釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで16年8ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

タックス・ヘイヴン Tax Haven

2013-11-14 19:16:52 | 経済
今朝は釜石もついに-1度になった。雲はほとんどない素晴らしく晴れ上がった日になった。昼には12度まで上がり、風もありないため、昼休みにまた菅原神社のモミジのところへ行った。紅葉はちょうど見頃になっていた。ほんとうにこれほど綺麗な紅葉でありながら、人は誰も見に来ない。そのためか、神社への小道もまったく整備されていない。竹が何本も小道の上に伸びてしまっている。釜石では一番遅い紅葉を見せる八幡神社のモミジのところへも行ってみたが、やはりこちらは枝先がわずかに色付き始めているだけであった。 世界の年間総生産はおおよそ70兆ドル、日本円で約6860兆円になる。この世界の総生産の4分の1はタックス・ヘイヴンに存在するとされている。タックス・ヘイヴンでの預金総額は32兆ドル、3136兆円に上ると言われる。タックス・ヘイヴンは直訳すれば税天国であり、課税がごくわずかか、まったく課税されない国や地域を指す。大企業や資産家、闇の資金などに大いに利用されている。「ダブルアイリッシュ&ダッチサンドイッチ」と呼ばれる節税手法を1980年代にアップル社が生み出し、今やフェイスブック、アマゾン、グーグルなどのIT企業がこぞってこの手法を利用している。米国本社はアイルランドの子会社に海外でのビジネスライセンスを与える。この子会社は米国本社へはライセンス使用料を支払う。しかし、子会社は英国領であるバミューダー諸島の管理会社が管理する。そのため、アイルランドでの法人税はゼロとなる。バミューダー諸島は無税のタックス・ヘイヴンで知られる。さらにアイルランドの子会社はサブライセンスを同じアイルランドの別会社に与える。こにより、米国以外の事業収入はすべてこの別会社に集められる。また、この別会社はオランダの子会社にライセンス料を支払う。そして、オランダの子会社がアイルランドの子会社にライセンス料を支払う。アイルランドの別会社は直接アイルランドの子会社にライセンス料を払わないのはアイルランドからオランダへのライセンス料の支払いには、源泉税が徴収されないからだ。二国間で租税条約が定められているのだ。こうした手法は法的にはまったく問題がない。しかし、米国は巨額の税を失っている。今年6月1日、NHKは国税庁がタックス・ヘイヴンに財産を持つ日本人の情報を大量にオーストラリアの税務当局から提供されたことを報じた。日本銀行の調査によると、タックス・ヘイヴンである英国領ケイマン諸島だけで日本からの投資残高が昨年末で55兆円にもなっている。ケイマン諸島への米国からの投資残高は127兆円、英国は23兆円、フランスは20兆円、ドイツは17兆円となっている。三菱UFJフィナンシャルグループはケイマン諸島に三つの子会社を持ち、三井住友フィナンシャルグループは18の子会社を持つ。みずほフィナンシャルグループは27の子会社を持つ。いずれもが資金調達コストを下げるために子会社を置いたとするが、結果的に節税がなされている。世界には知られているだけで、30のタックス・ヘイヴンがあり、香港やスイスなども利用されている。大企業や資産家がこうした「節税」で税を免れる一方で、多くの個人は逃れる術を知らず、課税に喘ぐ状態に晒されようとしている。
菅原神社のモミジ 枝端は燃えるような紅だった

菅原神社のモミジ

菅原神社のモミジ