ボタンの専門家、張生仁さんと彼が栽培する「季節外れ」のボタン。(資料写真、銀川=新華社配信)
2022年3月7日(月)発行の「新華社」のWebサイトに”砂漠に咲くボタン、日本で学んだ専門家が実現 寧夏回族自治区”という見出しの記事が掲載されています。
【新華社銀川3月7日】ボタンは適度な湿気と寒さを好むことで知られる。だが中国寧夏回族自治区出身の張生仁(ちょう・せいじん)さん(47)は、乾燥したムウス(毛烏素)砂漠の一隅でボタンを咲かせることに成功しただけでなく、中国西北部の人々に、冬にボタンを愛でる喜びをもたらしている。
モウス砂漠の一隅に植えられたボタンの成長を確認する張生仁さん。(資料写真、銀川=新華社記者/孫天朗)
張さんは2005年に日本へ渡り、島根大学でブルーベリーの栽培を学んだ。しかし入学して半年後、気品高いボタンに魅了され、ボタン栽培に主軸を移すことになった。
春節連休期間に開催されたボタン展で珍しい品種を撮影する来場者。(資料写真、銀川=新華社配信)
2015年、張さんはふるさとの寧夏へ戻ってきた。同年春、寧夏長城水務では、木本油料作物関連産業を発展させるという国の要請に応え、モウス沙漠に寒さと日照りに強い紫斑ボタンを3万株以上植え付けた。張さんはボタン栽培の高度人材として寧夏長城水務に招かれ、働くこととなった。同砂漠は中国の四大砂漠の一つで、この土地にボタンを植えるのは張さんにとっても新たな挑戦となった。
春節連休期間のボタン展を訪れた観光客にボタンについて解説する張生仁さん。(資料写真、銀川=新華社配信)
張さんは「ボタンは湿潤で涼しい環境を好むため、砂漠は栽培適地ではない。だが一度定着すると、その寿命は50年から100年にも及び、根も深く張り、砂漠化の防止に非常に効果的だ」と説明する。
春節連休中に開催されたボタン展で記念写真を撮る来場者。(資料写真、銀川=新華社配信)
張さんのたゆまぬ努力により現在、砂漠の境界地域には700ムー(約47ヘクタール)以上に紫斑ボタンが根付き、その生存率も95%を超えている。張さんはボタンの油料作物としての経済的効果を上げると同時に、観賞用ボタンの栽培にも取り組んでいる。ボタンの生育過程を緻密にコントロールすることで、多くのボタンを真冬に咲かせることに成功した。今では一般家庭でもボタンを楽しんでもらいたいと、ボタンの鉢植え栽培にも着手している。
モウス砂漠の一隅に植えられたボタン。(資料写真、銀川=新華社配信)
張さんは「今年の春節(旧正月)連休に開催したボタン展では、日本など海外から輸入した品種と国産品種を合わせて60品種以上700鉢を超えるボタンを出展し、来場者に大変好評だった」と語った。(記者/艾福梅)