ゲイリーマンのカミングアウト的思考

長年サラリーマンしながらLGBT活動。45歳にしてフリー。同性愛者らが自分らしく生きられる社会を地方から目指す。ミラー版

同性愛者が増えることの問題?

2009-03-15 02:04:07 | Weblog
「セックス格差社会」恋愛貧者、結婚難民はなぜ増えるのか?
(宝島社新書 門倉貴史著)
という本を見つけて適当に読んでました。

格差社会と言われるこの日本で、所得格差が出会い、恋愛、結婚のチャンスにも
格差が付いてしまっているのだという。

年収200~300万以下の男性で交際女性がいるのは30%しかいないのに
500~700万だと80%も交際相手がいるとか。
でも、700万を超える高収入者は忙しすぎるのか逆に60%にとどまる。

なお、性風俗店の利用割合をみると
年収300万以上は高収入者も同じ調子で60%の人が利用したことがあるけれど
200万以下となると、予算を理由にして15%しか利用したことがない、とぐっと下がる

所得が低い非正社員は、女性が結婚相手に望む収入とかけ離れているので
出会いの機会さえ失っているんだと。

コンドームの国内出荷量は1990年に約6億個だったものが、2006年には
3億個となんと半減。セックスレス化が進んでいるのと同時に性教育の不足によって
ゴムの未使用が横行していると思われ、実際に低年齢層の出来ちゃった結婚の爆発、
早期離婚となって現れている。戸籍制度の弊害もある。

全国には56万の中年童貞がいて、30歳を過ぎた負け犬!?女性は、より高望みを
してしまい、出会いが折り合うことがないんだとか。

こんな調子で、ズバズバと書いている本なのですが
後半に同性愛のことも書かれていて、これがちょっと・・・

以下抜粋
「男性優位社会が崩壊して、男性の女性化が進むとともに女性の男性化が進んでくると、
男女の性差のボーダーラインは限りなく薄っぺらなものになり、同性愛というものが生ま
れてくるようになる。欧米ではレズビアン(女性の同性愛者)や、ゲイ(男性の同性愛者)、
バイセクシャル、トランス・ジェンダー(男性→女性、あるいは女性→男性の性別移行者)
といった「LGBT」が増加傾向にあるが、日本でも同性愛者の数が増えてきていると言わ
れる。たとえば、株式会社パジェンダが07年に行った調査によると、日本国内の同性愛者の
数は274万人に上るという(うちレズビアン人口が166万人、ゲイ人口が108万人これを20歳
から59歳の人口比で見ると約4%となる。今後レズビアンやゲイになるかもしれない潜在的
な同性愛者までを含めると、その数は640万人にまで膨らむ。
同調査では、同性愛者が行う消費支出の規模も推計しており、それによると年間の消費金
額は6兆6423億円にも達するという。
レズやゲイといったセクシャルマイノリティの増加は、(子供を作れないので)少子化につ
ながるというマイナスの側面があることは間違いがないが、その一方で、彼ら、彼女らが
社会的に認められ、生産活動や消費活動に参加することによって、経済にプラスの効果を
もたらす側面があることを忘れてはならない。」

以前、自分も記事でとりあげたことのあるパジェンダの調査結果まで取り上げて、紹介して
いるのはすごいなと思ったけれど、同性愛は増えはしません。

■参考過去記事(レズビアン・ゲイの推定人口は270万人)
http://blogs.yahoo.co.jp/deep8822/47785707.html

もともとそうだった者が自覚をするか、隠してたものが自分らしく行動するようになるといったように、
表に現れてくるだけなのですけどね。

同性愛者を増やさないようにしなければならない!とか
増やすような施策(人権啓発施策や同性愛者たちへ支援)を講じるべきではない!とか
そういうことを言う人がいますが、同性愛が増えているのではなく、自己肯定をして、
自分らしい生き方を模索し始める人が増えているということです。

社会のためには、自己を隠したままで抑圧された生き方であっても、自分を抑えて無理にでも異性と
結婚させた方が良い。できればそのままに気が付かないほうが良いので、肯定的な情報も発信しない
方が良い。自分勝手は許さないように、増やさない工夫がいるのだ!などと、本気で言うなら、
そんな考えは、非常に不幸な社会を目指しているといえ、同性愛者に限らず異性愛者にとっても
息苦しく不幸な社会へと突き進むことになるだけです。

自分のことを自覚し、肯定的に捉えることが出来るようになることは、喜ぶべき祝福すべきことだと
思いますが、社会的な圧力は相当で、多くの当事者は自分を受け入られず一人で抱えているのです。

匿名のインターネットでの調査で、回答を隠す必要がない中で、また4万人もの人数で調査したもの
ですから、相当な精度と思われますが、 上記のような同性愛者の数が本当にいるように思えませんよね。

多くの人にとって、20人に一人が同性愛者?そんな実感はもてないと思います。

こんなに実はいるのに、ほとんどの同性愛者は
密かに自覚しながらも行動をほとんどしていない。そのことの意味を想像してみて欲しいと思います。


そういうことも書いたと思えば、フランスのPACS法という結婚制度の枠組みでない
制度によってカップルの社会単位を認めたことで、少子化が治まった例を取り上げるなど
旧来の考え方で捉えない視線もあったりします。

最近の日本におけるセックスレス社会から見る少子化のこと、格差社会のことをあれこれ書いていて、
このままでは到底に少子化は改善できるわけもない現状を分かりやすく書いている本ではありました。

この本、オヤジっぽい文面?だよな~と思いながら読んでたら、
著者は俺とほぼ同い年のエリートだった!
それはそれで、ある意味ショック(辛)
コメント (4)
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