同期入社の退社

弊社に珍しく新卒採用の３名が昨年春に入社いたしました。
ドライバーではなく、営業所の管理業務に携わっておりました。
入社してみると、新型コロナウイルス対応で、通常より大変だったと思いますが、なんとか数か月で辞めることなく、一年が過ぎておりました。
ところが先日、その中の一人が退社したそうです。
続いていた方が意外でしたので、そんなに驚きはしませんが、やはりあの笑顔が見られなくなるのは寂しいものです。
同期入社同士で、励ましあいながら、慰留できなかったのか、と思いつつ、自分の若い時の事を思い出します。

求人票には１名採用となっていて、入社試験へ来てみると、道内の各工業高校建築科から一人ずつ集まって来ていて、そんな中で採用を勝ち取ったのは、誇りでした。
ところが出社してみると、札工からもう一人採用されていて、函工の自分は不採用組だったけど、試験管の一人が食い下がって、特例で、補欠で採用されたそうです。
補欠と聞いて、負けず嫌いな性格の自分は、奴には負けられん、とライバル心むき出して、休憩時間でもほとんど話すこともなく、寮生活の自分と、自宅通勤の奴とは、時間外で会うこともなく、只がむしゃらに積算の仕事をおぼえておりました。
よーいどんで、同じ仕事をこなしていましたが、奴はミスも多く、だんだん自分に後れて行きました。
残業するのも嫌だったらしく、そんな事でも上司ともめていたみたいです。
そうしたら奴が三か月もしない内に退社してしまいました。
勝った！と思いました。
でも年を取り、人生経験を積んでくると、あの時の自分はなんて身勝手な、薄情だったんだろうと、反省しています。
同期入社はライバルだけど、蹴落としあうのではなく、助け合うべきだったな、と。