うどんはなかった

2009年09月23日 17時12分00秒 | B地点 おむ

 

 

オムイ外伝シリーズ 第二部(超時空篇) 第7話



辺境の惑星、タトゥイーン。
モス・アイズリーという町のはずれに、一軒のジャンク屋があった。
ご覧の通り、露店を拡げて、怪しげな品物を売っている。
店のあるじは、この男らしい。
「ふあ~あ」

客が来ないので、ヒマそうだ。
そこへたまたま通りかかったのが、公儀の隠密。
オムイ追討の使命を帯びているが、今は休暇でタイム・トラベルを楽しんでいる。
「……おっ」
「いらっしゃい、いらっしゃい!」
「ん?」
「へへへ! ヤバいブツが揃ってますぜ、だんな!」
「……強力な武器はあるか?」
「大きな声じゃ言えませんがね」
「ジェダイの放出品、ライトセーバーが大量入荷!」
「ライトセーバーだと!?」
「四本くれッ! うどんもな!」
「……ふっ」
「ふふふふ!」
「……な、何がおかしい?」
「一本で充分ですよ!」

ビイィィーン
「うッ!? き、貴様、オムイ!」
「ふん。今ごろ気付いたか」
「たあーッ」

ライトセーバーで襲いかかるオムイ。
「ぐはあーッ」
追忍は、あっけなく敗れたのだった。

ガクッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ねこじゃら将棋(後編)

2009年09月23日 16時36分00秒 | B地点 おむ

 

 

(承前 ―― 前編から先にご覧ください)


「う、う~ん」

←先を読んでいる

にやり
ぴしっ
「やはりそう来ましたね」
「こちらの思う壺ですっ」
「でやあ~っ!」
ばっ
ビシイィィーッ
「ふっ」
「……うっ!? 何だあの余裕は?」

「……」

←先を読んでいる

「ううっ!?」

←完全に読み切った

「……だ、だめだ」
「僕の負けです」

がっくり
「ふふん、参ったか」
「わはは!」
「くっ」
「わ~っはっはっは~っ」

「うう、不覚」


猫はとても賢い。ニンゲンよりも、ずっと賢い。

「くそぉ……」


だから、猫の将棋はすぐに終わってしまうのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ねこじゃら将棋(前編)

2009年09月23日 16時33分00秒 | B地点 おむ

 

 

「おい、久し振りに将棋でも指すか?」

「どうせ僕の勝ちでしょうけどね」


 ―― 余り知られていないが、猫は将棋を指すことができる。

「私が先手でいい?」


猫はとても賢い。だから将棋は得意なのである。

「ええ。どうぞお先に」

ただし将棋盤は用いられない。広い大地で対局するのである。駒も、小石や草など、自然界で入手できるものが使われる。(最も好まれるのは、ネコジャラシの穂である。)ルールはニンゲンの将棋と全く同じである。

ぴしっ


おかか先生の指し方は、実に渋い。

「そう来たか……」
←考えている
←考えがまとまった
だっ
ぶわあっ

「でやあ~っ!」


おむさんの指し方は、なんとも豪快である。

ビシィ

「うっ!?」


つづく