☆ 知新 温 (Arata On) ☆ のお菓子だぁ~い好き!

食空間カメラマン 知新 温 (あらた おん)の日々是修行←話題脱線中
◆ 最近、不定期更新になってます!(詫) ◆

細江英公 「プリント百花繚乱」レポート

2007年02月19日 | 展覧会な1日

’あらた おん’のHPはこちら。

2/19更新と表示されていますが、2/20の午前4時頃更新しました!遅れてすみませ~ん!
見に来て下さった方。本当に申し訳なく・・・。ちょっと、遊びに出ておりましたです・・・。(詫。詫。)


もし、皆様の手元に。
本日までの会期で、閉館1時間前のチケットが2種類ある、とします。
1枚は、大好きな写真家の写真展。 他方は、お気に入りの画家の展覧会。
同じくらい見たいと思っている貴方は、どちらを選びますか?

私は迷わず、絵画展を選びます。(ぇ~。何かの心理テストではありません。)

理由は・・・。筆のタッチや絵具の質感、色の混ざり具合等。絵画表現の過程
はダイレクトであるのに対して、写真は、光画つまり、焼き付けによって間接的
に表現される技法であるため、作者の息吹が伝わりにくいからです。

しかし。現在、田町のフォト・ギャラリー・インターナショナルで開催されている、
『細江英公名作各種プリント百花繚乱』展は、間接技法であるプリントの魅力を、
色とりどりのワンピースを引き出しから取り出して見比べるように、私達の目の
前に提示してくれる意欲的な写真展と言えるでしょう。

展示は、大全紙密着に始まり、手刷りグラビア、ガムプリント、コロタイプ、
プラチナパラジウム、ゼラチンシルバー、デジタル・パピルス・ピグメントと。
普段目にする機会が少ないプリントの質感を十分に楽しめる内容になっています。

中でも、ダゲレオタイピストが撮影した「鎌鼬」は、銀板上に浮かび上がる作品
の幻想性。作品テーマとの絶妙なコントラスト。一見の価値ある美しさです。

恥ずかしながら、私自身は、ダゲレオタイプの撮影技法による作品を、実際に
観賞したのは今回が初めてですが。いつかこの技法に相応しい撮影を敢行
してみたいっ!と、(いつもながら、その場の思いつきで。)思いました。(笑)

さて、細江英公氏(以下敬称略)についても、少しだけ触れておきましょう。
細江英公は、日本の戦後写真史において、社会問題に題材を求めたリアリズム
写真の潮流に対して、独創性と芸術性の視点を投げかけた写真家です。

特に、舞踏家の土方巽をモデルに撮影された「鎌鼬」という作品群の中に、写真
でしか表現出来ない、見る者に訴えかける物とは何か?を、得るためのヒントが
散りばめられているように思えます。

 農村を疾走する土方の躍動感、異質な物に対峙する土地の人々の眼差し。
 そして何よりも、他に代え難い土方自身の存在。

これらは、作者自身がオリジナリティーに溢れるテーマを練り上げ、個性的な
モデルの内面から醸し出す空気とシンクロさせ、一瞬を写し撮った完成品です。

デジタル時代を迎え、写真とその他の芸術表現の境界が薄れた今日、そして未来。
商業分野、芸術分野にかかわらず、写真作品に力を与えられるかどうかは、写真家
自身の洞察力と探求心にかかっているのだと、先達に告げられている気がしてなり
ませんでした。(←つまり。根性入れないとー、カメラマンっ!と、言うことです。)

興味を持たれた方は、会期も残り少ない(詫。)ですが、ぜひ、お運び下さい。
(ちなみに・・・。「優れた写真は、どんな方法でプリントされようとも優れている。」という当たり前の図式が、
改めて体感できる写真展でも、ありました。・・・。)


細江英公 作品展
「細江英公 名作各種プリント百花繚乱」2007年1月10日(水)〜 2月28日(水)
                          * 日・祭日は休館のようです。


今日の写真はお休みです。さすがに、この話題で、自分の写真を出す根性が・・・。もっと精進しますー!。
↑根性なし=う、ううう。反省。↑


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11 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
「師匠」と呼ばせてください! (akenbow)
2007-02-20 21:23:16
とっても、勉強熱心でいつも感心させられる、今日この頃です。
熱く語ってこそ、「とるてん」さんと思いました。その姿勢に尊敬の眼差しを贈ります。

話は変わって、前回のブログのコメントで「チャーリ浜」で引っ張っておりましたね。チャーリ浜だけではなく、上方漫才全般が好きなのでちょっと書いてみたんです。今回のブログが、チャーリ浜で引っ張らない事を祈ります。ちなみに私は関西人ではありません。しゃべると良く、関西人に見えるらしですが、ずーずー弁の東北人なんですよ♪。
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Unknown (三島由紀夫インパクトありますね~!)
2007-02-21 01:20:19
akenbouwさんお久しぶりです。
ずーずー弁の東北人だったんですか~!

被写体三島由紀夫氏は、その後…
一つのナルシズムですね~
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上記のコメントは私でした。 (フリーダ)
2007-02-21 01:25:05
途中で、間違えて送ってしまいました
三島由紀夫話は、細江英公氏の作品からでした。
失礼しました
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それじゃぁ、ケンちゃんっ。で! (とるてん)
2007-02-21 02:34:13
>akenbowさん
東北は、米がうまい!!です。いいですねー。

あ、さて。写真学校時代は・・・。
H先生から、”影の番長”と呼ばれ。
クラスメートから、”師匠”と呼ばれ。
どうも、親父ギャルイメージから抜けきれない私。

そして今・・・。
’俺の話を聞け~♪’でおなじみのク○ージーケンバンドをもじって、
”クレージー・ケン子”と呼ばれている・・・。

この際。ちょっとかわいい雰囲気で。”ケンちゃん”って呼んでください!
(↑これで、イメージアップが図れたのだろうか???)
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何気に、お茶目なので。 (とるてん)
2007-02-21 02:42:29
>フリーダさんってば。
最初、三島ファンの方から、コメントが着たのかぁ!!
と、ビビりました!
でもちょっと、お茶目なので、このまんまにしてもいいですか?(笑)

gooブログは、書いた方が直せないのがきついっすねー。
gooさんに成り代わり、お詫びしときまーす。

間髪いれず、するとこ。
やはり、鍛えられたギャグの間のとり方、最高ですね!
返信する
How are you? (Maco)
2007-02-22 00:18:57
勉強になりマシタ。
細江氏、知らないなあ。。。と思ったけど、
知ってる写真ありマシタ!
「おとこと女」っていう写真、覚えてマシタ。インパクト!

私、あんまり写真家、知らないの。
カルティエブレッソンと、植田正治が好きっていう感じで。。。
古典でしょ。f ^ ^;
いっぱい、語って!こういう話、好きだから。

白と黒の比率がいい写真って、キモチがいい。
写真は、時間を切り取るよね。
絵では、それは出来ない。その辺が面白いって思うんです。

一回では、読みきれなかったから、また、勉強しに来ますっ!


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先月まで、 (とるてん)
2007-02-22 01:52:45
>Macoさん
写真美術館で、細江英公氏の企画展をやっててね。
そのときに記事を書いていれば、「カマイタチ」の実物を見てもらえたのにぃ。

細江氏の作品になかでは、このシリーズが私好みです。一言でいうと、
「はじけてる!」んです。この表現が一番ぴったり。
プリント技術で、妖気が漂っちゃてるし。
今日日の若者は、はじけが足りないのかもしれん。(いきなり、オバサンモード)

かく言う私も。ブレッソンの名前は知ってても、実際写真を見たのは去年だし。(笑)
でも。古典について、ぼちぼち主観全開で語りたいと思います。

>>一回では、読みきれなかったから
いつもながら。すみませんー。
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私は写真展かな。。。 (mocha)
2007-02-23 01:08:29
>>写真は、光画つまり、焼き付けによって間接的
>>に表現される技法であるため、作者の息吹が
>>伝わりにくいからです。

因って、伝わって来た時の感動が大きい様に思うので…。
…って、私の意見なんてどうでもいいですよね。
で、何を書きたかったのかというぅ~とぉ~、
上記の様に、写真と絵画の違いを述べられるとるてんさんが
凄いなっ!と。
流石だなっ!と、思った訳です。

ではっ。とるてんさんとの未来のデートでは、待ち合わせだけして、
別々な物を鑑賞しに行き、又落ち合いましょう。(?)
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両方、観に行きましょう! (とるてん)
2007-02-23 20:13:25
>mochaさんっ!
ハシゴしましょう!1日5会場ぐらいなら、回れそうです!(キツ。)
(いつもギリギリで、このパターン。たまには、ゆっくり観た~い。)

いやー。写真の力を信じてもらえてると、嬉しいです。
(私が、写真を代表してる訳じゃないんですけど・・・。

絵画は、真っ白な紙に、ゼロから作り上げる。その過程が、自由で力強いです。
コレに勝つには、どうしていったらいいのか?技術、機材、テーマ、被写体。
そして、その組み合わせ。何てことを考えて歩いていて、コケたりしてます。

残念ながら。感性と才能で写真を撮ることは出来ない私。
自分は、何のために、何をどう表現したいのか。常に意識せざるを得ませんネ。
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くれぐれも… (mocha)
2007-02-24 00:39:45
>>その組み合わせ。何てことを考えて歩いていて、コケたりしてます。

Watch your step!

>>自分は、何のために、何をどう表現したいのか。常に意識せざるを得ませんネ。

Be yourself!

英語でせめてみました。ぐふふ
時には便利だなぁ~。


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