24日、6年生の校外学習に出かけました。目的地は、TGG(東京グローバルゲイトウェイ)と国会議事堂です。
TGGではこれまで学習してきた英語を使っていくつかのプログラムに挑戦する体験活動をしました。7人ずつのグループに分かれて活動していきますが、そこにエージェント(英語が母国語のネイティブ)が一人つき、子どもたちは英語とジェスチャーを駆使してやり取りしていきます。施設内では、私たち教員は子どもたちに関わることは原則できません。教師を頼らない状況をつくることで子どもたちが自分たちの力で、あるいはエージェントを頼りに何とかしていくことをねらっています。プログラムはどれもリアルで実践的なものばかり。外国語を学ぶ上で大切な目的・場面・状況がしっかりと整えてありました。
まずは自己紹介をし合い、仲良くなる(チームとしての関係を築く)ためのゲームをしました。もちろん英語を使ってです。初めのうちは恥ずかしそうにしていた子もいましたが、徐々に慣れていきました。 エージェントの方も連日たくさんの子どもたちと関わっていますので一人一人の様子に合わせて明るく対応してくれていました。
1組の3グループは「トラベルゾーンでのプログラム」と「プログラミング体験」、2組が「トラベルゾーンでの活動」と「橋を制作して強度を競おう」でした。
私はトラベルゾーンにある3つのお店で行われていたプログラムの様子を見ました。「Quick Bite(軽食屋)」と「Pharmacy(薬局)」「Travel(旅行社)」でした。軽食屋では一人一人がエージェントから渡されたカードにある食べ物を2つ注文していきます。ホットドッグやピザ、オニオンリング、フレンチポテトなどなど。種類や大きさなどを聞かれることもあり必死にやり取りをしてお店のスタッフ(もちろんネイティブの方)に伝えていました。
薬局も同様でした。薬だけでなく日用雑貨も取り揃えてありました。旅行会社では旅先で何をしたいのか、どこで過ごしたいのかなどを伝えて決めていくというミッションでした。島で釣りをしたい。買い物をしたいなど、自分の希望を伝えるやり取りのようでした。
いずれも、子どもたちに成功体験を味わわせることが目的でもあります。何とか欲しい物を伝えられて皆うれしそうな様子でした。エージェントからもお店のスタッフからも何度も「amazing !」「wonderful !」「fantastic !」と褒められていました。
「橋を制作して強度を競おう」はclay(粘土)とstick(棒)を使って3つのデザインの橋を作り、強度をグループ対戦する活動でした。粘土を丸めて棒をつなぎ、キューブ型やプリズム型、ピラミッド型にし、さらにそれをいくつもつないで橋にします。橋が出来上がると中央におもりを付けていき何gまで耐えられるかを調べていきました。
「プログラミング体験」もやはりグループ対戦です。遠くから見ていたので細かなところまでは分かりませんが、ロボットに絵を描かせるプログラムをグループで作っていき、より高度な絵をロボットに描かせられるよう競い合いました。
橋作りとプログラミング体験はどちらもチームで一つの目標に向かって活動していくミッションです。活動の中でエージェントが英語でどんどん話しかけていき、子どもたちも英語とジェスチャーで応答していきました。単語だけでも伝わった!と言う子どもたちもいました。学校の授業で指導にあたるアドバイザーもそうですが、単語だけでやり取りしようとする子にも「フレーズで話しましょう。」と指導することはありません。単語だけでも伝えようとしたことを笑顔で受け止めて褒め、さりげなく正しいフレーズに直して言い返してくれるのです。そこで気付いてくれれば十分。気付かなかったとしても次のチャンスはある。そんな姿勢です。何よりも伝わったという喜び、安心、成功体験を大切にしていきます。
個人や家族での利用はできない施設なので、子どもたちにぜひ体験させたいと願い、担任はずいぶん前から予約や計画をしてきました。自分の思いを英語で相手に伝える成功体験をたっぷりと味わうことができたのではないかと思います。
午後は国会議事堂衆議院の見学でした。大変に空いていて、大谷田小のみというタイミングでした。しかも驚いたことに、事前に見学申請のやり取りをしてきた衆議院議員の方が私たち大谷田小をわざわざ出迎えてくれたのです。初めて目の前で見る国会に子どもたちも興味津々で「すごい!」の連発でしたが、見学案内の方に加えて、議員やその事務所の方までが同行してくれました。子どもたちからの質問に対応してくれたり要所要所で施設について説明してくれたり、手厚い対応をしていただきました。何度も国会見学の引率をしてきましたが、こんなにたっぷりと時間をかけて丁寧に見学できたことはありませんでした。
子どもたちにとって施設自体も驚きだったと思いますが、見学だけでなく、実際に国会で仕事をしている議員と出会い、質問もでき、強く印象に残る学習になったことでしょう。ちなみに「なぜ国会議員になろうと思ったのですか?」「なろうと思ってから実現するまでにどれくらいの期間がかかりましたか?」「国会議員になって自分はどのように変わったと思いますか?」という質問を子どもたちはしていました。 自分がどう変わったか、なかなか難しい質問でしたが、子どもたちに分かりやすい言葉で真摯に応答してくださいました。
【校長:菅原】