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おむさんは今日も大人気。 |
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女の子たちが、入れ替わり立ち替わり、おむさんをナデナデする。 |
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ナデられるのは好きではないが、さりとて、特に嫌いでもない。 とにかく眠いので、「まあ好きにしてよ」といった感じである。 |
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そんな余裕のあるおむさんを、羨望の眼差しで見ているのは ―― よっちゃんと、おかか先生である。 |
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よっちゃんは、とても臆病である。 子供にナデられるなど、考えられないことである。 |
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作者でさえ、よっちゃんには触れるのがやっとなのだ。 |
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一方、おかか先生も、たいへんデリケートな猫である。 |
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特に、子供が大の苦手である。
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だが、おかか先生だって、心の奥底では ――
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「いつまでも子供を恐れていてはいけない」 ―― この日、おかか先生は、そう考えた。 |
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そして、意を決して、護岸の上から降りてきた。 |
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どうやら、相当な荒療治を試みるつもりらしい……。 |
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おかか先生は、女の子に話しかけた。 「おい。すまんが、『お尻ぽんぽん』をやってくれんか?」 |
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「お尻ぽんぽん? いいの? 本当にいいの?」 「か、かわまん! 思いっ切りやってくれ!」 |
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ぽんっ |
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「ぐはーーーっ!」 |
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ガクッ ……やはり、無理だったようだ。 |