事前調査では河童の住処である川が県内に大小300余りあるそうだ。 サンゴ礁が隆起し、石灰岩の地層の沖縄で比較的河川が発達している本部半島を主目的に訪れる。
半島は厚い石灰岩を主層に粘板岩・チャ-トなどの山岳地帯で、八重岳(453m)は県内4番目の高さである。 大半の河川は流域が狭く、河床勾配が急な為、大量に降った降雨を保持できない。 河童が好む水深の深い、澱んだ流域に留まらず短時間に大海に流失してしまう地形が大半。
河童が隠れ家として生息する条件は環境が大事。 人里に近く未だに自然環境が良く保たれ、川遊びを楽しく出来る場所が多ければ、河童に出会う機会もあり、期待が持てる。
訪問地には「やんばる学研究会」なる山原地域(北山王国)を研究し、定期発表会や会誌を発行して活躍する団体を知った。 2011年の発足で、研究対象は広範囲に渡っている模様。 研究成果の中にはキジムナ-、ブナガヤ、ボ-ヂマヤ-、ヤンバサカ-、セ-マ-セ-マ-、ガヤブヤ-等の多彩な名称で語られる民俗話がある。
今回、探索した場所は名護の辺野古集落・羽地ダム湖畔、今帰仁村の古宇利島一周・今帰仁城跡、本部町の海洋博公園を訪れた。 しかし、道端の案山子や無人のブル-シ-ト・テント村を所在なげに見つめる数十名の警備員には出会ったが、河童に出会うことは無かった。
「やんばる」は広い、探索場所を間違えたのか? 再度、自然環境が色濃く残る沖縄の河童探索の旅を計画しよう。