最新の審美&インプラント日記

天王洲アイル・天王洲インプラントセンター 小川勝久先生による審美とインプラント治療の日記と情報

Ueil Grunder 先生から学ぶこと

2005-12-11 23:30:32 | Weblog
11日(日曜日)は、朝8時30分~。大手町でスイス(チューリッヒ)のUeil Grunder 先生の講演会に参加した。グルンダー先生はスイス口腔インプラント学会の会長やEAED(ヨーロッパ審美歯科学会)の会長を歴任している著名な医師でもある。が、そんな肩書きよりも、見るものを圧倒する診療の細やかさや科学的根拠から指摘される治療には、納得したのは私だけではないでしょう。

特に、近年、懸念を指摘されている‘審美領域での即時埋入時の唇側骨の吸収’には、チョッと背筋がゾッと、、、、。
確かに、抜歯即時埋入での利点も多くある。が、審美領域では、話が異なることも。話が専門的になってしまいがちであるが、簡単に言うと‘抜歯即時埋入をしたからと言って、唇側の薄い骨の吸収は抑制できない’ということ。
日本人での上顎前歯部の唇側骨は、0.6mmしかないのですよ!こんな紙のような骨はチョッとした外科的震襲や感染で、すぐに吸収してしまう。
審美を優先したばかりに、インプラント治療で最も大切な‘骨との接合’も失われるのでは、その意味はまったく無いのである。
審美領域では、骨の吸収や改造を考慮して、骨造成や軟組織(結合組織移植)を付随してインプラント治療を行わなければならないという事でした。

講演の中のビデオは、とても判りやすく、特にインプラント埋入後での唇側への結合組織移植のビデオを本当に参考になった!(私も、先週の水曜日に同じようなケースがあったので、自分の手技と比較が出来てよかった。)

今、学術専門誌への投稿論文を書いているが、他の先生のケースや治療を見れば見るほど、文献や論文を読めば読むほど、自分の治療の甘さや知識の無さを突きつけられている。
(患者さんには、こんなことを書くと不安になるかもしれませんが。しかし、医学や技術は日々進化し、間違いは正されているのです。)

言うことは簡単ですが、書くことや記録すること、そしてまとめる事の辛さを感じているこの頃です。

PS 今日は寒かった!!皆さんもお風邪など召しませぬようお身体ご自愛を。