(前回の続き)
伏拝王子を立ち,前回の最後にお話しした「橋」を渡ると,関所の跡のようなものが出現。
由来はよくわかりませんが,少なからずこのような関が古道にも多くあったのかもしれませんね。
今回のコース(第2回地図参照)のほぼ中間地点の伏拝王子から次の祓戸王子までは,これまで以上に起伏の激しくなった山道が続き,思った以上の歯ごたえがありました。
今まではあまりなかったこのような(↑)段状の道が次々と現れます。
あらためて写真を見るに,結構斜度があったんですね。
歩いているときはがむしゃらになっていたのであまり意識していませんでした…
しばらく歩き続けても,すれ違ったのはほんの3~4人というほぼ貸し切り状態の熊野古道。
行けども行けども続く杉林。
滝のように流れ出る汗。
ある種の気持ち悪い気持ちよさが自分を包み込んでいるように錯覚し始めました
いわゆる「ランナーズ・ハイ」に近いものかもしれません。
トランス状態に陥っていたところで,ようやく山道から舗装道路に抜け,少し歩くとようやく最後の王子である「祓戸王子」に着きました。
実はこの場所,もう目と鼻の先に熊野本宮大社が控えており,今までの王子が休憩場所としての意味合いを兼ねていたのと異なり,この王子は熊野本宮に参詣する前に汚れを祓う場所としての機能を果たしていたようです。
史料により「祓戸」「祓殿」「祓所」などの表記が見られるようですが,いずれにせよこの場が「祓い」の場所であったのは間違いなさそうです。
私もこの場で身を清め(たつもりで…),いざ熊野本宮へ!
祓戸王子から1,2分でとうとう熊野本宮の裏口に到着
この時点で時計は午後1時15分。
約8キロの山道を1時間35分で歩いたことになるのですが,これが一般人にとってどのくらいのペースなのかはわかりません。
ただ,個人的には相当早足で歩いたつもりでいます
というわけで,次回は熊野本宮についてお話しします。
(次回に続く)