先日の27日に京都嵯峨野の大覚寺で京都花蓮研究会の研修会がありました。朝9時から午後2時までの5時間、盛りだくさんの内容でした。従来の研修会は地方へ出向くことが多かったですが、今回は本拠地京都でおこなわれるということで、長尾副会長より実に心のこもったおもてなしをいただきました。
「おもてなし」はオリンピックを招致するさいに滝川クリステルさんがおこなったジェスチャーが一世を風靡しましたが、その根源は千利休の「四規七則」だと思います。今回まさにそれを目の当たりにする思いでした。
http://iroha-japan.net/iroha/C01_accomplish/01_sado.html
中身がたいへん濃いので、少しずつ紹介していくことにします。
大覚寺のある嵯峨野は、史蹟名勝天然紀念物保存法・文化財保護法による史蹟および名勝の指定、都市計画法による風致地区指定、古都保存法による歴史的風土保存地区指定、文化財保護法による重要伝統的建造物群保存地区の指定(「京都・嵯峨野における景色の持続と変容」樋口忠彦、山口敬太)を受けた歴史的、景観的にたいへん優れたところです。
大覚寺は真言宗大覚寺派の本山である門跡寺院です。
寺の敷地に周囲1km大沢の池があり、名古曽の蓮が繁茂しています。
「名古曽」は有名な名古曽の滝に由来します。池を巡る途中に大粒の雨が降りだしたので、そこは見学できませんでした。
藤原公任「滝の音は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ」
今でこそ繁茂している蓮ですが、これを再生したのが嵯峨芸術大学の真板先生と学生たちなのです。
http://www.akio-maita.com/grasscarp1.html
真板先生から説明を聞く会員。
説明を受けているのが、本堂にあたる五大堂でそこから濡れ縁(観月台)が池の方に張り出していて、大沢の池の眺望を楽しむことが来ます。手前に松があり、眺望を妨げているようですが、これは遠近感を出すための演出なのだそうです。
五大堂は東端にある建物で、その西側には嵯峨天皇や弘法大師の尊象を安置した御影堂があります。建物は宸殿に代表されるように平安王朝風な感じです。下の写真は御影堂。
さすが門跡寺院です。瓦の隅々まで菊の御紋が。
池の周遊のあと、お寺の見学の前に望雲亭というお茶室に入れていただきました。お茶室からは大沢の池や多宝塔、背後の山々が一体になった素晴らしい景観を堪能することができました。
茶室で長尾様より茶器や掛け軸等のご説明がありました。器は中国景徳鎮産で日本からの注文に応じて焼かれたものらしいです。
掛け軸には蓮愛好家のお客人をもてなすためためでしょう、松平定信(楽翁)公の和歌が認められた短冊がかけられていました。
「松の色も 花の香りも とりどりに みな天地の まことぞ見る」
人数が多いので、御手前ぬきで紙コップで蓮茶をいただきました。
大覚寺見学からかえって、別室で嵯峨御流華務長辻井ミカ先生に蓮の花の生け花を実演していただきました。実演が始まるまでお抹茶と鶴屋壽さんの「嵯峨のはな」という羊羹をいただきました。とても上品な甘さでした。
テーブルの上には長尾様が生けられた蓮の花が5鉢置かれていました。花は長尾様が育種されたものだそうです。
辻井先生がご説明されながら生けるのですが、よどむことなく話と生け花が渾然一体となって進められました。
嵯峨御流については辻井先生のHPをご覧ください。また蓮を生けておられる動画も配信されています。
http://www.sagagoryu.gr.jp/kamucho
http://mikatsujii.com/summer_movie.html
生け花講習が終わったら、いよいよの昼食です。「泉仙」さんの蓮尽くしの精進料理です。京料理は目で食べるといわれますが、お味もなかなかでした。
ご飯には蓮の実が混ぜ込まれていますし、糖蜜ときなこの蓮根スイーツもなかなかよろしおした。(^∧^)ゴチソウサンデシタ
あ、そうそう、名古曽蓮ですが、池では花が遠くて撮影できませんでした。ちょうど生け花用にたくさん切ってこられていましたのでその写真をアップしておきます。
京都花蓮研究会の役員のみな様方、素晴らしい研修会を企画開催してくださりありがとうござました。
写真も大変綺麗に撮れていますね。カメラがいいのかな、いや、腕が上がっているのでしょう。
ここ何年か京都花蓮研究会の研修会に参加していますが、毎回有意義です。とりわけ今夏は京都花蓮研究会ならではの非常に有意義な内容でした。蓮のみならずお茶や生け花を通して日本文化の神髄にちょっぴり触れることができたように思います。
写真もお褒めくださりありがとうございます。一応デジイチを使っていますが、レンズもボディーもエントリーレベルです。
kanpouさんも来年ご一緒しませんか?
https://www.youtube.com/watch?v=-lv2ooKrB-g&feature=youtu.be