4月21日、朝8時半頃、1年2組の教室の前を歩いていると「みんな、静かにしよう。」と声が聞こえて来ました。びっくりして教室をのぞいてしまいました。みんなに静かにしようと呼びかけていたのが教員ではなくなんと1年生だったからです。朝の会を始めようと担任が前に立つや、いち早く気付いた子たちがまわりの皆に呼びかけたのです。この時、子どもたちは全員がすでに着席して特別騒がしくしていたわけではありません。それでも、朝の会が始まるから皆できちんとしよう。気持ちを切り替えようと意識したのでしょう。念のために繰り返しますが、1年生です。
じつは皆に呼びかける子どもたちの声、今日初めて聞いたわけではないのです。一昨日にも同じ言葉を耳にして驚かされました。おそらくあるタイミングでそうした行動をした子を担任が褒めたのでしょう。それがまわりの子たちにも広がったのだろうと思います。こうしなさいと注意を繰り返すよりも、望ましい行動をしている子を褒める方がより気持ち良く早く子どもたちに定着していきます。
さて、今日は5時間目しか授業を見るチャンスがありませんでした。朝私を驚かせた1年生が午後はどうしているだろう、疲れていないだろうかと気になり、教室へ向かいました。2組では国語でこれまで取り組んだ4枚の平仮名のワークシートを順に返却していました。ここでまた驚きました。担任から1人に3枚ずつシートが渡されると、名前を見て、その持ち主の子の所まで行って手渡していたのです。2組では平仮名の学習はまだわずか3文字(く、つ、し)だけです。にもかかわらず、記名を見て誰のワークシートなのか読めている。しかも、その名前が学級の中の誰であるのかが分かっているのです。学校生活12日目ですが、クラスメイトの名前と顔が分かっていることに正直驚きました。
その後、4文字目の「こ」を練習しました。私も一人一人を見てまわりました。ワークシートに「こ」を8回書きます。8文字の中でもとびきり形よく書けている文字を指差して「上手に書けてますね〜!」と褒めると、うれしそうな表情を見せ、次の瞬間には私が指差さなかった文字を消して書き直す子がたくさんいました。子どもたち自身がもっと形よく上手に書きたい、書けそうだと気付いたのでしょう。感動しました。
1組の教室でも同じ平仮名の学習をしていました。6文字目の「あ」でした。「く」「つ」「し」「こ」「い」を学習してきましたが、今回はこれまでよりもかなりハードルの高いことがおわかりいただけるでしょう。平仮名の学習では1マスを上下左右の4つの部屋に分け、始筆がどの部屋からで、どこへ向かっているかに注目させます。「あ」の1画目は3の部屋から1の部屋に向かっています。まずは担任がお手本を書きました。一瞬、私もだまされました。担任の書いた1画目のお手本は微妙に右下がりだったのです。担任が「先生の書いたの上手?」と子どもたちに問いかけると何人もの子が「ちょっとちがう。」と手を挙げました。わざとだったことが分かりホッとしました。担任は再度1画目を書きましたが、今度はやや長めの横画でした。今度は私もだまされませんでした。子どもたちから「ちょっと長い。」と声が上がりました。こうして1画1画、確認した後、子どもたちは「あ」を8回練習していきました。正直言って、見て「あ」と読める時点でこの時期、合格!と私は思ってしまいましたが、子どもたち自身が何度も消しては書き直して納得のいくまで頑張っていて、やはり感動してしまいました。
8時半過ぎから学習を始めて給食後の5時間目の学習でもこうして頑張っている1年生、素晴らしいです。
【校長:菅原】