今年の暑さは河遊びの達人にとっても暑かった。
この時期は食べ物を選びながら、食欲が沸く食べ物を探してパイナプル缶詰に辿り着いた。
数年前から食糧庫に存在を確認していたが、其内にと考えていた代物を取り出してみた。
消費期限を過ぎてしまつて、蓋と底が異常に膨れ上がっている。食す事が出来ないと思いつつも、貪欲な性格には勝てず、開封を試みる。
広い河原の真ん中に据え付け、ガス爆発の大小に慄きながら、缶開け道具をセットする。 周囲の危険に注意して、軽く力を入れた。 劇画風に表現するまでもなく、ガス噴出は微妙な量。風味・臭いに異常は無いようだが、色あいは変色。
鮎や鯉を餌にすることも出来ず、缶詰パイナップルの始末に空腹の河童は熟慮。