☆ 知新 温 (Arata On) ☆ のお菓子だぁ~い好き!

食空間カメラマン 知新 温 (あらた おん)の日々是修行←話題脱線中
◆ 最近、不定期更新になってます!(詫) ◆

【 オピニオンリーダーが語る 「厨房談義」 第23回 】

【オピニオンリーダーが語る「厨房談義」第23回】
2016年1月25日開催、東京ガス様 業務用厨房ショールーム
『「BO!セミナー」料理撮影セミナー 』
~美味しそう!の先へ、魅力を表現する料理写真講座~
の様子を掲載して頂いております!
作例写真も合わせて掲載しておりますので、お時間のある際にご覧下さいませ。

季節が巡って。

2010年02月28日 | 日々雑感

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写真セミナーに沢山のお申し込みを頂き、ありがとうございました

今回も、抽選の倍率が高くなってしまい、申し訳ございませんでした。
当選の皆様には、お知らせが届くことになっているとお聞きしております。
来週(今週?)辺り、ちょっとだけ内容についてブログで触れたいと思います。

   

さて、明日からは3月です! 月日が流れるのが速いですね~

先日、大学時代にお世話になった恩師が、ご退職されるということで、
最終講義を聴講して参りました。学生時代と変わらぬ先生の講義に耳を傾けていると、
一瞬、学生に戻ったかのような、錯覚に捕らわれてしまいました。

前の席の学生さんが、昔の友人にそっくりの風情で、思わず声をかけそうになったりして。
あの頃の私は、どこにもいないのと同じ事。季節は、確実に巡って時は流れたんですね。

当時、独文の学生だった私たちは、週8コマの独語をこなさなければなりませんでした。
そのうちの2コマ、文法の授業を担当されていた先生の授業は、2コマとも朝1限目。
先生は、講義の始まる10分前には、教壇に立っていらっしゃいました。

そして、授業は毎回、10分間の小テストで始まり、10分間の延長で終わります。
遅刻は出来ない上に、毎回のテスト。夜型人間の私にとって、地獄のような講義でした。

でも、ある時、はたと、気がつくのです。
1年間。骨折されようが、高熱があろうが一度の休講もなく。しかも補講のおまけ付き。
毎回採点をして返却されるテストが、どれほど手間のかかる仕事だったかということに。

大学の教員は、第1に研究者であり、ご自分の研究を進めていかなければなりません。
同時に、教育者として学生の指導に力を注ぐという、2つの全く異なる仕事を、両立
させていく必要があります。

この授業は、学生に対する熱意がなければ出来ることではない。
この小テストの全てを満点でクリアーしたい!そう思った瞬間、早起きが苦にならなく
なりました。(←今の語学力から信じられないでしょうが…、1年間、約50回のテストを満点で終えました。)

最終講義に続いて行われた記念パーティーは、まさに、先生のお人柄を現したような
あたたかい宴となりました。学生のみならず、先生は誰に対しても礼儀正しい態度を
崩さず、それでいて、ユーモアを忘れず、いつも優しく接して下さいました。

就職して、毎日深夜まで仕事をしていたとき、
「君のことですから、無理をしていると思って。」と電話を入れて下さいました。
「労働者の本分は、どれだけ上手にサボるかです。」の言葉に、笑ってしまいました。

カメラマンになってからも、「いつまでも、僕は君の先生ですから。」と仰って、
お忙しい中、チョコレートを手に、写真を見にギャラリーに足を運んで下さいました。

パーティの最後に、
「私が本日ここにありますのも、皆様のおかげでありますことを一生忘れは致しません。」
と、ご挨拶され、深々と、会場の皆様に頭を下げていらっしゃる先生のお姿を拝見して、
人生の節目に、先生が私にかけて下さった言葉のぬくもりを思い出し、胸が詰まりました。

先生、今まで本当にありがとうございました。感謝を言葉に換えるのは困難なのですが。
他人に対して誠実に、そして自分に対して真面目に生き、時を重ねていくことの尊さを
先生から、身をもって教えて頂いたと感じております。

先生の教え子の名に恥じぬよう、丁寧に、これからの日々を積み上げて行こうと思います。

やわらかな風がたゆたう、新しい門出の季節に、
先生のご研究の益々のご発展を、心よりお祈り申し上げます。

 今日の写真は、明日、UPしますね。(←ごめんなさ~い!
   明日、朝が早いことを忘れていました!速く、朝型人間になりた~い

 【追記】 写真をUPしました!

 え~と。桜のポジを探してたんですけど、しかも、セピアのフィルターで撮影したの。
   ちょっと見あたらないので、別の写真にします(UPが遅れて、すみませんでしたっ!)

   さて、ここで問題です!この写真、スキャナーで読んで反転を治したものですが。
   結構、面白いレンズを使っています。あ、それから使用フィルムは何でしょう?
   今は、フォトショップで一発ですけど。こういうオタク撮りが好きだったんですよ!


羅針盤の針が止まった年【後編】

2010年02月14日 | 日々雑感

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寒い日が続いていますが、日差しは 確実に明るさを増してきましたっ!
いやはや、前回更新から、いきなりバレンタインデーですかみたいな。。。
長々とブログを放置しまして、誠に 申し訳ございませんでした。
放置中、沢山のコメントやメールを頂きまして、ありがとうございました
皆様にご心配をお掛けしていた風邪は、すっかり治っていたんですけども…。
運転免許の更新に行けなくなりそうな程ハードスケジュールになりまして。
先日、全ての〆切に間に合いまして、ほっと一息つけたといったところです。


 
さて、前回、 どこまでお話ししてましたっけ (←間隔が空きすぎて、記憶が~。詫)

えーっと。そうそう。話は昨年まで遡ります。。。とあるクライアントさんから、
『うちは、不味そうじゃない程度に写っていればいいから。』 と言われて
「どんなにお金を積まれても、仰るような撮影はできません。」とお断りしたものの。
仕事を降りることで、お世話になった方々を裏切る結果になったのでは
と悩んだ所から話を再開しましょう。

もし、これが駆け出しの頃だったら、「料理写真をなめんなよ!」と言えたでしょうが。
義理と人情の板挟み。ここを上手に切り抜けた方が、だれも傷付かず。仕事人として
その方が妥当な行動だったのではないのか。と、しばらくの間、迷いました。

しかし、いっくら考えてみても、無理なものは無理なんです。
食の現場に携わる人々を、バカにするような態度で雑誌を創る人々の利益のために、
カメラの前に立てないというか。絶対に、シャッターが切れないと思いました。

丁寧に作られた物は、丁寧に扱われなければならない。
気持ちを込めて調理された料理は、作り手の気持ちを届けられるように写し出したい。
時を経て伝えられてきた製法を、時代背景が分かるようなしつらえで見てもらいたい。

それが、バカみたいに、本当にバカみたいに仕事に取り組んできた職人さんに対して、
尽くすべき礼儀であり、カメラマンとして料理の撮影に臨む私の信念です。

そういえば昔、タウン誌のバイトをしていた時、同じような事を言われましたっけ。。
「飲食店もピンキリ。あなたが考えるようなハイレベルな写真を、誰も望んでない。」
例えそれが、TPOをわきまえた常識的に正しい仕事術だとしても、受け入れられません。

今まで学んできたこと、これから果てしなく学んでいくことの全てを、
写真の中に表現出来るように。今後も、撮影に一切、手抜きなどしない。

そして、いつの日か、食文化そのものを、描き出せるようなカメラマンになるために。
自分にできる最大限の努力を重ねていきたい。それが昨年、私の出した結論です。

さて。2月も半ば迎えてから、今年の抱負を語るのも心苦しいのですが…。
2010年最後の日に。「何一つごまかさず、ベストを尽くして1年を終えました。」と、
私に力を貸して下さった方々に、胸を張って言える年にしたい、と思っています。

さあ、明日から又、全力疾走で行くことにします。
もう子供みたいでしょ。自慢になりませんが、精神年齢は小学生並みで~す

 今日の写真は、ウィーン菓子の「クレームシュニッテン」です! 
   フランス菓子のフィユタージュ(パイ生地)と配合が少し異なります。
   冬場はパイ生地の仕込みが楽になりますね。手の温度が高いので、助かります。
 
   撮影についても、少し触れておきましょう。
   光り物の撮影は、カメラマンの腕の見せ所と言われます。
   複雑な写り込みが見せる陰影に、出会える瞬間が、とてつもなく好きです~
   4×5 HORSEMAN LX / シュナイダーマクロジンマー180mm / Velvia100F /
   コダックの印画紙メタリック/B2サイズ で出力した物が、仕事で採用されました。
   デジタルカメラでは表せない世界があるのだと、気づかせてくれた撮影でした。