていなかったCDを発掘しました。
「13世紀パリ・ノートルダム楽派の音楽とランス大聖堂の音楽」と題するこのCDを購入したのは1~2年前だったと思いますが,「レコード芸術」誌を立ち読みしていたところ,このCDの評論が載っていたことが購入のきっかけでした。
私の場合,買ったCDをほとんど聴かなくなる理由というのは,まったく面白くない演奏であるか,本質的に身体が受け付けないか,どちらかであるのですが,このCDの場合はその後者です。
このCDの収録曲は,時期的にグレゴリオ聖歌とルネサンスの間に相当するもので,グレゴリオ聖歌が一本調子で歌われていたのに対し,いわゆるオルガヌムと呼ばれる複声合唱の駆け出しとなるものが収められています。
その意味では,この時期の曲は音楽史的には貴重なものである一方,作曲者が不明な曲が多く,一般にはあまりなじみのないものとなってしまっているようです。
さて,グレゴリオ聖歌はユニゾンで歌われるだけなのにもかかわらず,なぜか心が癒され,ルネサンス以降のポリフォニーも和音の調和が気持ちいいのですが,本CDの収録曲は,初めて聴いたときに「なんだこの妙ちくりんな音楽は!?

耳になじみのない甲高い古楽器(管楽器と思われる)の伴奏に合わせてカウンターテナーを含めた男声4声で歌い上げるのですが,これがなんとも不気味な波長となって耳に入ってくるのです。
さらに,作曲法が確立されていなかったのか,わざとなのか,曲に節々にやたら不協和音が登場し,曲の不気味さをさらに引き立てています。
そんなことが理由で,おそらく数年お蔵に入ってしまい,今回久しぶりに聴いてみましたが,やはり違和感を感じました…

しかし,何回か聴いていると,この違和感が逆にたまらなくなってきてしまう自分に気づきました。
ありきたりのクラシックに飽きを感じてきた方がいらっしゃったら,この時期の曲を聴いてみると,古くも新しい発見があるかもしれませんよ

昨日、久々にCDショップのクラシック売場を散策していたところ、「追悼・ロストロポーヴィチ」なるコーナーを発見しました。
私はこのとき、はじめてロストロポーヴィチ氏が去る4月27日に亡くなっていたことを知りました。
世界的なチェリストとして名高いムスティスラフ・ロストロポーヴィチ氏…かつて、旧ソ連の体制に追われ米国に亡命したという過去もあり、人生相当苦労されてきたのでないかと思われます。
彼は、チェロだけでなく指揮者としても広く活躍され、どちらかといえば私は、指揮者としての彼の演奏を聴くことの方が多いですね。
特に、彼の指揮するショスタコーヴィチの交響曲の数々は、その独創性と大袈裟な表現が災いしてか、音楽評論家からの評価は辛口なものが多いのですが、私は逆に、興味と深い感銘をもって彼の指揮するオーケストラを聴きまくりました。
特にショスタコーヴィチの交響曲5番は賛否両論激しいですね(私は絶賛派なのですが…)
しかし,今回は5番ではなく,あえて交響曲第14番「死者の歌」についてお話ししましょう。
少数のオーケストラにソプラノとバス各1名といった,交響曲としては異色の編成の「死者の歌」。
スターリン体制の中で常に命の危険にさらされていたショスタコーヴィチは,「命」という尊いものに必ずつきまとう「死」という絶対的な存在を常に意識していました。
そしてスターリンの死後,ショスタコーヴィチの抱いていた「死」というテーマは,数多くの作品の中に見え隠れするようになりました。
その集大成ともいうべき作品がこの「死者の歌」なのではないかと思います。
ロストロポーヴィチが旧ソ連において1973年にモスクワ・フィルを指揮した「死者の歌」は,彼の妻・ガリーナ・ヴィシネフスカヤがソプラノとして共演しています。
そしてこの翌年,ロストロポーヴィチ夫妻はソ連を追われ亡命することになりました。
これらの背景が,この曲の裏側に潜む闇を物語っているのかもしれませんが,そのような背景抜きにしてこの録音を聴いてみても,聴いているうちにだんだん背筋が寒くなってくる自分に気づくでしょう。
以前,ハイティンク版をはじめ,何枚かの「死者の歌」を聴いたことがあるのですが,そのときは全くそのような気持ちにはなりませんでした。
ところがロストロポーヴィチのこの録音は,まるで本当に死者達が乗り移ってくるかのような錯覚を覚えるのです。
ロストロポーヴィチも,ショスタコーヴィチと同じ闇の時代を生き抜き,「死」と対話した結果,彼らが見出した理想の世界は「人の心を大切にする世界」だったのではなかったのでしょうか?
そのロストロポーヴィチも逝ってしまいました。
一つの巨星がまたひとつ失われてしまったのは非常に残念でなりません
「死」は,彼にとっても絶対的でした…
ロストロポーヴィチさん,数々の感動をありがとう!
場所は市ヶ谷のルーテル教会。
今回の内容は,オーケストラのような大規模な編成を用いず,ピアノ2台とパーカッション,オルガンそして声楽男女16名のみでオーケストラ的なアンサンブルを試みるというもの。
曲のメインディッシュはブラームスの「ドイツレクイエム」及びオペラの抜粋3曲でした。
本当は,プレコンサートとして,オルガンの演奏も行われていたのですが,職場から急いで行きましたが,残念ながらプレコンには間に合いませんでした

私が会場に入ったときには,定員200名ほどの教会のホールは結構観客が入っていました。
そしていよいよ開演。
前半はオペラの抜粋が演奏されましたが,そのうちの2曲目,ハンス・プフィツナーの「パレストリーナ」では,舞台だけでなく,観客席の後方にも女声が配置され,舞台と見えざる女声の掛け合いが新鮮でした。
まさに教会という手頃な広さの会場の利点を生かした演出でした。
(最初,突然うしろから女声の歌声が聞こえてきたときはびっくりしました

後半はメインのドイツレクイエム。
ブラームスの「ドイレク」は,知る人ぞ知る重い曲です。
同じレクイエムでもモーツアルトやフォーレのものと同じように聞こうと思ってもなかなか曲が入ってこない難曲で,私も以前CDを買いましたが,数回聞いてお蔵入りしていました。
そんな中,今回のお誘いがあったこともあり,お蔵入りしていたCDの封印を解き(汗)ここ1週間くらい通勤で予習していました

そんな難曲「ドイレク」をオケでなく小編成アンサンブルでやってのけようとするこの企画。
正直はじめはどうなるんだろうと思っていましたが,いざ演奏が始まってみると
「すごい!ドイレクじゃんっ!!」
という感じにのめり込み状態

最初の”ズンズン”という棺桶を引きずるようなピアノの表現で始まるのが非常に印象的でした。
このピアノ2台がオーケストラの替わりになるものなので,この演奏,演奏者の二人が息を合わせることが非常に重要なんだと思いますが,これはかなりたいへんなことなのだと思います。
特に第6楽章の山場にさしかかる部分では早いテンポで盛り上がっていくので,これをぴったり合わせるのは至難の業なのでは!?と思いながら聞いておりました。
でも,長時間の演奏で,声楽には疲れが見え始めたにも関わらず,ピアノの二人の集中力は最後まで減衰することなく演じ切りました!
会場では叫べませんでしたが「ブラボー!」と言わせてください

私も昔,ちょっとだけ声楽的なことをやっていたので,久しぶりにこういう場で歌ってみたい気になった今回のコンサートでした

~追伸~
今回のコンサートにお誘いいただいたH様,すばらしい演奏会ありがとうございました

これからもご活躍を期待していますね


風邪で休んでいる人もおり、ただでさえ人手不足の折、予期せぬ客、予期せぬ照会、予期せぬ苦情のオンパレード!





夕方くらいには、「た、頼む…ワタシに本来の仕事をやらせて…」と、頭の中が廃人の状態になってました

ほぼ死人状態となって、帰りの電車の中で呆然としながら、ポータブルCDプレイヤーでユージン・オーマンディ指揮の「展覧会の絵」を聞いていましたが、今までたいした名演とも思わなかったこのCDが、なんだかやたら素晴らしい名演に聞こえました!(実は8年くらい聞いておらずお蔵入りしていました)
なんとなく精神力が回復した感じがしました

ちょっぴりオーマンディとムソルグスキーに感謝です♪
クラシックのCDが我が家に推定250枚以上はあるのですが,一度だけ聞いてほとんど聞いていないものも結構あるかも…

たまには紐解いてみると,今日みたいに意外と新たな発見ができるかもしれませんね

ムラヴィンスキー指揮,レニングラードフィルハーモニー管弦楽団
(ICONEレーベル,1984年録音,ADD)
いつの頃からか,狂ったようにショスタコーヴィチのCDを漁るようになり,交響曲第5番のCDも十数枚聞いた

このCDは5~6年ほど前に購入したものだが,買った当初は何気なく聞き流していたものの,最近あらためて聞き直してみたら,実にすばらしい一品であった

ムラヴィンスキーの録音は,その大半が旧ソビエト下での録音であり,同年代の西側の録音と比べて極めて劣悪なものが多いが,このディスクは録音年代も新しく,ムラヴィンスキーの録音の中でも奇跡的に録音状態が良い(ICONEレーベルのディスクは,他の何枚かのディスクにも言えるが,うれしいことに音が良い^^)
特に印象的なのが第3楽章。バーンスタインもさることながら,ムラヴィンスキーはこの静かで,時に感情が高まる楽章を,絶妙なうねりを持たせて表現し,そのあまりの美しい悲壮感に自然と涙がこぼれてくる。
第4楽章は,ムラヴィンスキーの他の録音と比べて,山場の以降が比較的ゆっくりになった気がする。例の「ショスタコーヴィチの証言」の影響か,それとも老匠の思慮が入ってか?
いずれにせよ,レニングラードフィルを率いた巨匠晩年のこのディスクは涙なしでは聞けない名演である
