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オムイ外伝 第六部(驚天動地篇) 第15話 |
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「オムイ打倒の技を、遂に完成させたとな?」 |
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「はッ!」 |
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「如何なる技か? 申してみよ」 |
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「蹴りでございます……!」 |
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「蹴り技か! 面白い。このわしを蹴ってみよ!」 |
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「ははーッ」 |
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「でえ~い!」 |
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ビシッ |
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「ぐはッ」 |
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「もう一発!」 |
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「でえええ~いッ!」 バキーッ |
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「ぐはーーーーッ!」 |
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ガクッ |
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「ふッふッふ。如何です?」 |
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しーん ← 気絶 |
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気絶したのみならず、全治三ヶ月の重傷。 「え、ええッ!?」 |
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彼は始末書を書かされた上、謹慎を命ぜられた ―― 。 「そんなあーーーーッ」 |
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二階の自室から階下に降りた私の目の前に ―― 猫がいた。 私も驚いたが、猫も驚いたようだ。 真っ黒の幼猫である。生後数ヶ月というところか。 開いていた戸口から、家の中に入ってきたらしい。 |
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猫は、玄関の部屋に逃げ込んだ。 どうやら、前日に撮影された猫と同一の個体らしい。 (※参照、「くろいねこ」) |
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とにかく逃げたいようだ。 だが、玄関のドアも窓も閉まっているので、「袋のネズミ」である。 |
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猫はおびえて、パニックを起こしてしまった。 天上に這い上がって、ドサッと落ちたり。やたらと逃げ回って、花瓶を倒したり。 |
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そして、こんな所に入り込んでしまった。 |
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ウサギさんのぬいぐるみと、ツーショット。 ―― などと言っている場合ではないのだが。 |
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私とて、むやみに猫をおびえさせたわけではない。 さしあたり、猫の健康状態と、どれだけ人慣れしているかを、把握したかったのである。状況によっては、何らかの対応をせねばならぬ。 この猫の首筋をつかむことは、かろうじて(ごく短時間)可能であった。かなり暴れるので、抱くのは無理であった。性別を知ることは、できなかった。 うす汚れてはいたが、外傷などは見当たらない。 |
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或る程度は人慣れしていること。健康そうであること。 この二点はわかったが、とにかく暴れて、危険なので、この場ではそれ以上、どうしようもなかった。 私はドアを開けて、猫を逃がしてやった。 |
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―― 以上は、午前の出来事である。 そして、この日の午後。 なんと、当該の猫は、隣家のガレージで、のんびり休んでいた。 |
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数ヶ月前からちょくちょく目撃されていることを考え併せれば、恐らく、誰かが継続的に給餌をしているのだろう。「半ば飼われている」のかもしれない。 その後も時々、この猫は、姿を見せてくれる ―― 。 |