釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

デジタルカメラの画像記録

2013-11-10 19:16:25 | 文化
昨日の予想に反して、今日は雨と風のある日になった。体調が優れないので今日も遅く起きた。風で庭のモミジの葉がかなり落ちて来た。時々、突風のような強い風も吹いた。風の唸るような音まで聞こえていた。この風で菅原神社や八幡神社のモミジの枝先の葉はかなり散ってしまうだろう。ともかく、今年は雨風の多い年だ。こんな天候だから尚のこと、今日は一日静かに家で過ごした。 写真を趣味にするようになったきっかけは、花が見た目とは違った姿でレンズを通して見られることに気付いてからだったように思う。デジタルカメラになれば、フィルム時代とは異なり、撮った枚数をほとんど気にしないで撮影に集中出来る。最近のコンパクトカメラもかなり優秀で、カメラ雑誌に投稿された素人のコンパクトカメラで撮られた写真でも素晴らしいものがある。それだけにプロは大変だろう。カレンダーの写真を見ても、あまりいい写真に感じないものも結構ある。デジタルカメラはレンズから入って来た光を、かってのフィルムにあたる撮像素子、イメージセンサーと呼ばれる部品で捉える。このイメージセンサーは一般に三層構造になっている。表面は小さなレンズがたくさん並ぶ層で、トンボの複眼のように並んだこの小さなレンズに先ず、カメラの大きなレンズから入って来た光を集める。この小さなレンズの並ぶ層の下にはカラーフィルターと呼ばれる層がある。そこで、光をR(red)、G(green)、B(blue)の光に分解する。このRGBの配列は一般的にはベイヤーBayer配列と呼ばれる分布方式がとられている。Gが他の二色より多くなっている。それは人間の目が赤や青よりも緑に対してより感度が高いことから来ている。最後の最下層にフォトダイオードと言われる集積回路が配置されている。光を電気信号に変える。デジタルカメラの記録方式は選べるようになっていて、JpegやRawなどが設定されている。もっとも、コンパクトカメラでも安いものの場合はJpegに固定されているが。記録方式のRawはフォトダイオードで電気信号に変換されたそのものが記録されたものだ。これをカメラ内のメーカー側が作ったソフトで現像してJpeg画像等が保存される。このメーカー側の作った現像ソフトはだいたいコントラストの強い絵作りになっていることが多い。これらデジタルカメラの基本を創り出し、最初のデジタルカメラを創ったのは米国のイーストマン・コダック、いわゆるコダックKodakだ。ロールフィルムやカラーフィルムもコダックが世界で初めて創り出した。イメージセンサーのカラーフィルターの配列を生み出したのもコダックの Bryce E. Bayer 氏である。コダックは映画フィルムを初め様々のすばらしい業績を上げて来たが、2012年に倒産申請を出した。現在、多くの部門を売り払って、スリムになって再建に努めているようだ。デジタルカメラを含めてITの世界は開発スピードが早く、乗り遅れると、たちまち、後塵を拝することになる。今のところ日本のNIKONやCANONなどはレンズ資産があるため生き残れているが、それもいつまで維持出来るか、カメラ本体の今後の開発如何にかかっているのだろう。普段写真を撮るときはコンパクトカメラも一眼レフもすべて記録方式はRawにしている。Rawで記録した画像をパソコンの現像ソフト(アプリケーション)で自分なりにJpegやTiff形式へ現像したものを使っている。パソコン用の現像ソフトも様々あり、ソフトによってはすべて全自動で現像処理をしてくれるものもある。Jpegはデータの圧縮を行なっているので、どうしても画質は低下する。しかし、データとしてはかなり小さくなるのでインターネットで使用したり、小さなサイズの写真用紙に印刷するのには問題がない。A3ノビのサイズなどで展示用に印刷する時には圧縮がなく、画質の劣化が少ないTiffに現像してそれをプリンターにかけている。ただTiffはデータ量としてはかなり大きい。フィルム時代もフィルムを変えれば、同じ場面もまったく違って写った。要するに写真は「絵」を創り出しているのだ。描画の才のない者にはとても重宝する道具になる。
庭の吉祥草(きちじょうそう) この花が咲くとその家に吉事があると言われるが

阿弖流為(あてるい)

2013-11-09 19:40:07 | 歴史
風邪がまだ抜け切らないので、今朝はゆっくり起きた。雲のほとんど見られないとてもいい天気になった。庭のモミジの一つがとてもいい感じに紅葉して来た。野紺菊と藤袴が咲いている。庭でのんびり犬と遊んでやり、日射しを楽しんだ。午後遅くになり、犬の餌を買わねばならないことを思い出し、遠野へ出かけた。ついでにいくつか買い物をした後、久しぶりに、そば粉にこだわりのある店によって蕎麦を食べて帰った。暗くなった空には星がたくさん出ていて、三日月状の月もとても綺麗だった。明日もよく晴れてくれるようだ。 『日本紀略』では京都の清水寺の大規模な建立を行なった征夷大将軍坂上田村麻呂が802年に胆沢城を築城し、蝦夷の阿弖流為(あてるい)と母礼(もれ)を降伏させ、京へ連れ帰り、二人の首を討つことで30年来の蝦夷討伐を終えたとする。しかし、『和田家資料4』「北斗抄 十三」の四から九にかけて書かれている坂上田村麻呂と阿弖流為両者の関係は『日本紀略』とはずいぶん違っている。当時の荒覇吐五王の中心は日本将軍(ひのもとしょうぐん)安倍國東で、阿弖流為は荒覇吐五王の一人で、母礼とともに安倍國東の四天王の一人であった。延暦二年(783年)、安倍國東は「国領を武蔵に拡め、その住居を移し」た。そのため、胆沢の住居を阿弖流為を「留守居に任じ、その知行を委せた」。「陸奥の拡領を委せたるは、阿弖流為の他、磐井母礼、飽田鬼振、閉伊悟理貴、庄内勘太、黒川頼貴、磐城松蟲等なり。是を束ねたるは阿弖流為なり」。田村麻呂は奥州へ入るのに兵を大挙して入れば、坂東に移った安倍國東の応戦は免れないと考え、「寺大工及び仏師、僧侶、織部、鍛冶、薬師、ト部らのたぐい」を連れ、「防人少かに五百人」であった。朝廷は奸計を持って、田村麻呂に「朝賜ありとて京に上洛をすすめ」させ、「その郎党五百八十六人、主なる阿弖流為及び母礼を宮中参召とて、郎党より離しめ、捕へて斬首し、河内の社山に残りし郎党もことごとく討取」った。しかし、「九死に一生を得て脱走せし磐井無津加里と称せる阿弖流為の臣、他三人、京師にさらさる阿弖流為及び母礼の首級を奪ひて、急挙坂東に走りて、鹿島神社に在りき、日本将軍安倍國治(東)に届け告げたり。」安倍國東は「大いに怒り」、首級を鹿島神社に葬り、奥州の倭人を追放し、「日本(ひのもと)領を更に東に西に押詰めて、東、安倍川より、西、糸魚川に至る地峡を日本領とて堺をなせり」とある。一方、朝廷は「その報復怖れて、坂上田村麻呂を再任候へて陸奥に赴かしむを詔を以て召せども、田村麻呂、是を辞し候。」。「倭朝奸策に怒れるは安倍氏耳ならず、田村麻呂も亦、怒りて官位を辞したり。」「安倍川より越の糸魚川に長蛇の陣にその要処に楯垣、逆茂木を施し候。」「亦、北湊の軍船、鹿島及び砂潟の津に集い候。」「蝦夷」は朝廷軍に対し万全の備えを敷いていた。「北斗抄 十三」の八で「阿弖流為及母礼之祖は山靼人なり。彼の祖は興安嶺満達に候へて、騎馬首領たり。日本将軍安倍安國に依りて帰化相成り、一族百四十人、老若男女、羽に渡り陸奥人と相成り候。爾来、安倍氏の臣とて騎馬軍師たり。」と書かれている。「北斗抄 十三」の九では阿弖流為の「幕下諸将」として母礼を含む17人の将の名が「阿弖流為軍艦」と題して書かれている。そこに「閉伊魹崎(とどがさき)十二神 荒覇吐丸」の名がある。兵の数は合わせて二万三千人と書かれている。戦わずして奸計で下したことが田村麻呂にも後味を悪くさせたのだろう。平泉町の達谷窟毘沙門堂は田村麻呂が清水寺と同じ高床式の建造物として建立している。田村麻呂所縁の毘沙門堂がいくつか東北にのこされているが、いずれも北への防備のためと説かれている。しかし、これはむしろ、田村麻呂の阿弖流為はじめ蝦夷(えみし)への鎮魂の意ではないだろうか。現在鹿島神宮の宝物殿には阿弖流為(悪路王)の首像と首桶が祀られている。阿弖流為は日本将軍である安倍國東に胆沢の地を任されたが、現在その地には奥州市埋蔵文化財調査センターがある。しかし、ここでも「アテルイ」については『続日本紀』や『日本紀略』という勝者側の記述にそった解説しか載せていない。地元に残された伝承や古文書によって、東北自らの「アテルイ」像を構築しようとする意志はなさそうだ。
庭の色付いて来たモミジ


「共生」を取り戻す地域通貨

2013-11-08 19:21:17 | 社会
今日は晴れにはなったが、昨日からの風が残り、日射しの中を歩いても少し寒かった。昨夜は日本海の低気圧の影響で風がかなり強かった。朝、玄関先にはちょうど吹きだまりのような形で庭の落ち葉が集まっていた。昼休みに山の中腹にある菅原神社へ出かけた。枝の端から赤く染まったモミジが日に照らされて、今年も綺麗な紅葉を見せてくれるようだ。枝の中程にはまだ緑の葉がある。見頃は来週になるだろう。八幡神社へも行ってみたが、こちらはまだ紅葉には時間がかかりそうだった。 お金、貨幣は歴史的には物の交換手段として使われ始めたが、そのうち、利子を生むようになった。交換手段として留まっている間は人々の間に共生を可能にしていた。しかし、利子を生み出すようになると、共生が競争に変化し始める。貨幣自体も循環されるだけでなく滞留されるようにもなる。ドイツの児童文学作家ミヒャエル・エンデMichael Ende(1929~1995)は「科学だけが唯一絶対の真実ではなく人間の魂や精神もまた真実である」と言う。ドイツに古くからある「金を出す者が命じる」という諺を引き合いに出し、「現在の科学や技術は軍事のためには国家から、経済的な利益のためには企業から金を受け取る。そこで研究は知らず知らず一定の方向に押し進められてしまう。ここ数十年は恐ろしいスピードで科学と技術を変えている。」と語る。科学技術が発達し、物が溢れる時代になったが、ほんとうの心の豊かさや喜びを見失っているのではないか、と疑問を持つ。そして、 『エンデの遺言~根源からお金を問う~』の中で「自然界のあらゆるものは腐るのに、この世でお金だけが腐らない」ことに問題の根源があるのではないかと考える。彼は「腐らないお金」が蔓延する現代の金融資本主義の世界に疑問を持ったのだ。「もう一度貨幣を実際になされた仕事や物の実体に対応する価値として位置づける」必要があると。「現在の貨幣システムの何が問題で何を変えなければならないかを真剣に考えなければならない」。それは「人類がこの惑星上で今後も生存出来るかどうかを決める決定的な問いだと、思っている」と語る。「パン屋でパンを買う購入代金としてのお金と株式取引所で扱われる資本としてのお金は2つの全く異なった種類のお金であるという認識」を持つことの重要性を指摘する。かっては多国籍企業のコンサルタントであり、ジョージ・ソロスと並ぶ投機家でベルギー中央銀行にも招かれた米国カリフォルニア大学バークレー校の「 持続可能な資源開発センター」を運営するベルナール・リエターBernard Lietaer氏は現代のマネーゲームの最先端にいて、このままの金融システムでは未来はないと考え始めた。リエター氏もエンデも注目したのがドイツ人シルビオ・ゲゼル(1862~1930)の提唱した「自由貨幣の理論」だ。オーストリアの 小さな町ヴェルグルでは世界大恐慌の影響で町に失業者が大量に出た時、町長がゲゼルの考えを実践し、「ヴェルグル 労働証明書」という地域通貨を発行し、この貨幣が非常な勢いで循環することで何倍もの経済活動を支えた。世界恐慌では米国でも3000以上の地域通貨が発行されている。地域貨幣は利子を生まず、地域内だけで循環することで、その地域の人々を結びつける。いわゆる、共生を生み出す。リエター氏は言う「我々が今持っている世界規模の経済システムこそが問題なのだ。異なる通貨システムは異なるタイプの関係性を築くと思います。私たちが常識だと思って使用している通貨は、国や企業に競争を強いる性格を持っている。金融システムが競争を前提として機能している。協力しようとすると、それを築くような別の通貨が必要なのです。目的に応じて道具は使い分けるべきです。」と。
始まった菅原神社の紅葉


緊急課題を先送りし続ける原発推進

2013-11-07 19:14:32 | 社会
朝起きると釜石上空には青空が出ていたが、内陸方向を見ると、空全体が雲で覆われていた。雲の流れは北東に向かっていたので、曇りが予想されたが、結局小雨が降って来た。日本海側に低気圧があり、明日にかけて、東北、北海道で荒れる模様だ。昼休みに忘れ物を取りに自宅へ帰った。途中の市街地周辺を見ると、山の色付きが目立つようになって来ていた。桜の並んだところでは緑からオレンジへ移り変わる色のグラデーションがとても綺麗だった。 昨年9月11日、日本学術会議は原発からの高レベル放射性廃棄物問題、いわゆる核のゴミの処分についての報告書を原子力委員会に提出した。報告書では原発から出る核のゴミを地下深くに廃棄する「地層処分」は難しいとし、抜本的に見直すように提言している。NHKによれば、現在、「核のゴミ」は、青森県六ヶ所村の施設に、合わせて1700本余りが保管されている他、全国の原発にはおよそ2万5000本分に相当する使用済みの核燃料が溜まっている。すでに容量の7割が埋まっていて、原発の運転を再開した場合、早い所では3年程度でいっぱいになる見通しだ。「核のゴミ」と呼ばれるが、これは使用済み核燃料を再処理し、プルトニウムなどを取り出したあとに残る廃液をガラスで固めたもので、人が近づくと十数秒で致死量に達するレベルの、極めて強い放射線を出し、環境への影響が抑えられるまでに数万年を要する。文部科学省は専門家の会合で、放射性物質による環境への影響を現状の数万年から数百年に縮める新たな技術の開発に、本格的に乗り出すことを決めた。使用済み核燃料から寿命の長い放射性物質を取り出し「加速器」で発生させた「中性子」を当てて、寿命の短い物質に変えるという計画だ。実現するにも数十年はかかると言われる。先月28日、原発を推進して来た経済産業省でも地震や活断層それに地下水など8つの学会から推薦を受けた専門家による会合を開き、14年ぶりに「核のゴミ」処分の安全性を検証する作業を始めた。「核のゴミ」処分場を造る原子力発電環境整備機構から、最初に、「東日本大震災を踏まえた最新の知見を反映しても安全性の判断に影響はない」とする説明がなされたが、出席した専門家からは、「地震学では10万年先のことは全く分からない」、「マグマが処分場を直撃すれば影響は日本だけにとどまらない」などとして、安全性を白紙から見直すべきだとの意見が出されている。原発は「核のゴミ」の問題をいわば棚上げした状態で推進されて来た。国が想定していた高速増殖炉「もんじゅ」を介した核燃料サイクルによる「核のゴミ」問題の解決はすでに破綻しており、「もんじゅ」自体が多くの問題を抱えたまま、まもなく耐用年数の限界を迎える。「核のゴミ」の単純な貯蔵そのものが限界に近づいている中で、今後の方針が立たないまま政府は原発再開を決めている。同じ敗戦国であるドイツはこの原発に潜む最大の問題である「核のゴミ」問題をできるだけ回避すべく脱原発に舵を切った。首相は原発輸出のセールスに回ったが、この輸出で新たに発生する「核のゴミ」もまた日本が引き受けるとの契約になっている。自国で解決し切れていないものを原発輸出のために他国のものまで引き受けると言うのだ。国の借金以上に多大の負担を日本の未来に残すことに何の痛みも感じていないようだ。
色付きを見せて来た周辺の山

深刻なIT教育の立ち後れ

2013-11-06 19:14:46 | 社会
今日もよく晴れたが、どこか霞のかかったような晴れ方だった。大阪ではホワイトテリアとミニチュアシュナウザーの二匹を家の中で飼っている。ホワイトテリアが最近ものを食べなくなり、娘が獣医に連れて行った。胃の出口に腫瘍があったようだ。悪性かどうかは1週間ほど経たないと分からない。犬を含めて人間以外の動物には人間ほどは本来腫瘍は出来ない。野生動物はずっと健康な身体を維持している。しかし、人が飼う小型犬は家の中で過ごし、野生から程遠くなり、様々のストレスも抱えるようになり、人間と同じような病気を持つようになってしまった。 今年6月、米国の情報工学者で、同国の中央情報局(CIA)や国家安全保障局(NSA)の元職員であったエドワード・スノーデンEdward Joseph Snowden氏が香港で NSAによる個人情報収集について暴露し、その後ロシアに亡命したが、さらに、具体的にフランスやドイツでNSAが情報収集をしていたことを明らかにした。特に、ドイツのメルケル首相の携帯電話が10年以上にわたって盗聴されていたことが暴露された。今月3日、独誌シュピーゲルは、スノーデン氏が1日にロシアで書いた「真実の宣言」と題した公開書簡を伝えた。書簡は「現時点で公開されている文書をみる限り、違法な情報活動を行っている2大機関はNSAと英国政府通信本部(GCHQ)だ」とし、「大規模情報収集は世界的な問題であり、世界全体で解決する必要がある」とする。そして、各国政府はこの問題についての議論を妨げるため、情報公開を犯罪とみなす方針を示してジャーナリストを脅しているとも述べている。1日のNHKは米国政府の当局者への取材で、米国は英語圏であるイギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドの4つの国との間で互いに諜報活動を行わないという取り決めを結んでいるが、それ以外の同盟国である日本やドイツなどは、アメリカの情報機関による諜報活動の対象となっているという事実を報じた。また昨日のNHKは米紙ニューヨーク・タイムズが2日、NSAの作戦リストには、アメリカの経済的な優位性を保つことを目的に日本を情報収集活動の対象国と記していた、とスノーデン氏からの情報として載せていることを報じた。そして、NSAは、日本、韓国、イギリス、オーストラリアなどに人員を配置し、アメリカ軍基地やアメリカ大使館を拠点に活動している、とも報じている。スノーデン氏からニューヨーク・タイムズに提供された文書は「2007年の作戦リスト」となっており、そこでは、NSAが「アメリカの安全保障を脅かす技術革新の可能性」、「外交政策の考え方」さらに「アメリカの経済的優位の確保」という3つの分野で、日本を活動の対象にしていることが書かれていた。昨日、中国新聞は「コピー複合機、情報丸見え 内閣官房、全府省庁調査へ 」と題する記事を載せた。コピーやファクリミリ、スキャナなどの機能を搭載されたコピー複合機は企業や教育・研究機関、官公庁で広く利用されている。そして、ネットワークシステムに組み込まれている。ところが、企業等では複合機の管理と保守・メンテンスがそれぞれ別になっているため、セキュリティが甘くなっており、アンダーグラウンド市場で「SHODAN Hacking」というインターネット上に公開された複合機を検索できるツールがあれば、簡単に企業や官公庁、研究機関の複合機に残されたデータにアクセス出来てしまう。大手メーカーのコピー複合機のセキュリティ上の危険性はすでに昨年から言われていた。しかし、IT(information technology)教育の遅れた日本では、直接情報を扱う人たちにセキュリティへの甘さがあり、NSAなどにはまるで子供をあしらうように容易に情報が取得されてしまう。政府や企業の情報はいわば丸見え状態になっている。ITには情報処理(コンピュータ処理)と情報伝達(通信処理)が含まれる。米国のハイテク企業のメッカであるシリコンバレーを支えているのは今やインド人である。これからの産業ではますますコンピュータの役割は大きくなる。製品はコンピュータによって創り出されて行く。日本の産業の未来はこのIT技術にかかっている。単に情報漏洩の防御という意味だけではなく、IT教育の遅れは日本の産業の未来という意味でも深刻である。
郷の夕暮れ 月の近くで宵の明星が輝いていた

アベノミックスは既存産業の延命処置

2013-11-05 19:21:03 | 社会
今日も風のないいい秋晴れの日であった。仙人峠や笛吹峠のような比較的奥山の紅葉を見ると今年はあまりいい紅葉ではないようだ。木々の紅葉が揃っておらず、葉も傷みが多いように見えた。夏場の高温が長く、天候も不順であったため、きれいな紅葉が見られなかったのだろう。釜石市内の紅葉はこれからだが、どうゆう紅葉を見せてくれるだろうか。自然は同じ場所であってもほんとうに毎年違った様相を見せる。 先月21日、財務省は貿易統計速報を発表した。9月の貿易収支は9321億円の貿易赤字で15ヶ月連続の赤字となり過去最長となった。震災のあった2011年から年度毎の貿易収支も赤字に転じている。原発停止、火力発電の増加が鉱物性燃料の輸入増に繋がっていることは確かだが、円安も大きく影響している。輸出産業を保護するために円安が導かれたが、いくら円安になっても、輸出数量が増えなければ貿易収支は黒字に転じることはない。対米貿易では黒字だが、対EU、対中国では赤字になっている。2008年のリーマン・ショック後自動車産業と家電産業はそれぞれ「エコカー補助制度」や「エコポイント制度」により政府の保護を受けないと売れない状況になった。国外への販売のために今円安が誘導されているがそれでも輸出は芳しくない。こうして政府の保護を受けるようになった産業はいわば延命装置を付けているようなものだ。農業や水産業に延命装置を付けるのは国土の自然を守る意味合いがあるが、その他の産業の場合は将来の日本の産業構造を十分検討した上で保護を考えるべきだろう。非効率的になった産業は代替されて行かなければならない。政府が経済政策を行なう場合、財政政策と金融政策の二つの手段を持つ。今回のアベノミックスがこの両者を同時に用いようとしたことは重要なことだ。しかし、問題はその中身だ。どちらの政策も結局は大半が旧来の産業の既得権益の維持に回っているだけである。公共事業を増やしてもその経済効果はとても非効率で、無駄な税金の使われ方に終わってしまう。しかし、政治家は即効性を求めるために、研究や教育への投資のような、今の日本にとって最も大切な分野への資金投入を行なおうとしない。特に、IT技術や英会話の修得は韓国にさえ遅れをとり、グローバル化した現在では致命的である。さらに、政治家は政治献金としての見返りがなければなおさら動こうとしない。自動車産業や電力産業、防衛産業は莫大な資金を政治に注ぎ込むことで、それに見合う見返りが期待出来る。官僚も天下り先としての既存の各産業を重視する。政官財の昔から言われている鉄のトライアングルは今も健在だ。米国の二人のノーベル経済学賞受賞者ジョセフ・E・スティグリッツコロンビア大学教授、ポール・クルーグマンプリンストン大学教授はともにアベノミックスの思い切った財政出動と金融政策を評価しているが、いずれも中身を十分には検討していないようだ。スティグリッツ教授は格差と貧困の是正を主張しており、消費税増税には批判的だ。クルーグマン教授も旧来の公共事業への投資には批判的な意見を持っている。内閣官房参与でアベノミックスの進言者の一人でもある浜田宏一エール大学名誉教授も、消費税増税は反対意見を表明している。国の税収は経済の好転によって増えて来る。よほどこの方が正当な税制だと言える。日本の消費税は生活必需品などへの配慮がなく、低所得者への重圧となる。実質的な格差はさらに拡大して行く。間違いなく、経済への抑制として機能する。つまりは、税収は思ったほどには増えないのだ。
来年3月末にしか咲かない椿がもう蕾を出して来た

楽天の優勝

2013-11-04 19:19:15 | 文化
今朝は小雨が降っていた。その後も空には雲が多く、降ったり止んだりして、夕方少し薄日が射して来た。周辺の山々の色付きも増して来た。毎年夏風邪を引いて、冬はほとんど風邪を引くことはなかった。しかし、ここしばらくの昼夜の気温差がある時期に油断したせいで、2~3日前から風邪を引いてしまった。例年この時期に風邪を引くことはなかったのだが。やはり、歳のせいなのかも知れない。起きている時には暖房を入れて、身体を暖かくして、薬を飲み、極力身体を休めるようにして、回復力を強めるしかない。 昨日、野球の日本シリーズで東北楽天ゴールデンイーグルスが巨人を下して優勝した。もともとスポーツは好きであるが、あくまで自分自身がやるスポーツが好きなので、見るスポーツには関心がない。特にプロ野球には関心がない。父がとてもスポーツが好きで、中学から高校はじめにかけて、父の務めていた会社の米国人技術者の宿舎に大型テレビで野球を見るために何度か父とともに見に行ったくらいで、自分で野球TVを見ることはなかった。「楽天」は2005年に創設された最も新しい球団で、仙台市の日本製紙クリネックススタジアム宮城、通称 Kスタ宮城をメイン球場としている。2010年に4代目となるかっての巨人キラーと言われた星野仙一監督を迎え、2011年の震災ではメイン球場も被害を受けた。創設から今年まででAクラス入りしたのは今年と2009年の2回しかない、いわば弱小チームである。「イーグルス」の名は東北にも繁殖地を持つ天然記念物のイヌワシに因んで付けられた。楽天の快勝を見守る東北の人たちはまるで自分の希望を託しているような感じであった。優勝戦に近づくにつれ、どこへ行っても楽天の話題が聞かれ、大きなTVが置かれている前には人がたくさん群がっていた。弱小チームがここまで頑張っている、巨人キラーであった星野監督が何とかしてくれるのではないか、そうした気持ちと、見捨てられたような東北、震災で打ちのめされた東北の人々の心が重なって、声援が一層大きくなったのだろう。そして、その声援が選手や監督にも伝わったのだろうと思う。心からの声援が伝わって来ると人は本来以上の能力を発揮することがある。地方にスポーツの団体が中心を持つことは地方にとってとても心強いことだ。仙台には野球の他にサッカーチームの Jリーグの「ベガルタ仙台」、バスケットチームの「仙台 89ERS(エイティナイナーズ)」ある。釜石にはラグビーの釜石シーウェイブスRFCがある。家のそばを走るラグビー選手を見かけることもある。先月27日には鵜住居地区の仮設商店街に「ラグビーカフェ・クレスト鵜住居」(通称ラグカフェ)まで開店し、選手たちも駆けつけている。今回の楽天の優勝は東北の人々に明るい光を投げかけたことは確かなようだ。
庭の大文字草

立ち尽くす人々

2013-11-03 19:19:48 | 社会
少し前の梅雨のような毎日と打って変わって、秋晴れのいい天気が続くと思ったのもつかの間で、昼前から雲が多くなり、午後には小雨まで降って来た。庭の2種類のモミジのうち1種類が色付き始めて来た。椿の小さな蕾も見えて来た。秋明菊に似た貴船菊の白い花が咲き、近くでは大文字草の赤紫の花も咲いている。終わりかけている1輪の紫陽花もまだ形を留めている。午前中は風がなく、穏やかな秋の日で小鳥たちのさえずりも楽しそうに聞こえていた。 先日、釜石で娘も一時勤務させてもらったNPOの幹部の方とお会いした。震災当時、釜石で唯一活動していたNPOであったため、全国から活動支援の申し出を受けた。やることがたくさんあって、手に余るほどであった。組織も一気に大きくなり、組織造りも十分でないまま仕事をこなさなければならないような状況であった。支援を続ける中で支援者自身が精神的に落ち込んでしまうことも多々あった。震災から2年が過ぎ、外部からはもう復興は終わった、と見られることも多くなったそうだ。支援を続けてくれる東京などの団体も最近では無償の支援ではなくなり、何らかの見返りを求められることが多くなったと言う。ハード的にもソフト的にも震災の傷跡は癒えておらず、先も見えて来ない。この幹部の方もこれからの方向性を整理して考えなければならないが、それがしっかりと打ち出せないでいる、と言う。娘が今回釜石で出逢ったネガティブな部分は確かにあるようだ。震災直後から地道に釜石に根付き、仮設住宅でカウンセリングを続けて来たS 先生もスケジュールがハードで、かなり大変な様子だ。岩手県が仕切っている「心のケア」が形ばかりで、釜石に溶け込むことがないため、一層、S 先生に負荷がかかって来ているのだ。信頼されれば、されるほどS 先生の出番が多くなる。東京からはU 先生のカウンセリング組織のボランティアも参加はしているが、メンバーが変わるため、地元への溶け込みはあまり期待出来ない。市内のあちこちで住宅やアパートの建設が進められている。一旦は仮設住宅に入った人たちの中でも、比較的経済的に余裕のある人たちが、ここに来て、仮設住宅を出始めている。ここでも、仮設住宅に残されている人たちは、自分たちだけが取り残されていると言う意識に落ち込んでしまうようだ。高齢や津波で職場を失った人たちには経済的な余裕がない。カウンセリングは確かに個人の心の持ち方の支えを与えてくれるのかも知れないが、結局は、最後に経済的な問題が残ってしまう。国は個人への支援はやらない。生活保護を受けている人以下の生活を強いられている人たちがたくさんいる。それでも仮設住宅に住んでいられる間は何とかはなる。しかし、いずれそこを出なければならない。先の見通しはまったく立たない。こうした人たちは他との接触ももとうとせず、内に引きこもってしまう傾向がある。NPOがこうした人たちの情報をつかもうとしているが、これもそう簡単ではない。仮設住宅に関係する様々の支援団体が互いに情報交換もしているが、すべてを掴み切れているわけではない。時には不幸な最期を迎える人も出て来る。世間は時の経過とともに震災など忘れて行く。昨日のように皇太子が訪問などすれば、その時だけは思い出したようにニュースを流すだけだ。長くフォローすることは決してない。
庭の貴船菊

3Dプリンターの創造性

2013-11-02 19:57:00 | 文化
今日は秋晴れの、風のない、とても気持ちのいい日だった。遠野へ出かけるついでに、娘に頼まれていた荷物を発送するためにクロネコに立寄ることにした。国道を走ると両側に一定間隔で警察官が立っており、とこどころで、私服の警察官も立っている。クロネコで聞いてみると、皇太子が釜石を訪ねるのだと言う。そのため、自動車道は閉鎖され、旧道を通らなければならなくなった。何百人にもなる警察官の数だ。群馬を含む関東近辺の機動隊もたくさん来ているようだ。皇太子は平田のモデル仮設へも行かれたようだ。仙人峠は紅葉していたが、笛吹峠方向に比べ紅が少ない。今年もあまりいい紅葉ではなかった。 10月15日、経済産業省は3次元のデータを入力することで立体構造のものを簡単に製作できる「3Dプリンター」の活用法を検討する有識者会議「新ものづくり研究会」を初めて開いた。3Dプリンターは通常のプリンターのインクにあたるものを様々な材質に変更することで、素人でも簡単に立体構造物を創り出すことが可能となる。レイヤーと呼ばれる階層を重ねることで、かなり複雑な構造物まで製作が可能となり、米国ゼネラル・エレクトリックGEでは3Dプリンターによりジェット・エンジンを制作している。アメリカ航空宇宙局NASAは12万5000ドルをかけて、プロジェクトを作って、宇宙での食品を3Dプリンターによって創り出している。このプロジェクトのAnjan Contractor氏は近未来ではどの家庭にも3Dプリンター食品創造器があり、一人一人の体質に合わせた成分の食品が創り出されるようになることを想像している。プロジェクトでは30年保存が可能なパウダー状の材料から食品を創り出している。英国オックスフォード大学では、生体組織と似た機能を果たす50ミクロンの組織を3Dプリンターで創り出している。いずれ人体の必要な部分に薬を届けたり、傷付いた細胞と置き換えられたりする可能性がある。この組織は脂質膜に包まれた数千の小さな水滴が結合したもので、小滴は直径50ミクロンで生体細胞の5倍の大きさになる。米国のカーレーシンググループFormula Group Tは3Dプリンターを使って、実際に時速140Kmを出し、レースに出場可能な小さなレーシングカーを創り出した。本年1月末に開催されたパリ・ファッションウィークでは3Dプリントされたスカートやケープまで登場している。米国のContour Craftingというプロジェクトは低コストで、短時間で安全に、かつ柔軟性のある建築物を創り出そうとしており、巨大な3Dプリンタでわずか20時間で約230平方メートルの家を建ててしまうという。順調に進めば、災害時の仮設住宅を作ったり、発展途上国の居住問題を解決できる可能性が出て来る。3Dプリントの開発は欧米中心に進んでいて、日本は立ち後れている。現政権では3Dプリンターを成長戦略の有望分野として強化する方針を打ち出しており、経産省は14年度予算の概算要求で技術開発の支援事業として45億円を新規計上している。米国の調査会社は2021年の世界市場規模は昨年と比べ約5倍の約1兆円規模に成長すると予測しているという。先月15日の「新ものづくり研究会」では「3Dプリンターによって素人が簡単に製造業に参入し、価格競争が激化する可能性がある。いかに付加価値を付けるかが重要になる」と言った意見が出たようだ。この意見にも見られるように、国が主宰する「研究会」は既得権益の維持が最優先事項であり、素人の参入が革新を生み出して来た米国のIT分野の成長などが忘れられている。素人の創造力を既存企業が取り込むことでしか、日本経済の展望は開けて来ないとさえ思えるのだが。
仙人峠からの眺望

遠野側のダム湖

山の中で見つけた紅葉


危険が潜む宅地造成地

2013-11-01 19:14:33 | 社会
朝起きると日射しは山で遮られていたが、西の愛染山はくっきりとした稜線を見せていた。薄雲が比較的多く流れていて、秋の鱗雲のような雲も見られた。昼休みにまた八幡神社そばのいつもの場所に行くと、気のせいか、釜石観音の周囲の色合いが昨日よりさらに濃くなったように見えた。八幡神社そばからさらに旧道を上って行ったところで先日ニホンカモシカに出逢った。こんな住宅地の見える山にもニホンカモシカがいた。 1995年の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)や2004年の新潟県中越地震では大規模に谷や傾斜地などを埋めた造成地で地盤の滑動崩落現象による災害が多発した。そのため、国土交通省は2006年4月に宅地造成等規制法の一部改正を行ない、宅地所有者が補助を受け対策工事ができる宅地耐震化推進事業を創設した。と同時に同省は自治体に対して、面積3000平方メートル以上と、20度以上の傾斜地に5メートル以上の盛り土をした大規模盛り土造成地の調査と、危険な場所には対策を講じるように求めた。一般に、土地の造成法には、傾斜地の土を切り取って、傾斜地に部分的な平地を造成する「切土(きりど)」と、傾斜地や平地の凹みに土を盛る「盛土(もりど)」の2種類がある。「切土」はもともとの地層の一部を切り取るだけであるため、残った部分も土の構成は変わらない。そのため、地盤は元のようにしっかりしている。しかし、「盛土」の場合は土の構成が変わるため、地盤には不安定さが生まれ、地震や洪水などで滑動崩落現象を受けやすくなる。都市部の一見平坦な土地も実際には、過去に大規模に盛り土造成地されたものであることが多い。2011年の東日本大震災では仙台市の5700カ所の造成地が被害を受けている。直下型地震や南海トラフの連動地震の影響を受ける可能性の強い首都圏では、国交省の求める調査を行なった自治体は34自治体中13自治体でしかない。しかも、同省は造成地の範囲の把握する「一次調査」と、さらに土地をボーリングして地盤の固さや地下水を調べる「二次調査」まで自治体に求めているが、この二次調査まで行なっているのはわずか3自治体のみだ。同省は一次調査の結果は公表するように自治体に通知しているが、群馬県などは「過剰な不安を与え、資産価値への影響もある」として非公開にしている。被害を少しでも小さくするためには事前の対策が必要であり、対策を講じるためには情報を知る必要がある。東京都は現在一次調査中であるが、調査後は是非公表するべきだ。高層ビルや一般家屋をいくら耐震構造にしていても、根元の地盤に問題があれば、地震や津波で建築物の崩壊は避けられなくなり、多数の犠牲者を出す結果になりかねない。台風26号で甚大な被害を受けた伊豆大島では弱い地盤を構成していた火山灰の層の流出により被害を被った。仙台市は調査結果をマップとして公表しているが、公表されている「仙台市宅地造成履歴等情報マップ」を見ると、1m以上の盛り土地域と土砂災害危険地域の区分が表示されている。国交省は対策までを自治体に求めているが、ほとんどの自治体が現在何も対策を講じてはいない。せめて個人が自分の住む土地が過去に造成された土地なのかどうかを知り、造成地であれば個人で何か対策を講じることが出来ないか、そこまでは知っておくべきではないだろうか。先の震災で被災した三陸沿岸部はどこも「盛土」が行なわれる。将来必ずまた地震と津波はやって来る。その時、この「盛土」は安全ではないことを忘れないでおくことが必要だろう。
釜石観音近くも少し色付いて来た