最新の審美&インプラント日記

天王洲アイル・天王洲インプラントセンター 小川勝久先生による審美とインプラント治療の日記と情報

ブリッジ(つなげて治す方法)の欠点

2006-08-09 17:07:16 | Weblog
写真は失った歯の前後の歯を削った時のものです・・・・・

数日前、30代女性(OL)が奥歯の違和感を訴えて来院しました。診て見ると、奥歯を2歯失った状況で、前後の歯を支えにしてブリッジで治していました。が、後ろ側の支えの歯が傷んで壊れていたのです。
つまり、2歯で4歯分の噛み合せを支えていたのですが、力の掛かる奥(後ろの歯)の歯が壊れていました。
一般的に、噛み合せは40Kg~60Kgもの力が加わる事から、ブリッジ治療では負担過重となり、今回のように支えにしていた歯も失う事になってしまうのです。
「この状況では、同じような治療は残念ながら出来ないのです」とお口の中の状況をモニターとレントゲンでご説明しましたが、なかなかご理解頂けませんでした。「十数年も、大丈夫だったのですよ。なんとか同じように治せませんか?」と懇願されましたが、この状況で、再度、同じように治した場合、今は何とも無い健康な手前の歯が、近い将来に必ず壊れて、さらに多くの歯を失う事になるのです。

不幸にして歯を失った時、ブリッジ治療は、その失った歯の前後の歯を繫いで治す治療です。が、以下のような、大きな欠点がある事を受け入れて治さなければなりません。
1、 前後の歯を削る。健康な歯であっても削らなくてはなりません!
2、 失った歯の分も含めて前後の歯で噛み合せの負担をする為、削った歯に、さらに大きなダメージが加わる事になるのです。
3、 銀歯の適合性は、一つの歯でもピッタリ合わすことが難しいうえに、ブリッジとなれば、その適合性はさらに難しくなります。ピッタリ合わなければ、また虫歯になってしまいます。
4、 健康な歯の美しさを失い、銀歯になる事になります。

そして、その長期予後や経過観察から、ブリッジの10年後の残存率は50%を切っているのです。つまり、ブリッジの半分は15年後には壊れて、さらに大きな問題を抱えて治療をする事になるのです。

インプラント良いとか、ブリッジが悪いとか・・・入れ歯はダメだとか・・・ではなく、ご自身の大切なお口の中や楽しい食事や快適な生活の為に、何が一番良い方法なのかを、その患者さんご自身のお口の中の状況や生活環境や経済的問題も含めて、検討しお考え頂くことが本当に大切なことではないでしょうか。

PS 今日の15階の窓から見える東京の景色は、さながら「ホラー映画」にで出てくるような黒く厚い雲(台風の影響の雲)が、生き物のように動いてゾッとしました。
晴れたらお日様カンカンの下で何処か素敵な海に入りたいものです。(きっと夢に終るかも・・・・)

そうそう!!日曜日の菅井先生の講演は聴いていて本当に勉強になりました。

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