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読書 その四十六 フロク・4 ドローイングーI

2011年03月07日 23時02分29秒 | 読書 (国吉康雄、回顧展カタログの翻訳)
MoMAの「19人の現存アメリカ画家」展の後を受け、当時活躍していたアーティスト達の
中から29人を選んで、1939年までのドローイングを集めてみました。


01-Peaches in a Bowl by Yasuo Kuniyoshi:ヤスオ・クニヨシ、「ボールの中のモモ」
クニヨシの作品には、少しキュービズムっぽいところがあり彼独特の空間を創っていて面白い。 
彼の黒く描かれた部分と白く残された部分の組み合わせと使い方は、物体の輪郭と立体感を
抜群のうまさで引き出しているように思う。


02-July Fifteenth by Grant Wood:グラント・ウッド、「7月15日」
グラント・ウッドのアイオワ州のローリング・ヒルスを描いたこの風景画は、夏の暑い光を受けながら
延々と続く穀物帯の雰囲気が想像出来ます。 濃く描かれたブロッコリーのような木々の作るパターンも面白い。


03-Duck Hunter by Arnold Blanch:アーノルド・ブランチ、「ダック・ハンター」
クニヨシの学友であるアーノルド・ブランチ自身、鴨猟は好きだったようです。 朝一で来たのでしょうか
空はまだ暗い感じです、猟犬はどこでしょう?
 

04-Hogs Near a Corncrib by Harry Wickey:ハリー・ウィキイ、「コーン納屋近くのブタ」
1935年に目を悪くしたハリー・ウィキイは、エッチングの制作を諦めオハイオ州の農場で
暮らしそこで接した家畜達を描いたリソグラフの一つです。


05-Pastoral, Puerto Rico by Irwin D. Hoffman:アーウィン・ホフマン、「プエルトリコ田園画」
1901年にボストンで生まれたホフマンの作品は、彼独特の曲線の持つしなやかさと強さを
うまく使って労働者達の表現が出来ていると思います。 植えているのは煙草の葉でしょうか?


06-Corn by John Steuart Curry:ジョン・ステュアート・カーリイ、「トウモロコシ」
広大なコーン・フィールドの緑、葉っぱのツヤまでが伝わって来そうな、その中に住んで
居ないと描けない作品、そんな感じがします。 コーンだけで一枚の絵にした処は、お見事。 


07-Jackie by John E. Costigan:ジョン・イー・コスティガン、「ジャッキー」
コスティガンの子供ジャッキーの絵、お父さんの牧場の仕事を手伝って疲れたのでしょうか? 
強い日の光よりまぶしいジャッキーの白い歯です。


08-Milton Pond, Thanksgiving Day by Lauren Ford:ローレン・フォード、「ミルトン・ポンド」
感謝祭の日、七面鳥を食べた後に出てきたのでしょうか、ポンドで楽しそうに遊ぶ当時の
子供達の様子がスケーティーなタッチで描かれています、大人達は暖かい家の中でワインでしょう。


09-Missouri Wheat Farmers by Joe Jones:ジョー・ジョーンズ、「ミズリーの小麦農夫達」
ウィート・バッグをヒモでトジている処で、農夫の着ているオーバーオール、帽子や靴が妙に
リアルで、麦袋の布の質感とバックグラウンドの対比のなかで力強い存在感を作っている。


10-Morning Train by Francis Chapin:フランシス・チェーピン、「朝の汽車」
オハイオ州ブリストルビルで生まれたフランシス・チェーピンは、チカゴで活躍しました。
道の曲がり角や坂道、回りの雑草や遠くの丘、それに空の雲まで曲線っぽく描かれ全体にとても
柔らかい雰囲気を創り上げている。 もうすぐ汽車が来るところのようであるが、馬の後ろに
いる人は、いったい何をしているのだろう、誰かを待っているのでしょうか?


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