拾遺

2008年05月25日 22時33分14秒 | キジトラ兄弟保護中

 

以下、拾遺である。

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これは、フードポンプという商品。
「針のない注射器」である。
柔らかいチューブのアタッチメントが二種類付属。

これを購入したのは、忘れもしない、ナクちゃんが死んだ日だった。

当時、ナアちゃんとナクちゃんは元気だったが、
ミクちゃんが下痢で緑便、ミアちゃんが下痢で血便、という状況だった。
特にミアちゃんは、まだミルクを「吸う」ことができず、
また、哺乳瓶の乳首を「噛む」元気も余りなかった。
口の中のミルクを「飲み込む」ことならばちゃんとできる、という状態だった。
そんなミアちゃんのためにこれを購入したのだ。

その日、私自身の診察のため病院に赴いた私は、
投薬待ちの時間を利用してペットショップを訪れ、これを選んだ。

帰宅したらナクちゃんが死んでいた(それについてはここでは繰り返さない)が、
ナクちゃんの死を悼む間もなく、私は残る三匹の世話をせねばならなかった。
そしてこの給餌器で、ミアちゃんの口の中にミルクを流し込んでやったのである。
その日と、翌日と、二日ほど続けた。

使用の際のポイントは二つ。

◎気管にミルクが入らないようにする。
◎口腔内を傷つけないようにする。
(この商品は先端部が丸く仕上げられているので、口腔内が傷つきにくい。)

26日00時17分追記:
文中、仔猫達の名前を書き間違えていたので、こっそり修正した。
(私は三人兄弟の末っ子だが、
親はよく我々三人の名前を呼び間違える。
なぜ間違えるのだろう、と不満だったが、
自分が仔猫達を育ててみて、
初めてその感覚が体感できた。すなわち、
重要なのは記号としての「名前」ではなく、
「子そのもの」なので、名前はどうでもいいのである。
更に、名前とは或る点で「区別する」ためのものであるが、
親から見れば、子供は皆「区別なく」可愛いのである。
……などと書いてみても誤記の言い訳にはならないが。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 


サイド・ストーリー

2008年05月25日 13時05分00秒 | キジトラ兄弟保護中

 

 

 

  「ナスターシャ・フィリポヴナ!
俺があんたにぞっこん参ってるってことは
わかってる筈じゃないか!」 
 

「うおおっ」

「おやめなさい、ロゴージン!」

  「……どうしても俺を愛してはくれないのかい?」 
  「ねえ聞いて頂戴」 
  「実は、ムイシュキン公爵が……
アグラーヤが……かくかくしかじか」

「えっ、なんだって?」
  「そうだったのか……!」
 

「あんたは、それで満足なのかい?」

「ごめんなさい、ロゴージン、でも……」

 

「ナスターシャ、あんたって人は……」

「……うううっ」 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


かがやき

2008年05月25日 08時20分55秒 | キジトラ兄弟保護中

 

 

 
この前足を踏みしめて 僕達は歩む
僕達は苦難を恐れはしない

けだし苦難は そもそも存在せず
在るのはただ 歩むことのみなのだから
この後肢を駆って 私達は疾走する  
如何なる障碍も
私達を押しとどめることはできない
なぜなら生そのものが
疾走に他ならないのだから 
  そうさ
光に包まれて 光を突き破って
俺達は進むのさ

光より速く 光より遠く 駆け抜けるのさ 
  俺達は いつも いつまでも
光より明るく激しく 輝くのさ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


人生の重荷

2008年05月24日 19時03分00秒 | キジトラ兄弟保護中

 

  あーあ 若い頃は良かったな 
  ほら あったかいミルクで腹いっぱいになると
とろーんと眠くなってくるだろ 
  そのままゴロンと横になっておしっこしちゃうのが
最高にいい気分だったんだけどな 
  それが今じゃ
こんな所でやるんだからな 
  まあ しょうがねえけど
俺も もう いい年なんだから 
  それによ こいつらの面倒もみなくちゃならねえし 
  なんだかんだでストレスたまるんで
たまに甘えたくなっちゃうのは内緒だぜ 
  さ 終わったぜ どっこいしょっと 


 

 

 

 

 


 


避暑地の出来事

2008年05月24日 15時46分14秒 | キジトラ兄弟保護中

 

  避暑地の別荘を訪れた私は、黄金を見いだした。

 

三匹の肛門を調べたところでは、またミクちゃんが排泄したようだ。
先刻のものよりやや柔らかいが、良いウンチである。
だいぶポンポコリンだったからなぁ。
たっぷり出して、すっきりしただろうなぁ。
ほっほっほ。 

 

 

 

 

 

 

 

 


大慶

2008年05月24日 11時29分00秒 | キジトラ兄弟保護中

 

 

「巣箱」をのぞくと……あっ、ウンチ! 

  誰のウンチかなー?
うーん、ミアちゃんのお尻は綺麗だな? 
  あっ、ミクちゃんのお尻にウンチが付いてる!
 

結局これだけ採取。
画面左は、ミクちゃんのお尻についていたもの。
画面中央と右は、「巣箱」の中にあったもの。

おそくら全部がミクちゃんのウンチだと思われるが、
ナアちゃんおよび/またはミアちゃんも排便した可能性はある。

ともかく、ミクちゃんが中四日をおいてウンチしたことは確実。大慶。 

  偉いねミクちゃん。
僕は君を信じていたよ。(近所の動物病院の情報も調べてはおいたけどね。)
またたっぷりミルクを飲んで、またたっぷりウンチしようね。

 
ミアちゃんは今ウンチしたのかな?
今しなかったとしても、いずれまた、ちゃんとウンチするよね。
まだおなかがポンポコリンじゃないから、
もうしばらく後かもしれないね。

  

 



 

◎暑さを訴える

防水した電気アンカを底部に入れた「巣箱」は、ずっと私の寝室(笑)に置いてあったが、
昨日・今日の昼間は、かなり暑いので、普通の涼しげなダンボール箱(「別荘」と命名)を
別に用意して仔猫達を入れ、風通しの良い私の書斎(笑、「避暑地」と命名)で寝かせている。
いま彼等は、キーボードを叩く私の横でスヤスヤと眠っているのだ。

(昨日も今日も、ナアちゃんがいやに鳴き叫ぶ。おなかもいっぱいだし、ウンチでもオシッコでも
ないのに鳴き叫ぶナアちゃんは、「暑いよ~」と訴えていたのだ。)

夕方になったら、また「巣箱」に戻してあげるよ。
夜になって更に涼しくなったら、電気アンカをオンにしてあげるよ。


◎噛む時代の終わり

仔猫達の「噛む時代」は数日で終わってしまった。
(このところ兄弟同士でもやたらと噛み合っていたから、
「噛まれると痛い」ということを学習したのかもしれない。)

昨日あたりからは、私の掌や指の、柔らかく膨らんでいる所に
鼻をおしつけ、まさぐり、舐め、そして、にゃぐにゃぐ吸い続ける。
おなかがいっぱいでも、そうするのだ。


◎走る

授乳前はなるべく仔猫達を自由に遊ばせて観察する。
今までよたよたと「歩く」ことしかできなかった仔猫達だが、
特にナアちゃんとミクちゃんは昨日あたりから、ウサギのように
後ろ脚を二本揃えて蹴って前に進むこと、つまり「走る」ことが一応できるようになった。

面白いのは、彼等が自分で自分のその能力に驚き、とまどっているように見えることだ。
「なぜこんな能力が急に備わったのだろう? この能力を何のためにどう使えばよいのだろう?」
彼等の姿はまるで、そんな風に考えているかのようなのだ。

 

 

 

 

 

 

 


写真家ナアちゃんの修業時代

2008年05月23日 18時38分00秒 | キジトラ兄弟保護中

 

「あのさ 俺 最近 ショボーンなんだよね」  
「写真芸術のクリエイティヴィティって何なのよ?
とか考えちゃってさ スランプよ スランプ」 
「ピンが合ってりゃいいってもんでもねえしさ」 
「可愛いけりゃいいってもんでもねえし」 
「悩んだ挙げ句 ヤバげな隠し撮りに 手を染めちまって」 
「しまいにゃ トイレの盗撮まで……」 
「今は すっごく反省してるわ 穴があったら入りてえよ」 

「……ま 気を取り直して また頑張るか」 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


怖い連中がやって来た

2008年05月23日 11時57分00秒 | キジトラ兄弟保護中

 

  借金の取り立てに来たわけだが
 

すげえボロ家だな カネはなさそうだ

  おい こいつのジーンズ 特売ワゴンで500円のやつだぜ
  このTシャツは 確か390円だ
  うほー このオンボロは
オーディオっつーより電蓄だな
  見ろよ Aptiva 2176-J33 があるぜ
よくもまあ こんな古いもの
  奥には Aptiva Vision 2407-RW2 だ
ジャンクにもならないぜ
こりゃ取り立ては無理だな

……おい お前ら 黙って聞いてりゃ何なんだ
貧乏が悪いか!
古いもの大事にして悪いか!

ごめんなさい

……素直じゃねえか

 

 

 

 

 

 

 

 

 


濡れるポンポコリン

2008年05月23日 07時15分00秒 | キジトラ兄弟保護中

 

 

猫ミルクには繊維が極めて少なく、ほとんどが消化吸収されてしまうので、
三日ぐらいうんちが出ないのも、普通のことだそうだ。

ミクちゃんとミアちゃんは、血便・緑便・下痢が治って良いウンチが出たが、
その後は便通がないまま、今日で四日目を迎えた。

特にミクちゃんのおなかは、かなりポンポコリンになってきた。
とはいえ、おなかが張って苦しむという様子もなく、
むしろいっそう元気なので、私は今のところは左程心配していない。

先日たっぷり良いうんちをしたナアちゃんのおなかも、その直前は
もっともっとポンポコリンで、ぽってんぽってんだったし。

  マッサージしてもトイレ行っても出ないね~。
 

念のため、「ぬるま湯にお尻を浸してマッサージ」を、初めてやってみる。

 

ほっほっほ、おなかをよく拭かなくちゃね。

やっぱりうんち出ないね。
薄いミルクとマッサージ強化と軽い運動とで、もうしばらく様子を見るけれど、
もし、ひどい便秘になってしまったら、お医者さんで浣腸してもらおうね。

 

 

 

 

 

 


お母さん

2008年05月22日 14時45分00秒 | キジトラ兄弟保護中

 

  あったかくて 柔らかだけど
お母さんのおなかとは 違うんだ 
  あまくて おいしいけど
お母さんのお乳とは 違うんだ 
  ふかふかで ぬくぬくだけど
お母さんのぬくもりとは 違うんだ 
  お母さんに 会いたいよ 
  お母さんは どこにいるの 
  お母さん お母さん 
  「……って あの子達が 泣くんですよ おかか先生

「うむ そりゃ そうさ」
  「私もこんな年になったが 母親には甘えたい
お前だってそうだろ 若造?」

「……ええ そうですね」

 

 

 

 


コロンと

2008年05月22日 12時03分00秒 | キジトラ兄弟保護中
 


ミクちゃんは授乳後たいていすぐに寝てしまうが、
ミアちゃんは授乳後に身だしなみを整えることが多い。
 
 まず前の脚を、なめなめ。
 
 
 次に、後ろの脚を、なめなめ。
 
 
 そして、後ろ足の指をカジカジ、
 
 
 ……しようとしたら、バランスを崩して、コロンとこけた。
 
 
 気にしない、気にしない。次はきっと、うまくできるよ。