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釜石の日々

岩手県釜石市に移り住んで17年6ヶ月が過ぎ、三陸沿岸部の自然の豊かさに感動する毎日。

「誰も米国債を欲しがらない」

2023-12-01 19:17:21 | 社会
今日は朝も日中もわずかだが雪がちらついた。出勤時、職場のエレベータの中で、初めて釜石へ来たと言う人が、今日は雪で大変だと言った。釜石は雪が降ってもあまり積もらないので大丈夫ですよ、安心させてあげた。今日もまだ夏タイヤで、週末にタイヤを替える予定だ。雪は積もらなくとも、溶けた雪で朝晩は路面が凍る。 今朝の車の中のTVで、中国でマイコプラズマ肺炎やインフルエンザなどの感染症が3倍に増えたと大袈裟に報じていた。今年の2つの期間を比較したもので、例年中国では感染症がどうだったのかは示されていない。29日の米国Insider Paperは、「Mysterious child pneumonia cases rise in Europe as COVID-like surge continues in China: report(中国で新型コロナウイルス感染症のような急増が続く中、欧州でも謎の小児肺炎症例が増加:報告)」を報じている。中国はコロナワクチンが異なるので、詳細は不明だが、日本や欧米はmRNAワクチンを接種しており、それが免疫低下を引き起こすため、様々な感染症が増加するのは当然だ。帯状疱疹の異常な増加も同じだ。日本にはたくさんのmRNAワクチン製造工場が作られているので、今後も多くの感染症のワクチンがmRNAワクチンに置き換えられて行くだろう。現在、WHOのパンデミック条約を、メキシコ、フィリピン、エストニア、スロバキア、ニュージーランドが拒否している。日本は条約を推進することを表明しており、mRNAワクチン工場もたくさんあるため、今後、WHOの指示で、多くの感染症の置き換えられたmRNAワクチンの接種が義務付けられて行くことになる。米国国防省系メディアPOLITICOは、28日、 ‘We’re taking it out of hide’: Pentagon says it has no money for Middle East buildup(「秘密裏に搾り出している」: 国防総省、中東増強のための予算はないと発表) Under the temporary budget, funding is frozen at the previous year’s levels.(臨時予算では、資金は前年度の水準で凍結される。)」を報じた。米国はウクライナとイスラエルを支持しており、そのため本来は両国へ資金支援したい。しかし、政府財政が厳しい。日本は米国のATM化しており、日本とは直接は関係のないウクライナに対して、世界銀行がウクライナに融資する12億ドル(約1772億円)の保証を行っている。財政の厳しい米国に代わって保証する。これは実質的に日本が返済すると言うことになる。ウクライナはすでに財政破綻国家だ。28日の米国MSNは、「UAE officially stops using dollar for oil trades UAE(石油取引でのドル使用を正式に停止)」を報じた。UAEアラブ首長国連邦は、サウジアラビアと共に中東の貴重な親米国家であった。しかし、今年、BRICS正式加盟が決まり、米国ではなくBRICSを選んだ。そして今回のドル離れだ。29日、米国を拠点として世界に拠点を置く、ニュースメディアSemaforは、「Nobody wants U.S. Treasury bonds(誰も米国債を欲しがらない)」を報じた。記事はウォール・ストリート・ジャーナル紙に勤務したSemaforのビジネス・金融担当編集者、リズ・ホフマンLiz Hoffmanが書いている。

情況

誰も米国債を欲しがらない。

かつては米国の経済力の象徴であり、世界的な貨幣として受け入れられていた米国債は、納税者、投資家、金融市場に深刻な影響を及ぼし、大きく人気を失っている。

供給過剰と需要不足という経済の原動力が衝突し、米国債は南北戦争以来最悪の伸びを見せた。政府は財政赤字を補填するために借金を続けているが、かつては信頼出来た国債の買い手は国内外を問わず手を引いている。

その結果だ: その結果、投資家は2007年以来最も高い利回りを要求している。かつては日常的に行われていた新規国債の入札は、今ではひどい状況になっている。そして債券ポートフォリオは大打撃を受けている。最長期限の国債は、ドットコム不況よりもひどく、2008年とほぼ同じ弱気相場に入っている。

政府は予想以上の借り入れを行い、国債の供給を増やし、その価値を下げている。一方、連邦準備制度理事会(FRB)は保有する国債を売却し、国債を欲していない市場にさらに国債を投棄している。

ゴールドマン・サックスのジム・エスポジートは先週、「6ヶ月前と比べると、需要はかなり減っている。利回り5%以上の6ヶ月物国債が買える。利回り4¾%の長期債の代わりに、なぜそれを買わないのか?」と語った。

すでに米国の経済生産の2.5%が既存の債務の返済に充てられており、この数字は2030年までに4%に達すると予想するアナリストもいる。すでに巨額の赤字を垂れ流している財務省が、CHIPS法や学生ローン免除のような野心的な支出プログラムとともに利息を支払うには、借金を続けるしかない。

しかし、誰から?

かつては信頼できる国債の買い手だった中国と日本は、自国の通貨安を支えるために米国債を売却している。10年前は米国債の22%以上を保有していたが、現在は7%だ。

みずほ証券のチーフ・エコノミストであるスティーブ・リッキートは、ウクライナ戦争が東欧の買い手の需要を減退させていると指摘する。米国の原油生産が増加していることは、国債市場を通じて再投資される中東の石油資本が減少していることを意味する。

米国の銀行もまた、投資を控えている。

パンデミック(世界的大流行)の最中、銀行は新規預金を国債に大量に預けた。貸出需要は少なかった。現在、預金過剰は緩和され、企業は再び借り入れを行っている。

さらに、この春にシリコンバレー銀行を破綻させたのと同じように、多くの企業が国債のペーパーロス(含み損)を抱えており、さらに積み増すことに消極的だ。1320億ドルの含み損を抱えるバンク・オブ・アメリカは、今年に入り国債の半分を売却した。

リズの見解

多くの投資家は、国債を投資としてではなく、代替通貨として、金融市場内で使われるチャック・イ・チーズ・コインのようなものとして所有している。国債は現金と同じように使えると思われていた。

しかしここ数年、国債は試され、失敗した。

市場は2019年秋に一時的にブレイクし、その半年後のパンデミック初期に再びブレイクした。イングランド銀行が介入を余儀なくされた英国の年金基金におけるほぼ悲惨な危機の背後には、英国国債があった。

シリコンバレー銀行の破綻を引き起こしたのは、910億ドルの米国債の山だった。大手銀行は地方銀行の危機を、国債が儲からないだけでなく、安全でさえないことの証明と受け止めた。

財務省市場は世界で最も深く、流動性が高いはずであり、その円滑な機能は他の市場に深刻な影響を与える。例えば、3月初めに国債の乱高下に巻き込まれた(しかもレバレッジが大きい)ヘッジファンドは、売れるものは何でも売り、株の暴落を招いた。セーフ・ヘイブンは安全でなければ機能しない。

見解の相違の余地

リッキートは、市場を活気づける新たな国債需要源があると言う。ハイテク企業は大量の現金を抱え込んでいるし、中国の貿易黒字は公式発表の数字よりも3000億ドルも大きいと考える専門家もいる。

(ドイツの)バント市場や(イギリスの)ギルト市場に再投資していないのは明らかだ。

FRBが2%のインフレ目標を達成するのか、それとも3%に近づいて静かに終了するのかをめぐる議論である。

注目すべき記事
もちろん、債券暴落の後始末をするヘッジファンドもいる。- ブルームバーグ
米ハイテク大手は、金利上昇に伴い国債を数十億ドル売り越した。- ユーロファイナンス


巨大な下落
米国債暴落の過去の弱気相場との比較
青(現在)、緑(200年ドットコムバブル崩壊時)、黄(2008年リーマン・ショック時)の米国債下落

ドルを崩壊させ中国・ロシアを強化する米国

2023-09-09 19:13:02 | 社会
1944年、米国ブレトン・ウッズにおいて、連合国諸国が集まり、戦後の国際通貨体制を、英国に代わって大国となった米国通貨ドルを中心とすることを取り決め、金1オンスを35米ドルと交換可能とした。米国は世界の金の6割を保有していた。しかし、戦後の朝鮮戦争やベトナム戦争での軍事的支出や海外への経済援助で、ドルが流出し、1959年には、米国内保有のドル、75億ドルより海外保有のドル資産、91億ドルの方が多くなった。こうしたドルへの不安から、フランスはじめ欧州各国は米国に対してドルと金の交換を要求し、次第に米国の金は減少して行った。1971年、ついに当時の米国ニクソン大統領は、ドルと金の交換停止を発表した。いわゆるニクソン・ショックだ。金との交換が停止されたドルへの信用を維持するため、米国は1973年、サウジアラビアと「リヤド密約」を結んだ。石油の取引をすべてドルで行うと言うものだ。どの国もエネルギーとして石油を購入しなければならならず、その際にドルでしか購入出来なくなった。米国は世界最大の消費国であり、1980年代には財政赤字と経常収支赤字の、いわゆる「双子の赤字」が拡大し、以後もそれが続いて来た。本来、こうした国の通貨価値は低下する。通貨への信用を失うために、他国はそんな通貨を避けようとして、手放す。しかし、ドルがなければ石油が購入出来ない上、他製品の貿易もほとんどがドルで行われるようになっていたため、たとえ米国が双子の赤字となっていても、ドルを手に入れようとする流れは維持されて来た。価値が損なわれないドルは、米国自身にドルの増刷を許した。増刷され続けたドルは、今では国内に今年第2四半期で歴史始まって以来の巨大な債務に膨らんでしまった。非金融債務では州と自治体で3.26兆ドル、連邦政府で28兆ドル、家計で19.6兆ドル、企業で20.3兆ドルあり、このほかにも金融債務が20兆ドルある。ただし、金融債務についてはさらに金融商品デリバティブなど誰にもわからない部分もある。今日の米国ZeroHedgeは、「Slide In Consumer Credit Accelerates As Excess Savings Exhausted, Average Credit Card Rate Hits 22%(余剰貯蓄の枯渇で消費者信用の低下が加速、クレジットカードの平均金利は22%に達する)」を報じている。クレジットカードを使用する人たちへの信用が低下し、利用者の金利が22%にもなっている。昨日の英国著名経済紙The Financial Timesは、「Janet Yellen says China has ‘policy space’ to boost its economy(ジャネット・イエレン氏、中国には経済を押し上げる「政策的余地」があると発言)」を報じた。中国経済が崩壊すると西側メディアが報じているが、米国財務長官は「「中国の成長は時間の経過とともに減速すると見ている。とはいえ、中国にはこうした課題に対処するための政策余地がかなりあるので、状況を注視している」と述べた。 中国はこれまでのところ、大規模な財政刺激策や苦境にある不動産セクターの救済策を控えているが、信用回復の一環として基準貸付金利を引き下げている。」とあり、「シンガポール銀行のチーフエコノミスト、マンスール・モヒウディン氏は「人民元が新安値を更新している理由は、ドルが全面的に強く、PBoCの(人民元を支える)選択肢が限られているからだ」と述べた。」と書いている。「ドルが全面的に強」いのは、金利による。金利が米国より低い中国や日本は通貨が安くなるが、日本はそれが中国以上に極端になっている。日本はいまだにゼロ金利を維持しており、それが円安を加速させている。とは言え、米国は現在、2年債利回りが4.99% 10年債利回りが4.26%で、短期金利が長期金利を上回る逆転現象が起きている。目先に経済不安が迫っている時に起きる現象だ。短期国債を売り、長期国債の方へ移る。国債は買われれば価格があがり金利が下がる。売られればその逆になる。米国中央銀行総裁は、インフレを抑えるためには更なる金利引き上げもあると発言している。今日のZeroHedgeは、「Small US Banks Suffer Biggest Deposit Outflows Since SVB Crisis, Money-Market Inflows Soar(米国の小規模銀行、SVB危機以来最大の預金流出に見舞われる マネー市場への資金流入は急増)」も報じている。金利の上昇は債務があり体質の弱い小規模銀行は危うくさせるため、預金者はそうした銀行から預金を引き出しに走る。銀行危機もまだ終わっていない。米国金融メディアWatcher Guruは、7日、「BRICS: 21 Countries Officially Agree to Ditch the US Dollar in 2023(BRICS:21カ国が2023年の米ドル離脱に正式合意)」を載せた。2023年3月、ASEAN諸国連合は、国境を越えた取引に米ドルを使用しないことを決定した最初の国々だ。 東南アジア10カ国の首脳は、米ドルの使用をやめ、代わりに自国通貨を推進するという宣言に署名した。 さらに、BRICS連合は今年8月のサミットで、米ドルを使った国際貿易の決済を停止することで合意した。 BRICSは貿易に自国通貨を使用し、加盟国間で共通通貨を創設することも検討している。 貿易は既存の10カ国のブロック内で決済され、同盟外の他国とは行われない。 ASEANは10カ国からなり、BRICSは11カ国からなる。 合計21カ国が2023年に米ドルを捨てて世界貿易を行うことに正式に合意したのだ。以下は、米国Geopolitical Economy Reportによる3日の記事の訳を載せる。

Western sanctions failing: EU imports more Russian gas, China beats US tech war 
欧米の制裁は失敗: EUはロシアのガス輸入を増やし、中国は米国の技術戦争を打ち負かす
Western sanctions are backfiring: The EU is importing Russian liquified natural gas at record levels, and China is making high-tech chips despite US export restrictions.
欧米の制裁が裏目に出ている: EUはロシアの液化天然ガスを記録的な水準で輸入し、中国は米国の輸出規制にもかかわらずハイテクチップを製造している  

ワシントンとブリュッセルの経済戦争は、皮肉にも北京とモスクワの経済主権を強化する一方で、ヨーロッパに逆風を吹き込んでいる。

世界は新たな冷戦を生きている: 第二次冷戦である。そして、この戦争は経済的手段によって行われている。

制裁は経済戦争の主要な手段である。制裁措置が国連の支持を得ずに一国によって一方的に課される場合、それは「一方的強制措置」と呼ばれ、国際法上違法である。

世界人口の4分の1は、米国から一方的に制裁を受けた国に住んでいる。

米国とヨーロッパが制裁を加えた国は、世界のGDPの3分の1近くを占めている。

米国とヨーロッパの同盟国による制裁措置は近年急増している。

米国が制裁を加えている国の中には、地球上で最も強力な国の2つがある: 中国とロシアだ。

中国は、購買力平価(PPP)でGDPを測定した場合、世界最大の経済大国である。ロシアは世界第6位の経済大国である。

米国政府は、ユーラシアの大国の経済を妨害することが目的であることを明らかにしている。

しかし、ワシントンは失敗した。

中国は最先端の技術を開発し続け、ロシアは世界の商品大国としての役割をさらに強固にし、製造業を強化している。

この西側の経済戦争の失敗、さらには反撃は、一方的な制裁がベネズエラ、キューバ、シリアのような経済が発展していない小国には大きなダメージを与えることができ、またしばしばそうなる一方で、中国やロシアのような巨大な産業基盤を持つ大国にとっては、その経済が事実上「制裁するには大きすぎる」可能性があることを示している。

このような場合、欧米の制裁は短期的には経済的なダメージを与えるが、中長期的には、一方的な強制措置が経済的・技術的な主権を高めることで、実際にはターゲットを助けることになる。

これらの巨大なユーラシア経済は代替手段を見つけ、もはや欧米企業に依存することなく、独自のハイテク製造業を発展させ、生産プロセスにおける付加価値を高めている。

米国の制裁にもかかわらず技術的に進歩する中国


2021年、ジョー・バイデン米大統領は、中国が「世界の主要国、世界で最も裕福な国、世界で最も強力な国」になるのを阻止しなければならないと主張した。

同様に、ジーナ・ライモンド米商務長官は、ワシントンの目標は「中国の技術革新の速度を遅らせる」ことだと述べた。

中国経済、特にそのハイテク部門にダメージを与えるため、米国はドナルド・トランプ大統領のもとで始まり、ジョー・バイデン大統領のもとでも徹底的に超党派のキャンペーンを展開し、積極的な制裁を何度も課してきた。

しかし、これらの制裁は中国の技術的発展を妨げることは出来ず、北京は大きな前進を続けている。

中国企業のファーウェイは、先進的なチップ技術を搭載した携帯電話を開発した。同社の「Mate 60 Pro」は今年9月に市場に投入され、世界を席巻した。

Bloombergは、Mate 60 Proがファーウェイにとって初めて、北京の国有企業である国際半導体製造(SMIC)が製造した最先端技術、7ナノメートル・プロセッサーのKirin 9000sチップを採用した携帯電話であることを明らかにした。(訳註:その後Kirin 9000sチップ自体もファーウェイ製造であることが判明)

「北京は、その台頭を封じ込めようとする米国の努力を回避するため、全国的な推進を早々と進めている」と同メディアは述べている。

SMICとファーウェイはどちらも米国政府から制裁を受けている。

ワシントン・ポスト紙も同様に、「Mate 60 Proは中国の技術力における新たな高水準を示しており、中国がこのような技術的な飛躍を遂げるのを防ぐことを意図した米国の厳しい輸出規制にもかかわらず、内部に設計され中国で製造された先進的なチップを搭載している」と認めた。

同紙はさらに、この携帯電話の「発売は、米国の制裁が中国の重要な技術的進歩を阻止出来なかったと言う、ワシントンでのひそかな懸念に火をつけた」と付け加えた。このような進展は、米国のチップメーカーが警告した、制裁は中国を止めないが、米国の技術に代わるものを作る努力を倍加させるという警告を実現するようだ」。

ファーウェイは、ライモンド米商務長官が訪中した際にこの新型携帯電話を公開した。

欧州、制裁にもかかわらずロシア産液化天然ガスを過去最高水準で輸入


ロシアは地球上で最も制裁を受けている国のひとつである。米国と欧州連合(EU)は、ウクライナにおけるNATOの代理戦争をめぐって、このユーラシア大陸の国に何度も制裁を課して来た。

バイデン大統領は、この経済戦争によるワシントンの目標は、ロシアの通貨ルーブルを「瓦礫」に変えることだと明言した。

バイデン大統領は2022年3月、1ルーブルの価値が少なくとも一時的には1米ペニー以下になったと自慢した。

米国大統領はこう宣言した:
我々は歴史上最も重要な経済制裁パッケージを実施しており、ロシア経済に大きなダメージを与えている。
そのせいで、ロシア経済は率直に言って大打撃を受けた。プーチンが戦争を宣言して以来、ロシア・ルーブルは50%下落している。1ルーブルは今や米国の1ペニー以下の価値しかない。1ルーブルは1米国ペニー以下だ。そして(我々は)ロシアの中央銀行がルーブルを支え、その価値を維持するのを妨げている。今それをすることは出来ないだろう。我々はロシアの大手銀行を国際金融システムから切り離した。

バイデンは、ロシアには1億4千万人以上のロシア人が住んでおり、彼らは日常生活でルーブルを使っていること、賃金をルーブルで受け取っていることに触れなかった。

通貨を破壊しようとすることで、この西側の経済戦争はロシア政府とプーチンを傷つけただけでなく、1億4000万人以上の市民を含む国全体を傷つけている。

しかし、制裁は正確な手段ではない。西側諸国政府は常に、そして誤解を招くかもしれないが、制裁は個人を「対象とする」ものであり、「人道的免除」があるはずだと主張している。

制裁は経済戦争、集団懲罰の残忍な手段であり、しばしば深刻なダメージを与え、対象国に住む市民に大きな結果をもたらす。

例えば、ベネズエラでは、ドナルド・トランプ政権がフアン・グアイドーをクーデターさせようとした一環として、米国が南米諸国に課した違法な一方的制裁のために、少なくとも数万人、おそらく10万人以上の民間人が死亡していることが、主流派の専門家によって明らかにされた。

しかしロシアの場合、経済制裁は西側諸国が期待するほどのダメージを与えていない。

当初、ルーブルは他の通貨に対して大幅に下落したが、石油やその他の商品価格が上昇したことが主な理由で、すぐに反発した。ロシアは世界有数の石油、ガス、肥料、小麦の生産国である。

実際、制裁はロシア経済を瓦礫と化し、壊滅的な打撃を与えることに失敗しただけでなく、ヨーロッパにも裏目に出て、エネルギー危機を引き起こし、高水準のインフレを助長している。

その一方で、EUは記録的な量のロシア産液化天然ガス(LNG)を輸入している。

フィナンシャル・タイムズ紙によると、2023年の最初の7ヵ月間、EU加盟国のベルギーとスペインはロシア産LNGの第2位と第3位の購入国だった。これより多く購入したのは、ロシアの最も近い同盟国である中国だけだった。

フランスとオランダもロシア産LNGを大量に輸入している。

フィナンシャル・タイムズ紙は、「EUの超低温ガスの輸入は、2021年の同時期と比較して、今年1月から7月の間に40%増加した」と書いた。

同紙は、「EUはロシアからのパイプライン・ガスに依存していたため、ウクライナ戦争以前は大量のLNGを輸入していなかった」と付け加えた。

そのパイプライン・ガスはどうなったのか?ヨーロッパはボイコットを約束した。しかしさらに、ロシアとドイツを結ぶ最も重要なパイプラインの一部であるノルド・ストリームが、2022年9月に国際テロ行為によって爆破された。

誰がこの重要なエネルギーインフラを妨害したのかは不明だ。しかし、ピューリッツァー賞を受賞したジャーナリスト、シーモア・ハーシュは、それが米国政府であったと報告している。

そのため現在、EU加盟国は記録的なレベルでロシアのLNGを輸入している。皮肉なことに、EU加盟国は安いパイプライン・ガスに対して、以前よりもさらに高い金額を支払っているのだ。

フィナンシャル・タイムズ紙は、ヨーロッパが2023年1月から7月までにスポット市場でロシア産LNGを購入するために、およそ52億9000万ユーロを費やしたと報じている。

同紙は、「EU当局者は、2027年までにロシアの化石燃料を段階的に廃止する全体的な努力を指摘しているが、LNGの輸入を全面的に禁止することは、EUのガス価格が1メガワット時あたり300ユーロ以上という過去最高値を記録した昨年と同様のエネルギー危機を引き起こす危険性があると警告している」と指摘した。

ロシアは現在、ユーロ圏にLNGを輸出する第2位の国である。より多く販売しているのは米国だけである。

実際、欧州のエネルギー危機とロシアへの制裁により、2022年には米国が世界最大の液化天然ガス輸出国になった(カタールと同数)。

ヨーロッパの経済が苦しむ一方で、米国企業は利益を得ているわけだ。

同時に、西側の同盟国であるインドは、記録的な量のロシア産原油を市場価格よりも安く購入し、その原油を精製してヨーロッパに高値で販売している。

ヨーロッパは制裁のためにロシア産原油を直接買うことを拒否しているため、インドはロシア産原油をヨーロッパに売って大儲けしているのだ。

この自滅的な制裁政策は、ヨーロッパにエネルギー危機を煽り、経済を不況に追い込み、猛スピードで工業化を阻害している。

平均的な労働者はこの経済的苦痛の重荷を背負っている。

ユーロ圏の労働者の実質賃金は、2020年から2022年まで6.5%減少した。


米国非金融部門債務(青:企業債務、緑:政府国債債務、赤:家計)

集団ワクチン接種が「スーパー C-19」を生み出す

2022-07-06 19:14:46 | 社会
今朝は宮城県沖の地震だったが、釜石は久しぶりに震度4であった。いつもより少し長く揺れた。朝まで雨が降り、その後は曇天で、最高気温は26度。今日は風があまりなく、少し蒸し暑さを感じた。西日本では豪雨があったが、バングラディッシュは大洪水になっている。昨日の東京は先週の2倍の感染者数となったが、岩手県も6月18日の117人の100人超えを最後に減少していたが、今月3日再び103人まで増え、昨日は124人となった。武漢株ワクチンを3度も、4度も接種しているので、今後、爆発的に増えて行くだろう。ワクチンの抗原原罪と免疫抑制で、オミクロンBA.4、BA.5にはワクチン接種者の方が感染しやすくなる。すでにワクチン先行国の台湾でもそれが示されている。東京都の年齢別感染者数の推移を見ると、ワクチン接種が行われていない10歳未満の子供は、3月33%、4月30%、5月27%、6月25%、7月23%(小数点第1位以下四捨五入)と、感染者に占める比率が減少している。ワクチンが有効ならば、むしろ増加するはずだが。4日夕方のテレ朝ニュースでは、アドバイザリーボードの国立感染症研究所長脇田隆字所長は、「BA5起き変わりで、先週より20/30代の若者の感染者が増えてきた」、「 3回目接種の免疫が落ちてきた為注意が必要」と述べている。また、同じ日のTwitterでは、8割おじさんの京都大学西浦博教授は、イスラエルと米国の研究者による学術誌The New England Journal of Medicine、先月22日掲載の論文「Neutralization Escape by SARS-CoV-2 Omicron Subvariants BA.2.12.1, BA.4, and BA.5 SARS-CoV-2 Omicron(亜種BA.2.12.1、BA.4、BA.5による中和エスケープ)」を引用して、「予防接種歴と自然感染歴で対BA.5中和抗体価に違いがあり、予防接種が主で防がれてきた高齢国ポルトガルは自然感染が主であった南アよりも多数の死亡を確認。予防接種による免疫が主である高齢国でBA.5大規模流行の場合のリスクを考えると相当の潜在リスクがあると考えられる。」とツィートしたが、ワクチン否定を認めたかのようなツィートと見られたのか、即座に、「反ワクチン、うるさい。ワクチンにデメリットがあるなんてことは一切言ってないぞ。」と、感情的なツィートを書き込んでいる。昨日英国のサジード・ジャビッドSajid Javid保健社会福祉省長官は、自身のTwitterに、「私は首相に、健康・社会保障担当国務長官の辞任を申し出ています。この職務を務めることは大変な特権でしたが、良心に照らしてこれ以上続けることができないことを残念に思います。」と書いている。「良心に照らしてこれ以上続けることができない」そうだ。2日のオーストリアの主要メディアThe Spectatorには、「Vanishing vaccine mandates(消えるワクチン義務化) No apology from our once-so-zealous public health officials(かつて熱狂的だった公衆衛生担当者の謝罪はない)」が掲載された。先週、オーストラリアでは、何の説明もなく、「ワクチン接種の義務付けが大幅に縮小された。」。変更の理由の一つの可能性として、「6月にNew England Journal of Medicine誌に発表された570万人を対象としたイスラエルの研究によると、ワクチン未接種の人が感染によって免疫を獲得した場合、2回接種した人よりもはるかにコビドから保護されることがわかったのである。また、この研究では、重症コビドを発症した症例は決定的と言えるほど多くはありませんでしたが、ワクチン未接種の人でも自然免疫を持っている人は重症コビドからよく守られていることが示された。」ことが関係しているかも知れないとある。「また、死亡率が過去最高を更新し続けている理由も、このことが関係しているかもしれない。3月の超過死亡数は、過去の基準値を依然として10%近く上回っており、今年1〜3月の死亡数は、過去の平均を17.5%上回っている。 この壮大な公衆衛生の失敗は、Covid-19の早期治療の教訓を聞き入れなかったことによって、さらに悪化したことは間違いない。」、インドのウッタル・プラデーシュ州を引き合いに出し、「オーストラリアとの対比は、これ以上ないほど鮮烈である。オーストラリアの公衆衛生担当者は、ウッタル・プラデーシュ州がイベルメクチンを含む多剤併用療法で成功したという証拠を無視するだけでは満足せず、TGAは世界のどの国よりも進んで、2021年9月10日にコビド治療へのイベルメクチンの使用を禁じた。」。米国と同じく「残念ながら、オーストラリアの公衆衛生当局も、公的な公衆衛生政策を批判する医師を迫害するという同じ方針をとっていた。」と書いている。先月22日の欧州のオーストリアのメディアWOCHENBLICKは、「Jetzt drohen Strafen bis zu (14.000 Euro!最大14,000ユーロの罰金が迫っている) Haftungshammer: Gesundheitsminister bestätigt – Ärzte bei Impfschäden verantwortlich(責任追及のハンマー:厚労相が確認-予防接種被害は医師の責任)」で、ワクチンによる副作用の責任はワクチン接種を担当した医師にあると、議会で厚生労働大臣が答えたことを報じた。十分なワクチンの副作用の説明をした上で、接種しなければならいからだと言う。今月1日のREUTERSは、「FDA will not require clinical trial data to authorize redesigned COVID boosters -official (FDAは、再設計されたCOVIDブースターを認可するために臨床試験データを要求しない -公式)」で、「米食品医薬品局(FDA)は、オミクロンのBA.4とBA.5を防ぐために改良したCOVID-19ワクチンに関する臨床試験データの提出を企業に要求せず、これらの接種を認可する予定だと、FDA幹部が24日に明らかにした。  FDAの生物製剤評価研究センターの責任者であるピーター・マークス博士はロイターに対し、FDAは秋までに緊急使用認可を申請する際には、製造データと同様にBA.1系統に対抗するためにワクチンメーカーが実施した臨床試験データに依存すると語った。」と伝えている。オミクロンのBA.4とBA.5用の改良されたワクチンでは、臨床試験データは必要ないとFDAが決めた。米国では、生後6ヶ月の乳児にまでワクチンを接種する。中米のウルグアイでは、「Juez intimó al gobierno y a Pfizer a que presenten en 48 horas toda la información sobre las vacunas contra el covid-19(判事は政府とファイザー社に対し、コビド19ワクチンに関するすべての情報を48時間以内に提出するよう命じた)」(EL OBSERVADOR 7月02日)。現在、世界ではワクチン接種後の出生率の低下が問題になっている。スウェーデンの出生率は、ワクチン接種の増加とともに毎月急激に低下し、ハンガリーでは、ワクチン接種率の最も高い郡で出生率の低下が最悪となり、ワクチンの大規模接種が始まってからわずか9ヶ月後に出生率が20%も低下した。ドイツでは、2019年から2020年の平均と比較して、2021年から2022年の終わりにかけて死産が大幅に増加し、12月のピークでは25%増加している。台湾でも出生率は23%低下しているが、台湾は5才~11才の子供達のワクチンの接種率が75.1%にもなり、心筋炎等の副反応も深刻になっている。米国はワクチン推進でも最先鋒だが、いくつかの国では、このワクチンの異常に気付き始めて来ているようだ。ワクチンは自然免疫を損なうだけでなく、卵巣や精巣を障害し、精子数を減少させることも明らかとなっている。ワクチン開発の権威で、ウイルス研究者であるドイツのギアート・ヴァンデン・ボッシェGeert Vanden Bossche博士は、4日のVoices for Science and solidarityで、「The immuno-epidemiological consequences of the mass vaccination experiment - summary(集団予防接種実験がもたらした免疫疫学的影響-まとめ)」と題して、「現在のSC-2パンデミックは、「より感染力の強い」変異型のパンデミックであるため、ワクチン接種者の感染感受性を高め(感染増強抗体)、ワクチン未接種者の感受性を低下させる(感染による自然細胞性免疫の訓練)ことで今も拡大中である。」とし、「これらの新しいパンデミックが発生する一方で、私が警告してきたスーパーC-19パンデミックは間もなくやってきます。高度にワクチン接種を受けた国々では、間違いなく上記のパンデミックをオーバーホールすることになる。なぜなら、SC-2に対する「自然感染で獲得した」免疫が「不完全な」ワクチン誘導免疫に大量に置き換わることが、現在、ワクチン接種率の高い国々でC-19パンデミックの進化を促しているからである。」と書いている。「スーパーC-19パンデミックは間もなく」やって来るのだ。
シオカラトンボ

企業によって動く政治

2021-07-03 19:12:46 | 社会
関東ではたくさんの雨が降ったようだが、釜石は曇天や霧雨が降る程度で、幸運である。庭では桔梗や車百合が咲いて来ている。今月末には紫波町の光圓寺のハスの花も咲くだろう。ハスの花は夏の炎天下で咲くので、出かけるのも少し億劫になるが、人がいないので、ゆっくり見ていられる。これも岩手の良さの一つだ。岩手にはあまり知られていない見事な花が咲くところがいくつもあり、ほとんどいつも一人でゆっくり見ることが出来る。もう7月に入ったと言うのに、今日も気温は21度くらいで、動かないでいると室内でも半袖だと少し寒ささえ感じたため、長袖に変えた。今日もやはり山背が関係しているのだろう。北からの寒気と南からの暖気がぶつかり山背をもたらす。その北の寒気は釧路あたりで冷たい霧を生じさせる。釜石に来てようやくその原因を知った。 第2次世界大戦後に米国で大統領に就任したアイゼンハワーは、大戦の終わりに欧州での連合軍の最高司令官としてノルマンジー上陸作戦なども指揮した人物である。その軍人であったアイゼンハワーが大統領退任演説で、巨大化する軍産複合体への警告を発した。しかし、巨大化はその後もますます加速した。そして、巨大化したのは軍産複合体だけではなかった。1980年代からの新自由主義は金融やIT、製薬などでもグローバルな企業を生み出し、政治を大きく変えて来た。自由と民主主義を掲げる米国も国民のための国家ではなく、巨大企業のための国家に変容してしまった。同じ新自由主義を取り入れた英国や日本も同様である。政府は法人税を引き下げ、企業はさらにケイマン諸島のようなタックスヘイブン(税回避地)の利用に走り、コスト削減に賃金を削って来た。それが非正規雇用採用の目的である。2019年12月から始まったコロナ禍では、陰謀などとは思わないが、少なくとも製薬企業、特にワクチンメーカーが遺伝子ワクチンをそれまでに準備して来ていたことだけは事実だろう。米国ではこの新型コロナウイルスワクチン以前から既にワクチンメーカーはワクチンの副反応や有害事象に対する免責を受けている。日本では今回の新型コロナウイルスワクチンで初めてワクチンメーカーの免責を認めた。しかし、政府が企業の免責を認めれば、一層、ワクチンの副反応や有害事象に対して因果関係を認めようとしなくなる。米国では先月25日時点で、ワクチン接種後の死者数は6985人、日本では先月18日時点での死者は356人となったが、日米とも1例もワクチンとの因果関係を認めていない。NHKの「新型コロナウイルス」特設サイトの「ワクチンQ&A」を見ると、「また、厚生労働省の専門部会の資料によりますと、2019年から2020年にかけてのシーズンに医療機関から報告されたインフルエンザのワクチンの副反応が疑われたケースで重篤だったのは93件で、このうち5人が死亡したということです。」と書かれている。􏲐􏱡􏴋􏱻􏲙􏱡􏴋􏰰􏲐􏲏昨年4月30日時点での2019年から2020年にかけてのシーズンのインフルエンザワクチン接種者数の推定値は5649万6000人である。一方、先月18日時点の新型コロナウイルスワクチン接種者はその半数ほどである。にもかかわらず接種後の死者数はインフルエンザを遥かに上回る356人である。同じ煩雑な様式で報告されている。一切の責任を負うことになった政府は決して因果関係を認めない。過去の多くの薬害がそうであったように、政府の責任を問う裁判が仮に起こされても長期に渡る争いとなるのだろう。上位の裁判所ほど政府寄りの判決を出して来た過去もある。ワクチンの詳細な情報が全く開示されず、治験さえもが現在進行形の異例のワクチンで、接種はあくまで自己責任となっている。一般人には何を拠り所に判断するのか分からないままの政府推進によるワクチン接種である。それでいて、日本で開発されたイベルメクチンがインドやメキシコ、アフリカの31か国などで感染を抑えている事実を無視して、イベルメクチンの有効性を訴える動画や記事がFaceBookやYouTubeなどのSNSで次々に削除されている。これは米国でも同じである。米国企業が開発したSNSでは検閲が日常となっている。自由に意見表明出来る場であったネットさえもが検閲・削除される実態が現在の「自由主義」国である。ワクチンだけが正義であり、今後も変異ごとに追加のワクチン接種が求められて行く。検査を抑制し早期発見・早期治療の医療の大原則をはじめから無視して来た日本では、同じくオリンピックでも水際対策に始まって、関係者やボランティアまで「対策」が非科学的に終始しており、第5波の自覚も全くなく、ただひたすら開催にむけて邁進するだけである。ワクチンさえ打てば問題ないとの姿勢であるが、英国公衆衛生庁が6月25日に公表した2021/2/1~6/21の期間のデルタ株(インド型)の感染者のデータ(SARS-CoV-2 variants of concern and variants under investigation in England Technical briefing 17 )によれば、デルタ株感染者のうちワクチン接種完了者が7235人、未接種者が5万3822人で、陽性後28日以内に死亡した人はワクチン2回接種者で50人、未接種者で44人であった。しかもワクチン1回接種後21日未満1人、21日以後19人がさらに死亡している。死亡率がどちらが高いかは明らかだろう。疑問の多いワクチンもワクチン推進組織にいたWHOの事務局長やワクチン特許を保有する米国国立アレルギー・感染症研究所アンソニー・ファウチAnthony Stephen Fauci所長などにより接種が推し進められている。被害が出ても誰も責任は負わない体制が出来ている。
車百合

「人権」は政治の道具でしかない

2021-04-17 19:12:45 | 社会
娘と息子には米国人の友人がたくさんいて、息子は米国の友人のところで長く世話にもなっていた。自分も高校時代に、米国に憧れ、英会話を習得するために米国人牧師のいる教会へも通った。米国の風土や個別の米国人は無論嫌いではない。しかし、米国の強引な政治や経済手法は歓迎出来ないところがある。米国には以前から「人権」を政治利用する体質があり、現在も中国のウイグル自治区の人権を盾に、中国を攻撃している。中国は広大な国土に56もの民族がいて、92%が漢民族だ。次いで多いのが1500万人を超えるチワン族がいて、人口が500万を超すかそれに近いのは他に満州族、回族、イー族、ミャオ族、ヴィグル族、トウチャ族、チベット族、モンゴル族がいる。漢民族以外の民族と漢民族の関わりには長い中国の歴史がある。米国は以前はウイグル族問題ではなく、チベット族問題を外交に利用していた。現在、日本の首相は米国で大統領と会談中だが、日本にもウイグル問題で米国と同調するよう求められている。解決されていない「人権」問題は日本、米国それぞれ国内にもある。日本だと沖縄や福島の人々の人権や、「研修生」と言う名の低賃金労働の外国人労働者の賃金や雇用問題、出入国在留管理局での原因不明とされるスリランカ人の死亡に見られるような考えられない人権無視など山積みである。米国には個人が所有する銃が3億丁あり、世界の半数を占め、世界人口の5%である人口3億3000万人を考えれば、いかに異常な数か分かる。先月13日にはジョージア州で8人が射殺され、22日にはコロラド州で10人が、31日にはカリフォルニア州で4人がそれぞれ射殺された。最近起きた80件の乱射事件の4分の1の銃はAR15型と言う半自動小銃である。2017年のラスベガスでの事件では、この銃をいくつも所持した男により、10分間で60人が射殺され、411人が負傷した。先月29日などイリノイ州で13歳の少年が警官に射殺されている。コロナ禍ではアジア系の人々への暴力も多発している。日本には対米従属ではなく、独自の外交を進めてもらいたいが、劣化した政治には無理な注文でしかない。無策のまま何度も新型コロナウイルス感染の波を繰り返して来た。今年1月28日にロイター通信は、オーストラリアのシンクタンク、ロウイー研究所LOWY INSTITUTEの「COVIDパフォーマンスインデックス」を伝えた。同研究所の1月9日集計分である。各国の新型コロナウイルス対策の有効性を指数化したものだ。この時、日本は98カ国・地域中45位で、ニュージーランドがトップ、ベトナムが2位、台湾が3位。タイが4位。次にキプロス、ルワンダ、アイスランド、オーストラリア、ラトビア、10位スリランカと続き、英国66位、インド86位、米国94位となっていた。その後の分析結果は、メディアがほとんど伝えていないが、直接研究所のHPを見ると、3月13日集計分が公表されている。日本は48位にランクダウンしており、米国も96位となっている。ちなみにワクチン接種で世界トップのイスラエルは61位である。対象国・地域は102となった。上位10はブータン、ニュージーランド、台湾、タイ、キプロス、アイスランド、ルワンダ、ラトビア、オーストラリア、エストニアとなっていて、アジアでは11位にスリランカ、14位シンガポール、17位マレーシア、21位韓国、24位ミャンマーなどが並んでいる。日本のすぐ上位にはケニア、エチオピア、カザフスタン、バーレン、アイルランド、ジンバブエなどが並ぶ。つまり日本の対策はこれらの国よりも劣っていると言うことだ。アジアでも最悪の部類だろう。中国は研究所が必要とするデータが一部で得られないために除外されている。1月の時点で、同研究所は「経済の発展状況や政治制度の違いは、対策の効果に影響を与えるとされる場合が多いが、結果にそれほど大きな影響はなかった」、「一般的に、人口が少なく、まとまりのある社会、有能な制度を持つ国が、パンデミックのような世界的な危機に対処する上で比較的有利だ」と指摘している。明確には述べられていないが、やはり感染は国外から流入するものであり、いわゆる水際対策が最重要であったのだ。ニュージーランドは昨年3月19日に、オーストラリアは翌日20日から現在まで自国民及び永住者とその近親者以外は全て入国禁止とした。今月19日からようやくオーストラリアとニュージーランドの間で、入国後の隔離を免除した往来が開始されることになった。両国はとても厳し水際対策を取っていた。昨日は新規感染者がオーストラリア14人とニュージーランド0人である。イスラエルは202人であった。日本が最初に水際対策を取ったのは昨年4月3日の午前0時から実施された「全世界からの入国者に2週間の待機要請」であり、監視もされないただの待機であった。しかも空港での検査が7月29日からは、PCR検査から精度の低い抗原検査にわざわざ変更された。12月24日からは変異型が発生した英国からの入国は日本人だけになったが、既に空港に到着の5人から変異型が検出されたことが25日には明らかになった。このため12月26日には「11の国と地域で実施しているビジネス関係者の往来」を除く外国人の新規入国を28日から1月末まで停止すると発表された。しかし、変異型が次々に検出されたために、1月13日午前0時以降は、11の国と地域で実施しているビジネス関係者らの往来をも停止することを決めた。それが先月12日からは日本人と再入国者を含めた入国者数を1日平均2000人に緩和された。相変わらず監視のない待機と実質的に自由移動可能な状態と抗原検査である。やっているふりだけの水際対策であり、オーストラリアやニュージランドの入国制限の厳しさとは比べ物にならない。結局はコロナ対策でも日本人は人権が守られておらず、命の危険と後遺症に直面させられている。
寒緋桜

国家戦略のワクチン

2020-11-30 19:19:19 | 社会
米国での新型コロナウイルス感染者数は1375万人を超え、死者は27万3000人を超えた。米国のCDC疾病予防管理センターによれば、2019年から2020年のシーズンのインフルエンザ感染者数は3800万人で、1800万人が医療施設で診察を受け、40万人が入院、2万2000人が死亡している。米国では医療保険に加入していないと、インフルエンザでも極めて高額の診療費を請求されるため、感染者数はさらに多い可能性がある。米国の過去10年で、インフルエンザによる死者数が最も多かったのは2017年から2018年にかけてのシーズンの6万1000人である。日本ではコロナ感染であれば、医療費は国から出るため、コロナ感染関係の数値が多少増える可能性はあるが、米国も補助金の関係でやはりコロナ感染とされるケースが増えることは考えられる。しかし、それでも実際の感染者が多いことは間違いない。日本でも米国でも感染者や死者が見落とされている場合がある。岩手県のような地方でも、心肺停止寸前で運び込まれ、死亡後に念のためにPCR検査をして陽性であった人がいた。たまたま検査をしたから感染が分かった例である。軽症や無症状、急変などで見過ごされている例は予想以上に多いのかも知れない。PCR検査を制限したまま、「GO TO」キャンペーンの多くを継続する日本では、いずれ1日の感染者が5000人を超えると考えていたが、癌遺伝子治療の東京大学・シカゴ大学中村祐輔名誉教授は、最近の自身のブログで、「このまま放置して、厳しい措置をしなければ単純計算で年内にも国内1日10,000人を超える可能性も考えられる。」と書かれている。感染者数、死者数世界一の米国さえ、感謝祭で連休中に数百万人が移動したため、「全50州で同時に自然災害が起きているような状況だ。十分なベッドもなければスタッフも足りない。国家的な備えが欠如しているために、まだ供給も不十分だ」とブラウン大学の専門家で救急医のミーガン・レニー氏が米国メディアCNNに語っている。米国ほどではないが、日本でも週末は各地で人出が多く見られていた。今日の英国BBCは、米国のNIAID国立アレルギー感染症研究所アンソニー・ファウチ所長の昨日発した「こんご数週間で新規感染が「急増に次ぐ急増」となる」との警告を伝えている。新型コロナウイルスに感染したミンクは、オランダやデンマーク、イタリアなど7カ国で確認されているが、米国でもユタとミシガン、ウィスコンシンの3州に続いてオレゴン州のミンク農場でもミンクや作業員の間で新型コロナウイルスの感染が見られた。米国のCDCや農務省は「動物が新型コロナウイルスを人間に感染させるうえで大きな役割を果たしているとの証拠は見つかっていない」とするが、危険性があるために殺処分されているのではないか。日本では感染が拡大していてもなお、人の移動を促す「GO TO」キャンペーンが停止されていない。空港検疫の緩和にしてもまるでオリンピック に向けての実験を行なっているようだ。昨日の東洋経済ONLINEは「日本が「ワクチン開発競争に負けた」納得の理由 あまりに鈍感すぎたこの国の感染症対策」と題するニューズウィーク日本語版ウェブ編集部による記事を載せているが、そこでも「健康被害の賠償責任を免じることでより多くの供給を海外製薬企業から引き出す、という内容は、来夏の五輪に向け地ならしを急ぐ政府の観測気球と見えた。」と書かれている。記事によれば、日本が新型コロナワクチンの開発に遅れを取ったのは、国の安全保障への姿勢の違いによると言う。米国では派兵地で感染症が起きたらすぐに兵士に接種させるために、mRNAワクチンが、軍が関与して多額の補助金を出し、開発されて来たと言う。そこへ、新型コロナウイルス感染が発生した今年は、米国製薬企業モデルナだけで、保健福祉省の生物医学先端研究開発局(BARDA)経由で9億5500万ドルの補助金が出されている。ワクチンはワクチン同盟が形作られるほどに、国家戦略的なものでもある。日本も2009年に新型インフルエンザ 感染の危機に直面し、一時的には、ワクチン開発体制の重要性が認識されたが、結局は政治家によりその後無視されて来たようだ。いずれにしてもワクチンに関しては、慎重でなければならない。特に海外のワクチンはこれまでにない遺伝子操作による開発であり、従来のワクチン開発のような長期の治験が行われていない。国産ワクチンでも、旧来の不活化ワクチンを開発しているのは明治HD傘下のKMバイオロジクスの開発しているワクチンだけである。日本政府が契約する遺伝子操作の米国ワクチンや英国ワクチンは早く入手は出来るが、日本人での治験ではなく、長期の副作用についても不明である。新型コロナウイルス感染での危険を避けるためのワクチンで別の危険を抱えると言う矛盾に陥る可能性もある。政府のオリンピックありき、が全てのコロナ対策を、また、経済対策をも歪めてしまっている。