弓芯と外竹(節は7ケ所)、内竹(節は6ケ所)の加工が完成。 関板は側木の寸法を取った残りの櫨木の切れ端を加工した。
しかしながら、弓芯の作成時に生じた接着不良を改善する事が出来ない。 三千本膠では純度が高く接着力が不足するのか?
昔、山で取って来た女竹で弓を作り近所の遊び仲間と港町の倉庫街の空き地で飛距離を競って遊んだ。 小学生の子供の遊び道具であっても50m近く、矢を飛ばしていた。 時には倉庫の屋根に止まっている土鳩を的にして遊んだ。
その遊びの記憶では弓力を得るために弓の中心部分を2本の竹を寄せ合わせていた。 結束は単に紐で四ケ所を結び付ける。 接着剤など高価なものを買う事が出来ない貧しかった子供時代を思い出す。
「ニベ弓」の強力な膠接着の効果と彎曲を得る手法が見つからないので、弓造りを先に進める事にした。
反りの形を整える型入れ作業は難しそうだ。 実作業を見る事が出来ないので想像するしかない。 「日本の職人技を紹介するテレビ番組を一度見たが裏反りの角度などは伝統・経験との技の世界」。
弓の裏反りを付ける過程で、膠に対して熱を加えていた。 少しの水を弓竹や縄に加え、焦げを防ぎながら接着面の膠に熱を伝えて曲げている。 細長い火桶(ドラム缶を縦半分に加工して代用)に炭火を広げ、広い範囲に熱を均等に加えている映像だった。
ドラム缶等は簡単に入手できる。多人数での焼肉パ-ティは何時もドラム缶を2~3個並べていた。 弓を過熱する炭火の火加減が難しい。 焼肉や野菜を焦がさずに焼くのでも難しかった。
しかし、暇を持て余し、遊びで造り出した「弓矢」造り。河童が創造で「竹弓造り」始めたからにはここで諦める訳には行かない。 そこで裏反りを一定にする為「裏反り固定型」を考案。
分厚いコンパネを両側にして、中に角材を挟む。 弓に反りを入れる際に捩れが生じないよう工夫を施す。
この固定台(左側)が機能すれば同じ型の「裏反り弓」を得る事が出来る。大いに期待し実証に進む。