釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

新自由主義は苦境を喰い物にする

2022-03-30 19:16:21 | 社会
今日は日中の最高気温が20度まで上がり、春の日射しが射し、風が吹いていても暖かく気持ちの良い日だった。今日のような気温が続いてくれると良いのだが。職場と同じ建物内にいる知人の話では、今年の桜は早く咲くとのことだった。東京はもう桜が咲いている。東北の冬はやはり長い。 昨日の毎日新聞は「感染研がエアロゾル感染認める 飛沫、接触の報告書から一転」で、「感染研はこれまでエアロゾル感染に否定的で、飛沫(ひまつ)感染と接触感染だけを挙げた報告書を発表していたため、国内の科学者が「世界の知見とは異なる」と説明を求めて公開質問状を出していた。」と伝えた。24日、ベルギーのブリュッセルで行われたG7首脳会議では誰もマスクをしないで対面していた。マスクはエアロゾル感染を防がないと言う研究がいくつも出ていたにもかかわらず、日本の国立感染研究所は頑なにエアロゾル感染を認めず、マスクを推奨し続けて来た。マスクも新型コロナワクチン同様に害だけで益はない。科学がそれを示していても、決して国は認めない。意図的にマスクやワクチン接種を進めているとしか考えられない。新自由主義は企業や政府にも浸透し、それらの機能を極度に低下させて来た。データ改竄は何でも日常茶飯事となり、医療では健康を守るどころかむしろ害してさえいる。今年2月17日、NHKは「製薬会社の行政処分相次ぐ メーカーに何が?」で、昨年1年間で小林加工など8社の製薬企業が業務停止命令を受けたことを報じ、今月28日にも「共和薬品工業 三田工場 兵庫県から33日間の業務停止命令」を報じている。職場では中国製品には偽物が多いと卑下する人がいるが、日本企業の酷さには気付いていない。大手銀行や自動車企業にも見られることだ。新自由主義は国費削減と称して、民営化をはじめ、政府業務にも派遣の形で入り込み、ただ自分達の餌食にしているだけだ。大阪はその典型でもある。ワクチンも政府にとっては有効性は関係なく、ただワクチンを売り込みたい米国政府とワクチン企業からの圧力や金銭のために動いているだけだ。ウクライナへのロシアの侵攻でも、米国がけし掛けるだけなのは米国の経済利益のためだけでしかない。カナダのGlobalResearchが26日に取り上げた、米国ミズーリ大学教授で、レヴィ経済学研究所の研究者でもあるマイケル・ハドソンMichael Hudsonとのインタビュー記事「NATO-Russia Proxy War: Revealing Signs of a Fading America: Scott Ritter, Michael Hudson(NATOとロシアの代理戦争:消えゆくアメリカの徴候を明らかにする。スコット・リッター、マイケル・ハドソン)」で、ハドソンは「戦争はロシアに対してではない。戦争はウクライナに対してではない。戦争はヨーロッパとドイツに対してです。制裁の目的は、ヨーロッパや他の同盟国がロシアと中国との貿易と投資を増やすのを防ぐことです。なぜなら、アメリカは、今や脱工業化し、世界の成長の中心がアメリカにないことを知るからです。1980年代以降の新自由主義的な政策に従った結果、アメリカ経済は空洞化することになったのです。富を生み出す力を失ったアメリカが、一体どうやって繁栄を維持できるのでしょうか。」と述べている。ハドソンは新自由主義が経済の空洞化をもたらすと言っているが、空洞化するのは経済だけではない。政府機能まで空洞化させてしまう。現在の米国や日本の政府がそのものだ。新自由主義は効率的に目先の利益を追い求め、製品や人材、技術の重要性を無視する。製造業を日本やドイツに奪われた後、米国は金融資本に生き残りをかけ、生まれたのが新自由主義である。米国には金融資本しか残らず、金融資本が利益を上げるために、グローバル化を掲げて、金融資本が自由に世界で利益を得られる構造を作り出そうとした。ハドソンが言うように、ウクライナ侵攻に対するロシアへの経済制裁はまさに欧州、特にドイツから収益を得ようとする目論みでしかないのだ。自らは軍事介入することなく、経済的利益だけを得る。米国は決してウクライナ問題の仲裁をしようとしない。米国はロシアが欧州に農産物、石油、天然ガス、鉱物を売ることをブロックし、自国の軍需品、農産物、石油、天然ガスを欧州に売る。いかに現在の国力で世界から利益を得るか、それしか米国は一貫して考えていない。ロシアの脅威は米国の利益なのだ。その犠牲者はウクライナだけではなく欧州でもある。欧州はロシアへの経済制裁で不足する物資の全てを米国で賄えるわけではなく、結局は経済が衰退してしまう。欧州には米国に対して主権を主張出来る主要国がなくなり、まさに日本と同じく属国化してしまったようだ。アカデミー賞受賞の映画監督オリバー・ストーンOliver Stoneも推奨する米国の調査報道メディアThe Grayzoneは、今月25日、「BBC correspondent-fixer shaping Ukraine war coverage is PR operative involved in “war-messaging tool”(ウクライナ戦争報道を形成するBBC特派員フィクサーは、"戦争メッセージツール "に関わるPR工作員」と題する記事で、英国国営放送BBCが報じたウクライナの都市マリウポルの劇場空爆記事は、BBCがウクライナで雇用した特派員による捏造記事であることを暴露している。「3月21日付のNew York Times紙は、「現在でも、(劇場内の)ほとんどの人々の運命は不明のままである」と一瞥して」いるとある。英国は米国と一心同体で、「ロシアは悪」である必要がある。英国も米国同様に活路は金融資本であり、サッチャー政権で新自由主義を掲げて、米国の陰で世界から利益を得て来た。米英に共通するのは格差社会で、貧者は顧みられることはない。26日に東京新聞は、「ロシアへの経済制裁反対で一致 中国、インドの両外相 中印関係には課題も」を報じたが、インドは5月には中国の習近平を招聘している。日米欧とは異なり、アジア、アフリカ、中南米のほとんどの国がロシアへの経済制裁には参加しておらず、ロシア、インド、中国、ブラジル、イラン、サウジアラビアなどの国々は相互に経済的な結びつきを強めて来ている。今後、ますますドル離れが加速して行くことになるのだろう。世界が混沌として行く中で、新型コロナウイルス感染も続いて行く。英国の最高医療顧問は先日、2年後までにさらに凶悪なウイルスが出現すると発言した。23日公開された学術誌Pathogens Volume 11 Issue 4の米英研究者による論文「Superantigens and SARS-CoV-2(スーパー抗原とSARS-CoV-2)」は、新型コロナウイルスがスーパー抗原である可能性を示唆している。スーパー抗原はT細胞の機能不全を引き起こす。やはり、ワクチン接種も新型コロナウイルス感染も避けることが肝要のようだ。日本もどうやら昨日あたりからリバウンドが始まったように見える。
5分咲きの枝垂れ梅

経済制裁が意味することを知らない人たち

2022-03-29 19:19:37 | 社会
NHKの「日本国内のワクチン接種状況」によると、1回目接種は80.8%、2回目接種が79.4%、3回目接種が39.0%となっている。3回目接種は昨年12月1日から始まっている。昨日の読売新聞オンラインは「2回で大丈夫」副反応懸念で様子見多く…3回目「職域接種」低調、前回の25%」を報じている。24日の朝日新聞DIGITALでは「ワクチン4回目、5月にも開始検討 公費で接種実施の方針 厚労省」で、「同省幹部によると、イスラエルの例にならって接種間隔を5カ月とし、早ければ5月から始めることも検討している。」と伝えた。しかし、厚生労働省は接種間隔だけをイスラエルにならっており、4回接種後のイスラエルの感染がどうなったかは全く考慮していない。3回目をすでに終え、4回目に入った後に過去のピークの7.4倍ものピークとなる感染の波を迎えた。しかも、その後、その過去最多のピークの7%まで減少した後、再び感染拡大に転じ、現在も拡大を続けている。ワクチン接種が自然免疫を損ない、武漢株抗原のワクチンを何度も接種することで、抗原原罪が働き、変異株には無効の抗体だけを生み出すと言う確かな研究通り、ワクチン接種率の高い国・地域ほど感染は過去以上に拡大している。接種直後の副作用の強さもあって、さすがの日本でも3回目の接種は政府の想定通りには進んでないようだ。接種回数や接種者の割合が少ないほど感染は抑えられる。感染にもはや意味をなさないワクチンはただ人の免疫システムや細胞のDNAを害するだけである。ワクチンとしては異常な数の後遺症や死を伴っているにもかかわらず、政府も医療機関もワクチンによる後遺症や死とは認めない。主要メディアもワクチンの有効性には疑義を挟まず、ひたすら接種を推進する。日本経済新聞、日経世論調査アーカイブの支持率を追う、「ロシアへの経済制裁」を見ると、「制裁は適切だ44 %、制裁をさらに強めるべきだ41 %」とあり、制裁を支持するが85%を占める。ワクチン接種率も2回まではほぼ8割だ。いかに日本人がメディアの情報に従うかが伺える。今月22日に報じられたロイター/イプソスによる最新の米世論調査では、「バイデン大統領の支持率が40%と就任後最低を更新した」。「54%の人がバイデン氏の職務に不満を抱いていることが分かった。」、「世論調査では、回答者が経済を最大の関心事とし、次いで戦争や外国との紛争を挙げた。」。同じく日本経済新聞の27日の記事、「ウクライナ対応「評価」67% 内閣支持率61%に上昇 本社世論調査」が伝えたように、日本ではむしろ政治リーダーの支持率は上昇した。米国は8%のインフレで国民は生活が苦しくなっており、ロシアへの制裁で、物価はさらに上昇している。国民にとって生活が追い込まれているため、経済制裁を歓迎していない。インフレ率がまだ米国ほどではない日本は、経済制裁が自分の生活と結びついていると言う自覚がない。しかし、現在、日本の通貨はドルに対して8%も低下している。経済制裁を受けたロシアの通貨ルーブルは10%の低下だ。アジアや欧州の主要通貨は低下しておらず、制裁を受けていない国では日本だけが突出して通貨の低下が起きている。中国の人民元に対してすら低下しているのだ。通貨が下がると言うことは、輸入品が高くなることを意味する。石油などのエネルギー製品はじめ食料などの生活必需品がこれから高くなって行く。何故、日本円が低下しているのか。欧米はインフレが進み、それを抑えるために中央銀行が金利を引き上げている。しかし、日本だけがむしろ必死に金利上昇を抑え込んでいる。今日のNHKは「日銀初 きょうから3日間「連続指値オペ」 国債無制限買い入れ」と報じている。国債の金利=利回りを上げないように、日本銀行が国債を高値で買い入れることで、金利の上昇を防いでいるのだ。米国や欧州は国民生活を考えインフレを抑えようと金利を上げている時に、日本の中央銀行は逆に金利を上げないように抑え込んでいる。日本銀行は国民生活のインフレよりも政府債務の国債価格の低下を恐れている。日本銀行が国債価格を維持しようとしても、世界での円と言う通貨の低下は防げない。国際間での通貨はその国の金利に左右される。世界の資金は金利の高い方へ流れる。資金が流れて来る国の通貨は買われて上がり、資金が出て行く国の通貨は売られて下がる。まさに今は日本から資金が金利の高い欧米へ流れ出している。しかし、今は、もう円と言う通貨やドルと言う通貨の問題ではなくなって来た。経済制裁が続けば、世界的なインフレは確実に高じて行く。資源や生産物の価値が高まり、通貨や債券の価値が下がって行く。紙幣より物の価値が上がる。資源や生産物には限りがあり、それを必要とする人が多過ぎる状態が現在だ。インフレではどんな通貨も価値が低下する。通貨に代わって価値の低下がない金が今後ますます浮上して来るだろう。ロシアは自国通貨ルーブルでの取引を断られても金で取引する準備が出来ている。すでに数年前からロシアや中国は密かに金を溜め込んでおり、経済制裁も想定していたと思われる。日本は戦後、米国一辺倒で来たが、その米国は決して日本のためにあるのではない。米国は米国のためにあり、米国にとっての日本は、あくまでも米国のための日本でしかない。戦後、高度経済成長を経て、日本が米国を超える経済大国にならんとした時、米国は決してそれを許さなかった。1985年、プラザ合意を飲まされた日本は、円の切り上げで、得た富を一気に失い、さらに新自由主義の蔓延で、その後の失われた30年に落ち込み、二度と浮上出来ない状態になってしまった。気付けば、国内の巨大企業には米国資本が深く入り込み、「日本企業」は名ばかりとなっている。円安は海外、特に米国に日本を売ると言うことだ。米国資本が入った日本企業では、かっての日本の優秀な技術が葬られ、目先の利益優先の安易な経営が重視されるようになり、企業競争力を失って行くばかりだ。85%が支持する経済制裁が、やがてその支持する人たちが自らが生活をインフレに追い込んでいることに気付く頃には遅すぎるのだ。防衛とは軍事だけではないだろう。経済生活そのものが破壊されれば、軍備には何の意味もない。経済敗戦もまた敗戦には違いないのだ。米国により日本は1985年に第一段階の経済敗戦に追い込まれ、今また米国による経済連合軍として第2の経済敗戦に追い込まれて行く。今回の敗戦はさらに徹底的なものになる。誰もその現実を見ようとしないのが不思議だ。ただ、今回ばかりは、仕掛けた米国自身も欧州諸共経済戦争に敗れることになる。日本は、資源のない国が大それたことをやれば悲惨な目に遭うことを太平洋戦争で学んだはずなのだが。
八幡宮横の福寿草

日欧米はウクライナのネオナチスを隠す

2022-03-28 19:15:08 | 社会
全国でも東京でも新規感染者数の減少は先週半ばで止まり横ばい状態に入った。そろそろリバウンドになるのかも知れない。イスラエルが明らかにしたように、感染者も重症者も死者も圧倒的にワクチン接種者であり、ワクチン接種率の高い国ほど新規感染者の爆発を見ている。英国保健安全保障庁は、4月からワクチン接種状況別の感染者、入院患者、死亡者のデータを公表しないことにした。また、米国のCDCも昨年5月にブレークスルー症例を死亡者、入院患者数に限ってカウントする方針であったが、これも公表しなくなった。ワクチン接種と感染や重症化、死亡の関連を知られたくないようだ。ワクチンがいずれでも有効ならば、公表に不都合はないはずだだろう。武漢型に合わせた抗体しか作り出さないワクチンを何度も打たせていることにほとんどの人が気付かないで、素直にワクチンを接種し続けている。早ければ5月には4回目が開始される。27日のThailand Medical Newsによれば、ステルス・オミクロンBA2にもすでに亜型がいくつか出ている。BA.2.4 (シンガポール) 、BA.2.5 (ポルトガル他)、BA.2.6 (フランス)、BA.2.7 (アメリカ)などだ。ウイルスもワクチンもスパイクが人体に有害であり、ワクチンによるスパイクは人の遺伝子すら変えてしまう。これからも新たな変異種は出続け、ワクチン接種も同じく続いて行く。世界で多くの人が身体を蝕まれて行くことになるのだろう。世界的な健康被害が治らない中で、ロシアによるウクラナイ侵攻が発生した。本来ロシアとの国境を接するウクライナは緩衝地帯とするべきところを、米国は強引に革命を起こさせ、ロシアを挑発して侵攻に至らせた。これまでのウクライナをめぐる歴史的な経過を冷静に見れば、米国が仕掛けたことは明らかだ。昨日は、米国のオリバー・ストーン監督のプーチンとのインタビュー映画を見ていた。トランプが大統領に選ばれた直後、トランプに期待するかとの問いに、プーチンは官僚がいるので思うようにいかないだろうと言う趣旨の発言をしていた。新自由主義の大きな問題の一つは、巨大企業が政治に大きく入り込み、官僚機構にまで根付いたことだ。米国国務省の官僚のトップについたビクトリア・ヌーランドはウクライナだけでなく、欧州・中東での内乱画策に強く関わって来た。大統領は4年の任期だが、官僚は長く政権近くに居続ける。映画を見る限り、プーチンは欧米の大統領や首相よりずっと賢く、自制心がある。バイデン大統領がプーチンを「虐殺者」と呼び、欧州連合EUの欧州委員会、ドイツ人のライエン委員長が「ヒトラー」と激しく言い切っていることなどを見ると、一層、指導者としての資質の差を感じた。まさにポピュリズムそのものだ。欧米は今、とても危うい橋を渡っているように思う。第二次大戦中、まさしくドイツのナチスに協力し、ナチス以上に残虐に大虐殺を行ったウクライナ人ステパーン・バンデーラを称賛するのがウクライナのゼレンスキー大統領なのだ。彼はすでにポーランドの米国大使館にいて、そこから情報発信していると言われる。 オランダ出身のフリーランスの女性ジャーナリストで、シリア、中東、ロシアなどを取材して来たソーニャ・ヴァン・デン・エンデSonja Van den Ende氏は、世界的な秘密作戦の監視と報告を主とする米国メディアCovertAction Magazineに25日、「U.S. Media Decries Brutal Russia Invasion of Ukraine—Yet an Intrepid Reporter Finds that the Russians Were Welcomed as Liberators in the Southern Ukrainian City of Henichesk along the Sea of Azov(米国メディアは残忍なロシアのウクライナ侵攻を非難するが、勇敢な記者は、ロシア人がアゾフ海沿いのウクライナ南部の都市ヘニチェスクで解放者として歓迎されたことを発見した)」と題する記事で、実際にウクライナ南部に取材して、欧米メディアが報じる状況とは180度異なる状況を自分の目で見て、報告している。日本のルポライター清義明氏は、論座で「ウクライナには「ネオナチ」という象がいる~プーチンの「非ナチ化」プロパガンダのなかの実像」と題する記事を上中下3回にわたって書いているが、そこでもウクライナ軍のネオナチの実態が書かれている。米国や欧州各国はこのネオナチに実質的に武器を供給している。ジョージ・ソロスも財団を通じて、ウクライナに作られた米国国防省や国務省系列のNPOを通じて、ネオナチを支援している。米国のある意味では常套手段だ。中東ではテロ組織を軍事訓練し、武器を与えて来た。アルカイダはまさに米国が育てたテロ組織だ。米国の煽りに乗って、経済制裁した欧州こそ、最も大きな跳ねっ返りを受けるだろう。天然ガスのようなエネルギーだけでなく、穀物、肥料(ロシアは窒素肥料の硝酸アンモニウムの6割を生産)、金属、レアメタルなどの不足で、食糧危機や経済の落ち込みは免れなくなる。EUの主軸であるドイツの落ち込みが最も大きくなるだろう。ドイツのメルケル前首相はロシアとのバランスも考え、安易には米国に同調しなかったが、もはやドイツはそうした人を失ってしまった。ロシアはウクライナの中立化とロシア人の住むウクライナ南東部の独立を要求している。ウクライナの占領ではない。そのために民間人の犠牲を最小限に抑えようと、過激な攻撃をしていないだけだ。米国がイラクで行ったような攻撃をすれば、短時日でウクライナを占領出来るだろう。今日の昼のTVで「専門家」がこれまでのウクライナでロシアが使ったミサイルがイラク戦争で米国が使った全てのミサイルと同じ数だと言っていた。TVに登場する「専門家」はコロナと同じである。ロシアのこれまでのミサイル攻撃は、米国がイラクで「1日」に使ったミサイルと同じなのだ。イラクでは米国は激しいミサイル攻撃を行なって、20万人の民間人を巻き添えにしたのだ。それでも誰も罪を問われない。個人がやれば犯罪でも米国がやれば正義で許され、ロシアがやれば「戦争犯罪」だ。今、メディアはウクライナへの支援を訴えるが、今もサウジアラビア連合軍から攻撃され続け、民間人の多くの犠牲者を出し続けているイエメンの状態には全く触れない。米国はサウジアラビア連合軍にも武器を供与している。以前にも書いたが、米国の軍産複合体はあまりにも巨大になり過ぎた。第二次大戦で欧州の連合軍司令官を務め、戦後大統領となった、アイゼンハワーは、退任時に、この巨大となった軍産複合体へ警告を発していたが、その警告通り、米国は以後、世界中に戦争を撒き散らして来た。軍需産業には常に戦争が必要なのだ。ロシアによる危機は、まさにチャンスだ。軍事費を2倍にすることに決めたドイツは、自前では軍需産業を育てて来ていないため、大半の武器を米国から購入せざるを得ない。1機100億円近いF35戦闘機を35機購入するようだ。米国は使い物にならないF35を日本とドイツに買わせたわけだ。米国自身は旧型だが優秀なF15に変更している。コロナやワクチンが続き、健康被害を被る中で物価が高騰して行き、やがて食糧不足がやって来てくる。そんな中で、米国は株式はじめ資産市場の大暴落、米国債の暴落に見舞われる。欧州や日本もそれに続くことになるだろう。世界経済フォーラムはそうした状況で「グレート・リセット」を目論んでいるのだろうが。
八幡宮横の白梅がようやく咲いて来た

米国に潰されて行く欧州連合EU

2022-03-26 19:14:37 | 社会

24日の朝日新聞デジタル「BA.2への置き換わり 都内で急速に進む 専門家、再拡大を懸念」で、「東京都健康安全研究センターによるオミクロン株のPCR検査では、14日までの1週間でBA.2の「疑い例」が38・5%となり、前週の17・8%より約20ポイント上昇していた。」と伝えた。今日の韓国中央日報は「韓国、コロナ新規感染者33万5580人…死亡323人、重症1164人」と伝えており、昨日のCNNでは「韓国の5人に1人が新型コロナ感染、1日の死者数が最多に」と伝えている。一昨日の西日本新聞、「韓国のコロナ感染、計1000万人超に 国民の5人に1人、派生型「BA・2」急拡大」によると、「当局は21日の記者会見で、オミクロン株よりも感染力が強いとされるBA・2の検出率が、市中感染者の41・4%を占めていると説明」とある。韓国は日本よりワクチン接種が先行しており、3回目接種者は60%以上で、4回目接種を2月14日から開始している。韓国も日本と同じくBCGが義務付けられており、今年1月までは感染は散発的で、ほぼ無風状態であった。新型コロナウイルスへのBCGの有効性はいくつかの研究が明らかにしており、これまではBCGで守られて来た。しかし、ワクチンによって免疫が撹乱され、オミクロンの侵入と共に感染爆発している。今月17日、学術誌Scandinabian Journal of Immunology掲載のイタリアの研究者による論文「Role of the antigen presentation process in the immunization mechanism of the genetic vaccines against COVID-19 and the need for biodistribution evaluations(COVID-19に対する遺伝子ワクチンの免疫機構における抗原提示過程の役割と生体内分布評価の必要性)」でもワクチンの外来遺伝子コードとスパイクタンパク質およびその断片の提示が、人体内の正常細胞の自己免疫攻撃と細胞破壊を誘導することを示している。韓国もだが日本もドイツのように感染者が十分に減らないうちにステルス・オミクロンBA.2に置き換わり、再び急拡大することになるだろう。武漢型ウイルス同様にオミクロン型も自然発生ではないのではないかと言う疑問が幾人かの研究者から出ているようだ。24日にNatureが掲載した「Undisclosed industry payments rampant in drug-trial papers(治験書類に横行する業界の未公開報酬)」はオーストラリアで臨床試験に関与した医学研究者の4分の1は、製薬会社からの資金提供を宣言しなかったことを示し、「この結果は、米国の研究によるものと同様であり、臨床研究において「利益相反の非開示という根本的な問題が根強く残っていることを示唆しています」と、ペンシルバニア州ピッツバーグ大学の神経科学者ジェームズ・バラルディJames Baraldi氏は言う。」と書いている。医学の世界に製薬企業の影が深く入り込んでいる。学術と同じく、メディアも政府の影が深く入り込み、メディア統制が深まっている。政府方針とは異なる言説で影響力があるものはメディア企業やSNS企業が自ら積極的に統制を行なっている。米国の生物兵器を追求し続けて来たブルガリア人女性ジャーナリスト、ディリアナ・ゲイタンジエワDilyana Gaytandzhievaもその一人で、自己のサイトに最近「Pentagon contractors worked in Ukrainian biolabs under $80 million program(国防総省の請負業者は、8000万ドルのプログラムの下、ウクライナのバイオラボで作業していた)」を取り上げている。2014年の米国が画策したウクライナ革命後、ウクライナ軍(主にネオナチス)によって攻撃されたウクライナのロシア人たちの状況を報告したドキュメンタリー映画「DONBASS」(2016年公開)を作製したフランス人女性ジャーナリスト、 アンヌ・ロール・ボネルAnne-Laure Bonnelもウクライナのロシア人虐殺を否定する欧米から逆に非難されている。23日に米国Global Timesは、「US biolabs need exposure and investigation: US scholar(米国のバイオラボは暴露と調査が必要:米国の学者)」で、「米国フォートデトリックや300以上の海外バイオラボについて、疑問や質問が増えている。朝鮮戦争中に米国の生物兵器の研究に何年も費やしたサンフランシスコの元臨床心理学者ジェフリー・ケイJeffrey Kaye(ケイ)は、文書を提供し、実際に行われていることを公表するよう米国に求めた。ケイは、「よりオープンな記録、暴露、そして真実で信頼できる調査」が必要だと述べた」と伝え、昨日は英国のDaaily MailのMail Onlineは、「EXCLUSIVE: Hunter Biden DID help secure millions in funding for US contractor in Ukraine specializing in deadly pathogen research, laptop emails reveal, raising more questions about the disgraced son of then vice president(独占: ハンター・バイデンは、ウクライナの致命的な病原体の研究を専門とする米国業者のために、数百万ドルの資金調達を支援したことが、ラップトップの電子メールで明らかになり、当時の副大統領の不名誉な息子についてさらなる疑問が生じた)」を報じている。1年前の2021年1月16日には、米国TIME誌は、「The Azov Battalion: Inside Ukraine’s White Supremacist Militia(アゾフ大隊 :ウクライナの白人至上主義的民兵組織の内幕)」として報じていたが、今ではそのアゾフ連隊が正規軍として編入されたウクライナ軍をロシアと戦う正義の軍隊としている。1年で180度の転換だ。米国は現在世界45ヵ国に514の基地を展開している。ドイツ194基地で最多で、次いで日本の121基地である。いずれも第二次大戦敗戦国だ。2022 Military Strength Ranking by Global Firepower(2022年 世界の戦闘力による軍事力ランキング )によれば、1位の米国の軍事費は7780億ドル(85兆円)で、2位のロシアは617億ドル(7兆円)、3位の中国は2520億ドル(28兆円)となっている。しかし、元米国海兵隊員で日本在住のドイツ系米国人マックス・フォン・シュラーー小林(Max von Schuler-小林)氏は、実際にはロシア軍が最強だと言う。米国は軍需産業が肥大化し、高額で複雑な艦船や戦闘機を売り付け、実戦では使い物にならないそうだ。最新鋭の空母フォードは戦闘機の離着陸装置が複雑なデジタル化により、わずかな離着艦数しか維持できず、修理も決まった港湾でしか出来ない。これからも同型の空母7隻が建造される。1機100億円近い戦闘機F35は日本でも2018年に105機を購入する決定となったが、F35も同じく近接戦ではロシアの戦闘機には及ばないと言う。米国は新規購入を旧型のF15に決定している。同氏はウクライナの戦争状況についても主要メディアとは異なり、ウクライナが戦いに勝ってはおらず、ロシアが民間人を巻き込まないように戦いを進めているために遅い侵攻となっているだけだ明言している。また標的を絞った攻撃で成功しているとも語っている。単純に考えても圧倒的な軍事力のロシアが簡単にウクライナ軍に負けることなどないだろう。このウクライナへのロシアの侵攻で漁夫の利を得ているのは米国で、利を失ったのが欧州である。米国は欧州へ天然ガスと軍備を売り付けている。ドイツは軍事費を2倍にし、米国からF35を押し付けられている。欧州連合EUを結成して利を得たのはドイツだけであり、それに気付いた英国は離脱し、今ではドイツの力も低下し、EUもまた米国と共に凋落寸前となっている。シュラーー小林氏は、米国内の分断が進んでいることも嘆かれている。

雪割り草

変わらない米国外交

2022-03-25 19:13:51 | 社会
今月22日、山口県の長周新聞は、「制裁の応酬で世界的混乱 原油や小麦の高騰、各国に跳ね返る ドル依存からの脱却が進行」を載せたが、記事の中に「制裁参加国は196カ国中48カ国という現実」として、世界地図で、制裁参加国が色付けられて表示されている。この青で色付けられた制裁参加国を見ていると、何かダブって見えて来るものがあった。参加国はほとんどがワクチン接種を推進し、感染爆発を起こした国ばかりなのだ。この新聞のような質の高い記事が今では貴重な存在になってしまった。欧米も含めて日本も多くのメディアが新自由主義の嵐で、利益優先となり、人材が人件費削減の対象でしかなくなり、代替可能な記者ばかりになってしまった。時間をかけて調べた結果を報じることはなくなり、ただ政府や世の権威が語ることをそのまま伝えるだけになった。インターネットと言う世界中の情報を得られる手段があっても、自ら調べることがない。コロナが欧米で感染拡大すると、メディアは四六時中コロナを報じ、欧米が規制緩和に転じると、次には一斉にウクライナ問題に転じる。コロナでもウクライナ問題でも背景や実態を決して報じない。全てが権威筋に沿った内容ばかりだ。2003年のイラク戦争でも報じられる内容は攻撃側の米英側からの情報だけであった。イラク戦争の実態は俳優マット・デイモンMatt Damon主演の『グリーン・ゾーンGreen Zone』でも描かれている。イラクが大量破壊兵器を持つとして攻撃が開始されたが、大量破壊兵器は何も見つからなかった。英米の攻撃で民間人20万人が犠牲となった。明らかな戦争犯罪であるにもかかわらず、誰も罪を追求されていない。米国が行うことは全て正義であり、犯罪ではない。世界の経済の動きで、よく参考にするのが米国人でシンガポールに移住したジム・ロジャーズ氏:Jim Rogersだが、その理由は、彼が歴史を重視するからだ。また、かってはバイクで世界一周を行い、自分の目で世界を見ている。そのロジャーズ氏が2017年2月10日に投資家向けのメディアMacroVoicesのインタビューで、「オバマ政権の時、われわれアメリカはウクライナで違法なクーデターを画策し、そしてそれが露呈した。あの国務省の女性の名前は確かヴィクトリア、何だったか、誰であれ、アメリカの国務省がウクライナで違法なクーデターを画策したが、ロシアの方が一枚上手だった。以来、国務省はロシア批判を始め、ロシアに対するネガティブキャンペーンは日に日に膨張してゆくばかりだ。 悪いことをして見つかってしまえば、出来ることと言えば相手に対する批判の声を上げ続けるくらいしかない。国務省はそうしたということだ。」と話している。「国務省の女性」は現在米国国務省次官のビクトリア・ヌーランドVictoria Nulandである。ロジャーズ氏は ジョージ・ソロスとともに投資会社クォンタム・ファンドを設立し、10年で3365%もの利益を上げると言う脅威的な成績を作り出した伝説の人でもある。その後ソロスとは袂を分かった。ソロスは財団を通じて世界の紛争の種を撒き、政治にも介入している。ウクライナへも財団からの資金がかなり流れている。ウクライナでは2014年に選挙で正当に選ばれていた親ロシア政権を、米国や欧州が支援する暴力集団により追放した。この際、40人の民間人が放火された建物と共に犠牲となっている。追放後は米国のビクトリア・ヌーランドが画策して、親米政権を打ち立てた。その画策はヌーランドの電話内容が漏洩したことで明らかとなった。米国のバイデン大統領がオバマ政権の副大統領であった頃、ウクライナのヴィクトル・ショーキン検事総長は、バイデンの息子であるハンター・バイデンが取締役を勤めていた天然ガス企業であるブリスマ社に対する広範囲な汚職捜査を行っていた。バイデンは10億ドルの補助金を盾に、ウクライナ政府にショーキン検事総長の解任を呑ませた。ウクライナは米国を通じて急速にNATOに接近した。日本の外務大臣も出席した今年2月19日のドイツで行われたミュンヘン安全保障会議では、ウクライナのゼレンスキー大統領はブダペスト覚書はもはや無効だと宣言した。この宣言は1994年にハンガリーのブダペストでウクライナの核兵器放棄を宣言したものだった。つまり、ゼレンスキー大統領のブダペスト覚書無効表明の意味するところは、ウクライナが核保有に進むことを意味していた。東西ドイツの統一をNATOを東方へ拡大しないことを前提にソ連は了承した。しかし、ソ連が崩壊すると、米国は次々にNATOの東方拡大を押し進めた。ロシアは危機感を感じ、何度も警告を発して来た。しかし、ウクライナへは米国国防省やCDCなどによって30もの生物兵器研究所が作られていた。欧州最大級の原発もある。ウクライナが核を保有すると、モスクワは距離が近く脅威となる。ロシアはこれ以上の我慢は耐えられなくなったのだろう。ゼレンスキー大統領のブダペスト覚書破棄の5日後に侵攻を開始した。2014年の暴力革命後、ウクライナでは、多くのナオナチス組織が正規軍に組み込まれて行った。中でも大隊から連隊へ昇格したアゾフ連隊は、国連人権高等弁務官事務所でも2016年にその非道ぶりを上げており、日本の公安調査庁のHPでも上げられている。ウクライナのネオナチは軍隊だけでなく、警察はじめあらゆる政府機関に浸透している。ウクライナのネオナチの組織や大統領のゼレンスキーはいずれもウクライナのオリガルヒ(巨大財閥)で、政治活動家のイーホル・コロモイスキーが支えている。ウクライナのネオナチは白人至上主義を掲げ、欧州のジプシーであるロマやユダヤ人、ロシア人を虐待、殺害して来た。アゾフ連隊は堂々とナチスの鉤十字の旗を掲げている。こうしたウクライナの内情も欧米日の主要メディアは決して報じない。2015年9月29日には英国BBCロシア語版が「Как паблик киевского детского лагеря запретили в России(キエフの子どもたちのキャンプ公開がロシアで禁止された理由)」と題する記事を載せていた。記事ではアゾフ連隊と共にキャンプする子供たちの写真と、英国のメディアがネオナチとしていることなどを書いている。BBCもこの時点ではウクライナ正規軍にネオナチがいることを報じているが、経済制裁が開始されるや、ウクライナ軍はたちまち正義の軍隊とされている。いかなる戦争も肯定されるものではない。しかし、何故、戦争になったのかは理解しておかなければならない。日本の太平洋戦争は無謀であったが、この戦争にも日本なりの理由はあった。資源の乏しい日本はABCD包囲網によって、石油の供給を絶たれ、米国国務長官は、日米和解を阻止するために近衛首相とルーズベルト大統領の会談を潰した。いわゆるハル・ノートだ。米国は今のロシアと同じく日本をこの時、戦争に追い込んだ。米国のやり方はずっと変わってはいない。
八重咲きの梅の花

米国の真の敵

2022-03-24 19:13:14 | 社会
イスラエルは世界に先駆けて4回目のワクチン接種を行い、1月に過去最多の新規感染者を出した。1月23日に8万3739人の最多であったが、その後4000人前後まで下降したところでリバウンドして現在は1万5000人ほどに再び急増している。欧州はさらにリバウンドが大きく、英国は1月5日に27万5593人のピークを付けた後、2.5万人まで下げた後にリバウンドし現在は10万人を超えた。フランス、イタリアも同様の経過をたどり、現在はフランス18万人、イタリア10万人弱と言うところで急増している。ドイツはもう少し悲惨で、25万人でピークを付けた後20万人まで下げて再び増加に転じ現在は30万人を超えている。米国は1月13日に90万9296人のピークを付けた後、下がり続けており、昨日は3万2023人となっている。しかし、米国は概ね3週間ほど欧州に遅れて感染拡大が起きることが多いので、油断は出来ないだろう。しかも米国もステルス・オミクロンBA.2が市中で見つかっている。欧州やイスラエルのリバウンドも香港、中国の感染も今はこのステルス・オミクロンが主体だ。素直な下降を見せない日本の第6波もどこかでステルス・オミクロンによるリバウンドが起きるだろう。昨日の毎日新聞は、「12~17歳の3回目接種、早ければ4月にも開始 厚労省部会が了承」を伝えたが、すでに1月19日テレ朝ニュースでは「「子どもにブースター接種必要とのデータない」WHO」で、「WHO主任科学者・スワミナサン氏:「現時点で、健康な子どもや若者にブースター接種が必要だというデータは、全くありません」」と報じていた。どの国も科学的な根拠などないままに「子どもや若者」に接種を進めている。まあ、それは成人でも変わらないが。高齢者や基礎疾患のある人たちがワクチンで守られると言う科学的根拠もいまだに示されていない。しかも、守られないだけでなく、むしろ接種者ほど感染しやすく、死者も接種者が圧倒的に多いのだ。現実がこのワクチンの異常さを示すにも関わらず、政府もメディアもその現実を無視して更なるブースターを行おうとしている。もはや意図的と考えざるを得ないだろう。つまり、政府やメディアが現在行っているワクチン推進は犯罪行為だと言える。フランス、イタリア、韓国、オーストリアでは訴訟が起きて来ている。日本のメディアはこれも決して報じない。コロナ禍で表面化した日本のメディアの政府への従属性はウクライナ問題でも変わらない。今月17日のNEWSWEEK日本語版で、フランス出身でAFP通信にも在籍し、日本人と結婚したジャーナリスト、西村カリン氏が「ウクライナ「報道」でも目立つ、ワイドショーでの適当で無責任なコメントたち」を書いている。「報道の自由の観点からも日本のメディアの独立性の観点からも、望ましくない状況だ。だが、マスコミは政府の立場に反論をしない。 どんな話題であっても現地の取材だけで良い報道ができるわけではなく、確かに解説や分析も必要だ。そこで重要なのは、コメンテーターを選ぶ基準だろう。必要な知識や能力、経験を本当に持っている人であるかが第一条件だ。 人気のタレントが出れば視聴率が上がるのは事実だが、その人の知識と能力を超えた問題についてコメントしようとすれば、無責任な発言につながる。」。ウクライナ問題では主要メディアは全てロシアのウクライナ侵攻が悪で、ウクライナを支援しなければ、と言う米国が主導する流れそのままである。実はそうさせて来たのは米国自身であると言う過去には全く触れることがない。触れても部分的でしかない。ロシアへの経済制裁に加わるアジアの国・地域は日本、シンガポール、韓国、台湾だけである。アフリカ、中東、アジアの多く、中南米は参加していない。ロシア、イラン、中国、ブラジル、ベネズエラは、世界に残された既知の石油、ガス、石炭、金、銀、木材、希少鉱物の130兆ドル相当を保有している。今日からベルギーでG7が開かれるが、G7の製造業の総生産量はIMFによれば 4.85兆ドルで、中国は4.86兆ドルだ。資源や製造業はもはやG7以外が占めており、軍事力もロシアが米国に次ぐ2位で、3位中国、4位インド、5位日本となっている。軍事力2位〜4位の国が経済制裁には与していない。むしろドル以外の通貨で連携しようとしている。中国はすでに米国から経済制裁を受けており、同じ米国からの制裁を受けているイランも同じだ。ウクライナ問題での米国のロシアへの経済制裁はむしろBRICSの結束を強め、国際取引の新たなシステムを作り出す機運となっている。NATOの主導者となっている米国は、NATOを利用してロシアを追い詰めたはいいが、経済制裁で最も痛手を受けているのは本来のNATOの母体である欧州自体で、欧州の商社、石油会社、電力会社を代表する欧州エネルギートレーダー連盟EFETは、ロシアとのエネれギー資源取引に、エネルギー価格の高騰のために追証資金の工面に追い立てられている業界のために緊急流動性支援(銀行群からの資金支援)を嘆願せざるを得なくなっている。現在、ガソリン代は世界では欧州が最も高くなっている。日本や中国はそれに次ぎ、産油国でもある米国は日本よりも安い。それでも米国ではガソリン価格は1ガロンあたり4.17ドルの過去最高を記録した。ロシアは欧州への天然ガスのパイプラインを止めておらず、送り続けている。おかげで欧州は寒さを凌げている。完全にロシアが敵対する気ならば、パイプラインは止めているだろう。今後さらにロシアへの経済制裁を強めていけば、その打撃を最も多く受けるのはむしろ欧米日だろう。インフレと言う嵐が吹き荒れることになるからだ。そして、遅れて食糧危機がやって来る。昨日のブルームバーグは「ロシア産原油なければ、世界のリセッションは不可避に-ダラス連銀」で、「米ダラス連銀のエコノミストがまとめた研究論文によれば、ロシア産エネルギーの輸出が今年中に再開されなければ、世界経済はリセッション(景気後退)を回避できない可能性が高い。」を、また22日の日本経済新聞は英国The Economistの記事として、「ウクライナ侵攻が招く食料危機」を報じている。ウクライナ問題は資産バブルと政府債務バブルを抱える米国の本格的な凋落への引き金となるかも知れない。もはや製造業を失った米国にとっての真の敵はインフレなのだ。インフレは確実にこの二つのバブルを潰すからだ。
カワアイサ(上の2羽)とオナガガモ(下の2羽)


投げたロープで首を絞める日欧米

2022-03-23 19:17:35 | 社会
日本経済新聞は今月15日に「米ファイザーCEO、ワクチン「4回目接種が必要に」」で、「ブーラ氏は、ファイザー製のコロナワクチンが3回の接種で変異型「オミクロン型」に対しても重症化を防ぐための高い効果を持つとの認識を示した。一方で「感染自体を予防する効果はあまり高くなく、効果もそれほど長い期間持続しない」と認め、2回目の追加接種の必要性を示した。」と報じ、翌日の16日は「4回目接種へ、ワクチン1億4500万回分を購入 首相表明」で「岸田文雄首相は16日の記者会見で、新型コロナウイルスワクチンの4回目接種を想定し計1億4500万回分を追加購入すると表明した。このうち米ファイザー製が7500万回分、米モデルナ製は7000万回分とする。厚生労働省によると年後半に輸入できるめどがたった。」と報じている。感染予防効果がないものを何度も接種させると言うのだ。その必要性の科学的根拠は全くない。20日のYahoo! JAPANニュース「4回目のワクチン接種の効果によって明らかになってきた、既存の新型コロナワクチンの有効性の限界」では、ワクチン接種推進の旗頭である大阪大学忽那賢志教授でさえもがイスラエルの研究から、4回接種の効果の限界を吐露せざるを得なくなっている。昨年コロナ対策で使われた国費は77兆円だ。東日本大震災の復興予算は10年間で32兆円だった。今年1月25日の米国共和党ロン・ジョンソンRon Johnson上院議員の委員会で、アイダホ州の病理学者で診断ラボを経営する医師ライアン・コールRyan Cole博士は、鼻には「分泌型IgA 」と呼ばれる特別な抗体があるが、新型コロナワクチンでは分泌型IgAが誘導されず、むしろ、ワクチン接種者の方が感染するとウイルス量が多くなると発言している。子供は大人以上に分泌型IgAを作り出す自然免疫が優位なのだ。ワクチンを接種することで、むしろ感染しやすくもなる。世界的な病理学者であるドイツのハイデルベルク大学病院のピーター・シルマッハーPeter Schirmacher教授は、ワクチンは安全だと信じ、ワクチンを接種した後に、ワクチン接種後2週間以内に死亡した40人を病理解剖した。そして、心筋炎で亡くなった人の心臓の病理所見から、ワクチンによるものと結論付けた。ニューヨークに拠点を置く、世界のニュースのデジタル配信サイト247 News Agencyは、今月16日に「RBC: REGISTERED IN THE PENSION FUND HAS BECOME 1 MILLION FEWER PENSIONERS(RBC:年金基金に登録されている年金受給者は100万人減少しました)」で、「ロシア連邦年金基金に登録された年金受給者の数は2021年に97万人減少しました。これは1990年代初頭以来の最大の減少です。PFRデータを参照してRBCによって報告される。」と報じている。ロシアのワクチン、「スプートニクV」・「スプートニク・ライト」は英国のオックスフォード・アストラゼネカワクチンと同様にヒトアデノウイルスベクターワクチンである。ロシアもワクチン接種は半強制であった。(中国は5社中3社が不活化ワクチンで、1社がアデノウイルスベクターワクチン、1社が遺伝子組み換えタンパクワクチン。国民の多くは不活化ワクチン接種)。規制が解除された英国は今、感染者が急増し、昨日のNHKは「感染者増加の英 4回目ワクチン接種 75歳以上など対象に開始」と伝えた。昨日のNHKはさらに「中国 コロナ感染拡大続く 1日で4500人超 長期化を警戒」で、中国の保健当局が「一日で無症状の人も含めて、4594人確認されたと発表しました」と報じている。ベトナムもワクチン接種が始まるまでは、ほとんど感染とは無縁であったが、ワクチン接種が始まると感染が急拡大している。インド、アーンドラ・プラデーシュ州のニキサ病院Nikitha HospitalのCEO、ラメシュ・ナイドゥ・カタルRamesh Naidu Kataru博士は、2020年9月から発売されたCovidホームケアキットがインドでは何百万回と消費され、新型コロナウイルス感染はインドでは今年2月22日から季節性インフルエンザなったとツィートしている。ジベルドキットZiverdo-Kit と名付けられたキットは軽度の場合は1キット、中程度の場合は2キット服用が推奨されている。JAPAN RXでも1キット972円で現在販売されている。世界中が性懲りも無くワクチンの頻回接種に突き進んでいるため、感染は今後も続き、感染してもすぐに治療されないため、ますます多くの犠牲者を生み出すだろう。運よくコロナやワクチンを避けて生き残っても、経済混乱が待ち構えている。今日の日本経済新聞は「ロシア発、建設コスト急騰 ビル用鋼材13年ぶり高値水準 設備投資延期の動きも」で、「ロシア発の資源高を受け、建設資材価格が急騰している。 木材やセメントでも新型コロナウイルス禍などで続いた価格上昇が加速している。」と報じ、GENDAI ISMEDIAは「給料は上がらず、物価だけ上がる…ついに日本を「スタグフレーション」の悪夢が直撃する」で、「米国は健全な成長ができるかどうかという岐路に立たされているわけだが、日本の立ち位置はまったく異なる。日本は長くほぼゼロ成長という状況であり、長期にわたって不景気が続いている。ここで日本の物価が本格的に上昇し、景気が回復しなかった場合、ほぼ自動的に不景気とインフレが共存することになる。」と書いている。米国の物価指数はすでに8%になって、中央銀行が金利引き上げに舵を切った。しかし、日本銀行は動こうとしない。欧米と金利差が広がり、円安が進み、輸入品はもう価格が上昇している。日本銀行は物価の安定より、政府債務の負担を軽減する方を優先する。日米欧がロシアに課した経済制裁はロシアを窮地に追い詰めるどころか、自らを窮地に追い遣っている。特に穀物、肥料、天然ガス、石油をロシアに依存する欧州は厳しい。ロシアは断たれた販路を中国、インド、イランに見出し、サウジアラビアとも協調している。米国は石油の不足を補おうと虐めていたベネゼエラに頼んで断られ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦からも話し合いを拒否されている。トルコも中立を宣言した。インドさえもが経済制裁には参加していない。恐らく、この経済制裁で最も手痛い被害を受けるのは米国自身になるだろう。インフレは収まりに見通しが立たず、上昇して行くばかりだろう。米国はそれを抑えるために金利を上げ続けなければならない。金利が2〜3%にもなれば、確実に株式初め資産市場は大暴落し、政府は対応に追われる中で、政府債務3000兆円の金利負担にも喘ぐことになる。米国国債の価値低下は避けられない。昨日のブルームバーグは「【米国市況】国債が大幅安、パウエル議長発言重し-株も下げる」で「パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長がタカ派的な見解をあらためて表明したことから市場が動揺し、国債利回りが大きく上昇した。米金融当局はインフレ抑制のためなら大幅利上げも辞さない構えを示している。」を報じている。基軸通貨ドルの危機は間違いなくやって来るだろう。「新世界秩序New World Order」とは中国・ロシア・インド・中東の台頭なのだろうか。今日のロイターは「バイデン米大統領、支持率40%と最低更新=ロイター/イプソス調査」を伝えていた。国民にとっては「経済を最大の関心事」で、インフレの進行こそが生活を脅かしているのだ。

背後で世界経済フォーラムにつながるのか?

2022-03-22 19:13:26 | 社会
祝日の昨日の新規感染者数は2万7701人だ。今日から全国で「まん延防止等重点措置」が解除される。「まん延防止等重点措置」にどれほどの効果があるのか疑問だが、ともかく規制が「解除」となると、緊張感が薄れるのは確かだろう。休日で新規感染者の発表が少なくはなっているが、この数字さえも第5波のピーク2万5992人を超えている。20日の産経新聞は「第6波」430万人感染 死者9割が70代以上」を、毎日新聞は「コロナ第6波、高齢者施設「療養死」急増 東京では0.4%→15%」をそれぞれ伝えた。新型コロナウイルス感染はインフルエンザ同様に介護を要する高齢者では、致命傷となることが多い。その要介護高齢者がこの第6波では、検査が陽性となっても施設待機とされ、何も手当がされなかった。それは今も変わらない。高齢者優先の3回目のワクチンなど何も役立たないことはすでに明らかだ。今月17日に英国保健安全保障庁UKHSAが公表した2022年2月7日〜3月6日のデータもその再確認である。この間の感染後の死者の77%はワクチンを3回接種している。このデータでは感染も入院も死亡も、全てで接種回数が多くなるほど未接種者よりも多くなっている。必要なのはワクチンではない。イベルメクチンなどが早期に配布されていれば、多くが救われたはずだ。イベルメクチンに有効性が認められないと言う研究論文は、治験の設計に問題のあるものばかりで、特にイベルメクチンの投与開始が遅いものが多い。発症早期に使う薬剤だ。安価で安全なイベルメクチンが全国で使われれば、インドのいくつかの地域のようにまさに日常が戻って来るだろう。ワクチンにはあまりにも問題が多過ぎる。個人的にはこの新型コロナウイルスそのものの発生にも疑問を持っている。疑問があることで繋がるのはウクライナ問題だ。世界経済フォーラムは若いリーダーを育成するためにヤングリーダーズプログラムを実施ているが、そのプログラムにはウラジミール・プーチン、ジャスティン・トルドー、アンジェラ・メルケル、エマニュエル・マクロンなどに加えて、ウォロディミル・ゼレンスキーも参加しており、このプログラムを経た人たちが国家の政治リーダーとなっている。ウクライナの大統領のゼレンスキーはカナダのトルドー首相と親しい。カナダは積極的にウクライナを支援している。気になるのは、プーチンだ。プーチンもこのプログラムを受けており、習近平はこのプログラムを受けてはいないが、世界経済フォーラムには参加している。新型コロナウイルスは米国が資金提供した武漢ウイルス研究所からの漏出が疑われ、米国資金提供に関係したファウチはワクチンの強力な推進者ビル・ゲイツと親しく、そのビル・ゲイツはやはり世界経済フォーラムの主要人物でもある。グレート・リセットを目指す世界経済フォーラムの企てにウクライナ問題が関係しているのでは、と言う疑念がどこかにある。ロシアのウクライナ侵攻にはロシアなりの理由があり、日米欧が言うようなウクライナの占領ではないだろう。メディアはロシアのウクライナでの苦戦を報じるが、ロシアの軍事力をすれば、占領が目的ならば、容易にそれが可能だったろう。ロシアは18日に極超音速ミサイル「キンジャール」を使って、ウクライナ西部イワノフランコフスク州の軍事施設やリヴィウ州のヤーヴォリウ軍事施設を破壊した。しかし、今日のロイターは「米、ロシアの極超音速ミサイル使用確認できず 「実用性ない」=当局者」で、「米国防総省当局者は21日、ロシアがウクライナ攻撃に極超音速ミサイルを使用したと明らかにしたことについて、米国は独自に確認できていないと述べた。また、軍事的観点からこうした兵器の使用はほとんど意味がないとの考えを示した。」と報じた。しかし、日本経済新聞は「米大統領「ロシアが極超音速兵器使用」 初めて認める」と報じている。「バイデン米大統領は21日、「ロシアが極超音速ミサイルを発射した」と述べた。」、「極超音速ミサイルは音速の5倍以上の速度で飛行し、迎撃が難しいとされる。」、「バイデン氏は極超音速兵器について「大きな打撃を与えられる兵器だ」と指摘。「他のミサイルと同じ弾頭を搭載した場合、止めるのはほぼ不可能である点を除けばそれほど大きな違いはない」との認識を示した。」とある。ウクライナ西部リヴィウ州のヤーヴォリウ軍事施設はポーランド国境から、わずか25Kmの距離で、英米、カナダや他のNATO加盟諸国の部隊が、ウクライナ軍を訓練する大規模訓練センターである。ロシアはさらにウクライナで初めて「ダガー」ミサイルを使用し、イワノフランキフスク州デリャチン村の大型地下弾薬庫を破壊している。"ダガー "は音速の10倍で飛ぶ。ロシアの極超音速ミサイルはロシア領から1000Km離れた軍事施設に正確に飛び、迎撃用の対空ミサイルを寄せ付けない。ロシアに占領の気があれば、短時間で占領は可能だ。しかし、プーチンの目的は異なる。プーチンはウクライナをNATOとの緩衝地帯とし、ウクライナに住む人口の3分の1を占めるロシア系住民地域の独立である。従って、ウクライナ住民の被害を最小に抑えようとして、時間をかけたピンポイントの攻撃を行なっているだけだ。住民の被害を無視するなら、とても簡単に「占領」出来るだろう。ただミサイルをたくさん打つだけで済む話だ。そうすればロシア軍の被害さえないだろう。プーチンの考えとは別に世界がウクライナ問題で、資源不足になることは避けられない。あるいはプーチンはそこまで読んでいるのかも知れない。経済についても日米欧メディアはロシアの経済困窮を報じるが、実際にはロシアが産出する肥料・農産物・金属資源、天然ガス・石油などのエネルギー資源が絶たれれば、それらの不足は欧州や世界に大きく影響して来る。インフレと不況が進み、米国の金融バブルの崩壊を早める。日米の巨額の政府債務を脅かす国債の暴落、通貨の暴落があり得る。つまり経済混乱が訪れる。混乱はまさしくリセットの機会ともなる。そう考えるとプーチンのウクライナ侵攻や欧米の執拗な煽りが、世界経済フォーラムの目指す「グレート・リセット」への一環であるのかも知れないと言う疑念を持たざるを得なくなってしまう、あまりにも疑問のあるウイルスやワクチン、欧州など感染がリバウンドして急拡大しているにもかかわらず、メディアではもうコロナ報道ではなくウクライナ問題ばかりである。一斉に話題を変えている。しかし、まだコロナ禍の渦中だ。昨日は、決して日米欧の主要メディアが伝えることがない、ウクライナのロシア系住民へのネオナチスの残虐行為を伝えるSNS動画をいくつか見ていた。しかし、そうした場面はやはり、気分が悪く、長くは見たくなく途中でやめた。戦争はどんな戦争も理不尽な死を招く。特に弱い女性や子供は悲惨だ。
ホオジロガモ雌雄

米国が引き起こしたウクライナ問題

2022-03-21 19:08:17 | 社会
先週金曜の夜に降った雪はかなり溶けたが、それでもまだ庭には雪が残っている。今日は最高気温10度だが、明日からはまた数日は10度を切る日が続くようだ。気温の波はあっても日射しを見ると、確実に春の到来が分かる。やはり花が見られる春が待ち遠しい。 10代の終わり頃、友人と二人である大手新聞の雑誌の取材を受けたことがある。その取材記事が載った雑誌が後で送られて来たが、記事の内容は取材時にこちらが発言したこととはほとんど違っていた。友人と共に話した内容が記者によって再構成されていた。東日本大震災直後も3〜4社のメディアの取材を受けたが、これらも同じで、こちらが最も伝えたかったことは全てカットされていた。NHKでドキュメンタリーを撮っていて、中国の奥地取材をきっかけに中国に移り住み、中国でドキュメンタリーを撮り続けている日本人監督が日本のメディアについて言っていた。日本のメディアは最初から結論ありきだと。取材対象はその結論に向けてただ誘導される。この監督も何度も日本のメディアからの取材を受けているが、日本のメディアは中国嫌いの多い日本人向けに、いかに中国がひどいかを引き出そうとすると言う。これを聞いて納得した。今のメディアは事実よりも視聴者が何を求めているか、勝手に決めて、それを取材の中で引き出すことが目的なのだ。すでに取材の最初から歪みが入っている。特に欧米メディアが報じたりすると、その内容に追従するところなどは政府の姿勢と何も変わらない。現在のウクライナ問題のように極めて世界にとって危険な問題を一方的な情報しか伝えず、ただ狂人プーチン、ロシア軍敗色、ウクライナ住民犠牲と伝えるだけである。ウクライナ問題は一つ間違えば、欧州に戦乱を招きかねない。欧米主要国政府はロシアとの直接交渉を避け、ただロシアを煽るだけである。ウクライナ大統領も戦火の拡大を画策するばかりである。各国にウクライナ上空の飛行禁止区域の設定を要求している。それがいかに危険なことか、少なくとも主要国は理解しているからこそ応じていない。ある国が仮にウクライナ上空を飛行禁止区域に設定すると、その国はロシア軍戦闘機がウクライナ上空を飛行した場合、そのロシアの戦闘機を撃墜することになる。つまりロシアと明確に敵対することの意思表示となり、ロシアとの戦いに参入すると言うことになるのだ。戦火が拡大して最も被害を多く受けるのはウクライナの住民や飛行禁止区域の設定を行なった国の住民だろう。戦禍を最小限に止めるために必要なのはロシアを煽ることではなく、主要国が交渉の場を作り出す努力をすることだ。しかし米国大統領はプーチンを戦争犯罪者だと非難するばかりで、交渉の場を作る気など全くない。プーチンも戦争犯罪者だが、米国の何人かの大統領もまさしく戦争犯罪者である。米国は中南米、中東、アフリカで今回のロシアと同じく多くの国へ侵略して来た。正当な理由なくである。イラク戦争はその最たるものだろう。国際法など全く無視された。20万人もの住民と80万人のイラク兵が犠牲となった。経済産業省の元官僚で、京都大学准教授も務めた中野剛志氏は、2020年4月10日のDIAMOND online「グローバル化すべき」と言う人が、完全に“時代遅れ”である理由」で、ウクライナ問題の背景になる米国の戦略に触れている。英国の政治家で地政学者でもあったハルフォード・マッキンダーSir Halford John Mackinderは「ユーラシア大陸の支配者こそが世界の支配者になる」と唱え、これをポーランド出身で米国コロンビア大学の政治学教授であったズビグネフ・K・ブレジンスキーZbigniew Kazimierz Brzezinski が重視し、後にジョンソン大統領の大統領顧問やカーター大統領の国家安全保障問題担当大統領補佐官を務め、米国の戦略に大きく影響を与えた。ブレジンスキーは「ソ連崩壊によって、アメリカが、西側からはNATO、南側からは中東諸国との同盟、東側からは日米同盟という三方面からユーラシア大陸を取り囲んだことにより、一国家が単独でグローバルな覇権国家になったと考えました。しかも、ユーラシア大陸がユーラシア大陸にない国家によって支配されるという、世界史上かつてなかった新しい地政学的状況にあることに気づいた」。しかし、「ブレジンスキーは決して楽観的ではなかった。地政学的な環境は移ろいやすいですから、アメリカの圧倒的地位が長く続くものではなく、もってもせいぜい一世代程度のものだろうと考えていたのです。そして、それまでの間に協調的な国際秩序を構築することにアメリカは全力を挙げるべきだと主張した」。「そのうえで、ブレジンスキーはアメリカがとるべき大戦略について、このように論じました。 まず、ユーラシア大陸の西側においては、ロシアの覇権を阻止すべく、EUとNATOを東方へ拡大し、この地域の最重要ポイントであるウクライナを西側陣営へと帰属させる。ロシアはこれに反発するだろうが、アメリカは「拡大西洋」とロシアの協調関係を形成し、ロシアを西洋化し、無害化すればよい、と。 次に、ユーラシア大陸の東側においては、日米同盟によって中国の領土的な野心を牽制しつつも、東アジアを安定化させる地域大国である中国とアメリカの協調関係を維持する。つまり、アメリカは、東アジアにおいて米中日の勢力均衡を保つバランサーの役割を演じるべきであると論じたのです。ちなみに、ブレジンスキーは、日本についてアメリカの「保護領」と語っていることも押さえておいたほうがいいでしょう。」。「ただ、もしこの大戦略が失敗したらどうなるか? ブレジンスキーが最悪の事態として恐れていたのは、ロシア、中国、イランの三大勢力が反米同盟を結成し、アメリカをユーラシア大陸から駆逐するというものでした。もしアメリカが、ユーラシア大陸から駆逐されれば、世界は無秩序状態に放り込まれる。これが、ブレジンスキーが最も恐れた事態だったんです。」。しかし、「アメリカが根本的に見誤っていたことがある」。「マッキンダーが設定したイギリスの戦略目標は、東ヨーロッパを制することではなく、ロシアやドイツが東ヨーロッパを制するのを阻止ことにありました。だから、東ヨーロッパはロシアとドイツが手を結ぶのを防ぐために緩衝地帯として位置付けられたんです。」。「ところが、ブレジンスキーは、20世紀末の世界においてアメリカが唯一無二のスーパーパワーになった時点で、アメリカが世界の支配者としての地位をできるだけ長く持続することを考えていました。そのため、マッキンダーの地政学が、他国に覇権を握られるのを阻止する「防衛的」なものだったのに対して、ブレジンスキーの地政学はアメリカによる世界支配を実現するための「積極的・攻撃的」なものだったんです。」。「「攻撃的」戦略で墓穴を掘ったアメリカ」との表題では、「そして、決定的だったのはイラク戦争です。2001年に九・一一テロが勃発すると、当時のジョージ・ブッシュ政権は「テロとの戦い」を掲げて、イラク戦争へと突き進んでいきました。さらには、中東諸国の民主化を企てるという途方もないプロジェクトに乗り出したわけです。 私は、2003年にイラク戦争が起こったときに、「これはまずい」と思いました。これで、アメリカの覇権国家としての寿命が縮まる、と。 アメリカがフセインを叩き潰すのは簡単かもしれないけれど、フセインがいることでなんとか均衡状態を保っていた中東は混乱を極めて、泥沼状態になるに違いない。そうなれば、アメリカはもっとはやく疲弊していくことになる」。「ところが、その頃、日本では、大多数の識者が「日米同盟が大事だから、イラク戦争賛成」などと言ってましたが、「バカな……」と思いました。アメリカの覇権が衰えれば、アメリカの一極体制で最も恩恵を受けていた日本が最もまずいことになります。本当はあのとき、日本は「日米同盟が大事だから、イラク戦争反対」と主張すべきだったんです。」、「中東は、イラク戦争や「アラブの春」によって勢力均衡が崩れ、サウジアラビアとイランが地域覇権を争うようになり、シリアの内戦は、サウジアラビアとイランの覇権戦争の代理戦争と化して泥沼化していったわけです。 しかも、イランの核開発問題、エジプトやトルコの政情不安、イスラエル・パレスチナ問題など、放置していては危険な課題が山積しています。その結果、オバマ政権はイラクから撤兵するとともに、経済成長著しい東アジアに世界戦略の軸足を移そうとしましたが、中東にも国力を振り向け続けざるを得なくなったんです。」。「そして、アメリカの戦略ミスで最も象徴的なのはウクライナ問題です。ブレジンスキーは、NATOの東方拡大によって、ウクライナまでをアメリカの勢力圏に収めることを目論みました。さらに、ロシアを西洋化し、無害化すればよい、とまで言ったんです。 その結果、どうなったか? 2014年に、ウクライナにおいて親ロシア政権に対する親ヨーロッパ派による政変が勃発した際、NATOの東方拡大を目論むアメリカは親ヨーロッパ派に加担しましたが、これに反発したロシアは、ウクライナに侵攻してクリミアを奪取しました。 もちろんロシアの行為は、ウクライナに対する事実上の侵略であり、アメリカやNATOが強く非難したように、国際法違反の疑いが濃厚ではあります。しかし、そんなことは、プーチンは百も承知のうえで行動に移したわけです。 もともとロシアは、NATOの東方拡大については、苦々しく思いつつも、ポーランドやバルト三国あたりまでは許容していました。しかし、ウクライナはロシアにとって黒海への玄関口にあたる安全保障上の要衝中の要衝です。ここを取られると、ナイフを喉元に突きつけられることになる。それを阻止しようとするのは、主権国家として当然のことでしょう。ロシアのウクライナ侵攻を誘発したのは、明らかにアメリカの攻撃的な東方拡大戦略だったのです。」。「ヘンリー・キッシンジャーが「西側諸国はウラジミール・プーチンのことを悪魔のごとく扱うが、そんなものは政策ではない。政策欠如の言い訳に過ぎない」と断じましたが、結局のところ、東ヨーロッパの現実を冷徹に見据えれば、ウクライナを西側陣営に組み入れようとするのではなく、ロシアとの間の中立地帯として、緩衝地帯におく「防衛的」な戦略が賢明だったということです。」。「結果として、アメリカにとって非常にまずい状況が生まれました。アメリカは、ロシアに軍事的に対抗する方針は早々に放棄して、経済制裁によって対抗しましたが、これがロシアが中国に接近する事態を招いたのです。」。2020年の時点で、すでに現在のウクライナ問題は明らかな米国の失策であったことが明かされている。
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