裸のヤコブ

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【R】 Word , Sound and Power / Soul Syndicate Band

2008年06月03日 | REGGAE



 アール”チナ”スミス率いる「ザ・ソウル・シンジケート」。正直言うと、今まであまり琴線に触れたことはありませんでした。多分それはアール”チナ”スミスのギターや彼の求めるサウンドがとてもモダンに感じたからだと思います。

例えばこれ。



 一番最初に買ったSoul Syndicate、Harvest Uptown。泥臭さやほこりっぽさ、ゲットーやラスタ・ファリズムのにおいを好む私としては、どうもアスファルトやプラスチックの感触がぬぐいきれず、「よし、今日はこれを聞いてみよう」と何度もステレオに挿入しては「やっぱり違った・・・」とU-Royなどに入れ替えたりしていました。その印象が強いせいか、なかなか”チナ”スミスがらみの音源に手を出すことはできませんでした。しかし、あるCD(+DVD)によってその印象が変わることになるのです。それがこの「Inna de yard」のシリーズ。



 特に中に収録されているDVDの映像では、(年寄りと言っていいほどに年を取った)”チナ”スミスが、めちゃくちゃいい味を出してギターを弾いていて、ああ、この人はのせいと言うよりは、Soul Syndicateとして演奏するとああなるんだなぁ・・・”チナ”スミスはとってもイカしたオヤジじゃないか!などと思い直していたたわけです。


 しかししかし、その印象を全てぶちこわす、Soul Syndicateかっこいい~!と叫びたくなってしまうものをゲットしてしました。それがこれ。



Word , Sound and Power。


 ソウル・シンジケートのメンバーがあいだあいだに演奏を交えながら、森に囲まれた場所でラスタやナイヤビンギについて語ったり、インタビューに答えたりしていますしています。(その中の「音楽は全て一つ。ナイヤビンギが姿を変えたもの・・・」的な発言が今の私には嬉しい言葉でした) 演奏はジャマイカの屋外で、その辺の人を相手に演奏しているような風景で、これがまたいい! 今まで「モダンだしなぁ・・・」と敬遠していたことを素直に謝りたいと思います。Soul Syndicateの皆様、ごめんなさい。あなた方はとてもかっこよくて素晴らしいバンドでした。
 撮影されたのは1979年で、まさにルーツが熱かった時代の空気がびっしり詰まっています。最後にはアール・ゼロが出てきて歌っています。


 
 80年代には、残念ながらバンドとしての姿を消し、ベースのフルウッドはピーター・トッシュと、トニー・チン(G)とサンタ(Dr)はBigmountainとして活動していく中、”チナ”スミスは何をしていたのでしょう・・・。私の大好きな、05年のジャマイカと私をつなぐ曲であるGyptian の「Seiouse Time」も”チナ”スミスのセッションで生まれたということで、「もしかしたらこの時代のセッションでできたトラックなのかもしれないなぁ」と考えると、Seiouse Timeを聞くのがまた楽しくなってしまいます。(真相をご存じの方、ご教授願います)




 そして、リーフレットの最後にある、この文章もまた私の心をわしづかみにするのでした。

(略)本作タイトルの『ワード・サウンド・パワー』とは、ラスタがよく用いるフレーズの1つ。言葉は口から発されて音になることで力を帯びる、と言うことである。



※ このDVD、嫁が幼稚園の「母の会」の役員をすることになり、活動費として渡された少額のお金で購入してプレゼントしてくれたもので、なぜか「初月給でプレゼントをもらった親」の気持ちになり、少し泣きました。感謝。







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