
【ジノリ家の別荘】撮影:笠原知子
【ドッチア窯(ジノリ窯)小史】
●第1期カルロ・ジノリ(1735-1757)
●第2期ロレンツオ・ジノリ(1758-1791)
●第3期カルロ・レオポルド・ジノリ・リーシ(1792-1873)
●第4期ロレンツオ2世ジノリ・リーシ(1838-1878)
●第5期カルロ・ベネデット・ジノリ・リーシ(1879-1896)
●リチャードジノリの時代:ジオポンティ,ガリボルティ
「イタリア陶磁器の伝統と革新―ジノリ展」カタログ参照
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なぜ私は、数あるヨーロッパ名窯から、ドッチア(ジノリ様式/メイド・イン・フィレンツエ)を選んだのだろう。思いを巡らせてはきたけれど、その深みと楽しみを、まとめて書いたことはない。
昨年から、自身の内側に大きな変化が起こり続けている。それは、師匠が目に見えない世界に旅立ってしまったことが大きい。師匠の卓越した感性と装飾の手技は、ジノリ創業300年余りの歴史の中で伝承され、アーティスト/職人たちの個性とともに、私も、受け継がせて頂いている。
イタリア美術史、特にジノリに造詣を深めるようになって、それは、伝統や様式という言葉に納まりきるものではないと確信してきた。だから面白い。過去から未来へ、これからも、私たちの生活の中に、その深みのある歴史を併存させてみたい、という気持ちにさせられる。
メイド・イン・フィレンツエって、なんだろう?
根底に決して揺るがない「美」が存在していることに気づかされる。興味を惹かれるのは、その琴線がことのほか繊細で、かつ大胆な独自の創造性を底抜けに持っている。
美術史なしにも語れない。これが、大学時代にGINORIに出会ってから、現在に至るまでに辿り着いた、ほんの一握り掴めたかもしれない、楽しみ方だろうと思っている。
ジノリ様式・磁器上絵付教室は、師匠のレッスンアシスタント経験を経て、今年で16年目。東京の住宅兼仕事場で継続してきた。
「あなたは、どうしたい?」と、私は見本を見ながら、生徒さんにいつも問いかけることを、習慣化している。始まりから終わりまで、作品はどれも、新しくて、かっこいい。1人1人のライフスタイルや楽しみ方が織り交ぜられているから、伝統技法が、イキイキと喜んでいるように思えてくる。
作品は持ち帰られる前に、必ず記録写真を撮らせて頂く。各位のファイルに貼るために。少しまとまってきたので、久しぶりに更新をしてみたら、その凄さに驚かされた。作風として、その人らしさが前面に出ているから。
私は即座に、「誰かに伝えたい。」そんな気持ちにさせられて、4年ぶりに「美」展を開くことにしたのです。
レッスンで完成させた作品は、夢日記が綴られたようなもの。ゆっくりと自分のペースで完成させる作品は、今あるくらしの豊かさと、新たなはじまりに繋がっていくもの。
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【生徒さん制作中】
今回の「美」展では、作品を鑑賞しながら、作者その人が自然とフォーカスされていることに魅力を感じて頂けましたでしょうか?
【磁器を装飾すること】から、その人にとっての心地よさ、美をみて美に満たされる時が生まれていく。現在-過去-未来/Felicita ora e semple、この深みと楽しさは、私自身にも学びとなり、これからも、皆さまと受け継いでいきたいと思っています。
Vi ringrazio/感謝
ドッチア様式(イタリア・ジノリ様式)磁器装飾家
笠原知子/Tomoko Kasahara
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★Corso piattoscana
日本で唯一「ドッチア様式(イタリア)」の陶磁器上絵付が学べる教室
★Studio piattoscana
拘りの装飾(お客様の想い)を手描きでお作りする注文制作スタジオ
https://www.piattoscana.com
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