☆ 知新 温 (Arata On) ☆ のお菓子だぁ~い好き!

食空間カメラマン 知新 温 (あらた おん)の日々是修行←話題脱線中
◆ 最近、不定期更新になってます!(詫) ◆

【 オピニオンリーダーが語る 「厨房談義」 第23回 】

【オピニオンリーダーが語る「厨房談義」第23回】
2016年1月25日開催、東京ガス様 業務用厨房ショールーム
『「BO!セミナー」料理撮影セミナー 』
~美味しそう!の先へ、魅力を表現する料理写真講座~
の様子を掲載して頂いております!
作例写真も合わせて掲載しておりますので、お時間のある際にご覧下さいませ。

ショールーム・ディスプレイを終えて。

2010年04月10日 | カメラマンになるまで。

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新年度が始まって、早1週間が過ぎました
関東地方は、桜の開花時期と重なって、新たな門出に華やぎを添えましたね~。

 

さて、昨年の5月から約一年間、東京ガス様横浜ショールームの正面ディスプレイを
担当させて頂きました。期間中、足を運んで下さった皆様、ありがとうございました。

思い起こせば、「料理の写真でガスを表現して下さい。」と、ご依頼を頂きました時は。
驚きつつも、「面白そう!やってみたい!」などと。単純至極に思ったのですが。
展示スペースの測量をして初めて、空間ディスプレイの難しさを実感するハメに

店舗のディスプレイデザインで最も大切なのは、展示中の事故を防止すること。
つまり、お客様に展示物が倒れたり、商品を損なわないように設計する必要があります。

天井の高さ3メートル、ガラス張りの両面見ディスプレイ展開と、お客様の視線の流れ。
展示物の軽量化に、ライティングを伴う3ヶ月間の展示に耐える写真の抗退色処理、
そして平面性の維持。これは、写真展の展示知識では対処できないと思いました。

今回の仕事を通して、展示設計を含め、本当に多くを学んだ気がします。

中でも忘れられないのが。写真の出力方法を決定する席で、クライアントさんが、
コスト面で3倍もする印画紙でのプリントを選んで下さった際に、仰ったセリフです。

インクジェット出力と印画紙プリントの、両方のテストサンプルをご覧になりながら、
『知新さんが、良いと思った物を。最高の品質だと思う物で、やって下さい。』の言葉に
その場で後ろに倒れちゃおうか !と思うほど、胸をつかれました。(←大げさじゃなく。)

クライアントさんからの、これほどの信頼。広い階調でのプリント展示ができる喜び。
料理、スタイリング、ディスプレイにかかる全ての費用を、予算内に納めてみせるっ!
その時、私の目の中には、メラメラと 炎が燃えていました。(←ように思えました。

それから、被写体である料理のメニューに頭を悩ませた事も、今になってみれば
楽しい体験でした。

およそ3ヶ月ごと、季節感やイベントに関連のあるテーマに沿って、ディスプレイを
変更することになっておりましたけれども。

まず第一に。ガス器具を使用しない料理は採用できないので、比較的見栄えするサラダ、
オードブル等は、被写体にできないというのは正直参りました。(←加熱料理は地味になりがち)

次に悩んだのが。皆様の記憶の中にある「あ~、あれあれ!」という料理でありながら、
ディスプレイという性質上、料理本に載っている様な写真はボツ という点でした。
だって、美味しそうなメニュー写真をパネルにすると、飲食店の看板になってしまいます。

かといって、人目を引こうとして、奇抜なデザインに凝りすぎてしまうと、これまた
食品のリアリティが損なわれてしまうし。食卓に並ぶ物を撮る以上、不衛生な小物を
画面に入れてしまうと、企画意図から離れてしまいます。。メニューを決めてから後も、
食器選択に悩んで、思わずうなり声がもれたのは…、言うまでもありません。

また、、写真の構成も頭が痛い問題でした。テーマに合わせた組写真という形式にして
パズルのパーツの用に、全体を作り上げようかと考えましたが。それはありきたりすぎ

結局、一枚一枚を、独立した料理写真として見せようと思い、テイストやライティング、
そして画角等、全て変えて撮影しました。全体のつながりは、ディスプレイの枠の中で
行うという方法で、統一感が出るように努めました。
振り返って書き出してみると、一年、よく無事に終わったと自分でも思いますっ 

しつこいプリント指示にも、誠実に対応して下さった、堀内カラー様。
タペストリー制作でお世話になりました、セリアート株式会社様。
新鮮で品質のよい食材を提供して下さった、築地市場場内仲卸各店舗様。
食器具を提供して下さった、セレクション・クミカ様。そして、かっぱ橋道具街各店舗様。
クロス・ディスプレイ用の布地でお世話になりました、日暮里繊維街の各店舗様。
大判カメラ用のレンズを提供して下さった、マミヤ・デジタルイメージング株式会社様。
いつも素早い対応で撮影をサポートして下さいました、コメット株式会社様。

ご助力頂いた全ての皆様に、この場を借りて、心より感謝申し上げます。

プリントパネルでの納品という、今後、経験出来ないような企画でお声をかけて下さった
東京ガス横浜ショールームの皆様。ありがとうございました。いつもいつも、温かく
迎えて下さり、展示のサポートをして下さいました。1年、どんなに楽しく仕事をさせて
頂いていたか、もうちょっと、言葉では言い尽くせません。

料理、スタイリング、撮影、プリント管理、ディスプレイデザイン、花材の活け込み、施工
に至るまで、思うようにやらせて下さいました。やり甲斐のある、夢のような時間でした。

この仕事で得た物を糧に、さらに高い品質の仕事を残せるよう、精進いたします
新しい年度、新しい仕事の中に、1年の蓄積が支柱となって根付くように。
改めて、スタートをきりますよぉ!行くぜ、自分です!(←いつにまして、ハイテンション!?)

ここで、
 5/16日、東京ガス横浜ショールームで写真セミナー【続編】が開催されます。
前回、抽選に外れてしまった皆様、今回はお目にかかれますように。楽しいセミナーに
なるように、がんばります!お申し込みと、詳細につきましては、こちらから。

今日の写真は、桜のムースです。
ショールームディスプレイ、最後のテーマ、「和食のある暮らし」の写真の内の1枚です。
ムースの中身に異常に凝って、桜とフランボワーズのジュレとかパンナコッタとか、何層
にも作ったのですが。結局~、中身が見えないホールの写真を採用しました…。