音多歌樂箱 オタカラバコ・音楽療法の待合室

東信濃に生息する看護師×出前音楽療法士ハラサチコの覚書。

孝行をしたいときには

2005-01-25 23:55:12 | 箱:Private
生まれながら祖父母がひとつ屋根の下にいて、祖父母主導で
いろいろ(お百姓など)を営む家庭に育ったので、
成るべくして「年寄りっ子」に成長しました。
(両親は「この子は親よりも年寄りの言うことをよく聞く」と
思っていたようです)思春期までは月替わりで祖父母と
寝ていたことも。灯りを消してから、いびきでも寝言でも
「ああ、息してるな」というのを確かめて眠っていました。

時を経て、新たな地で新たな家族と生活をすることになり、
その家庭にも私好みのすてきな老夫婦(つまり祖父母)が。
出来の悪いヨメさんを、実の孫同様に可愛がってくれた
祖父母でしたが、昨年相次いで他界しました。
祖父の荼毘の日、斎場の中庭にあった桜が満開で、
「今年は花見どころじゃなかったから、じいちゃんが見せて
くれたんだよ」と桜を眺めながら皆で泣いていました。
残されたばあちゃんのことをもっと大事にしなきゃ、と
思った矢先、夫婦仲の良さを証明するかのように、
じいちゃんからちょうど3ヶ月後の暑い夏の日に
ばあちゃんも旅立ってしまいました。
いなくなった直後は「ふたりともいない」ということが
ちっとも実感できず、もっといろいろ話したかった、
ほっぺた触らせてほしかった、お正月やお祭りを賑やかして
ほしかった、ひ孫を見せたかった…
何よりもっと生きていてほしかった。

年末、その祖父母不在の大晦日、細○○子が番組内で
言っていたこと。
「お墓参りに頻繁に通っても、ご先祖さまにいろいろと
お願い事をしに行くのは失礼なことで供養にはならない。
ご先祖様には心配かけちゃダメなの。感謝しなきゃ」

肉体があるうちに恩返しできなかった悔いは残りますが、
仲良く「新居」に入ったふたりに手を合わせながら
「ありがとね」と心から言うのも孝行かな…というのが、
気持ちの整理がついた最近の考えです。

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