最新の審美&インプラント日記

天王洲アイル・天王洲インプラントセンター 小川勝久先生による審美とインプラント治療の日記と情報

‘クリニカ マロ’での‘オールオン4’の講義

2005-11-25 15:20:01 | Weblog
詩人カモンエンスの「ここに地果て、海始まる」はポルトガルが、ヨーロッパの西の最果てに位置していることを明解にあらわしている。

そのポルトガル、リスボンに‘Clinica Malo ’はあった。年に2万本のセラミック、4000本のインプラント治療を行う、このクリニックは1500坪(高層ビルの1階と8階から11階)。歯科医師、衛生士、等の従業員を含め250人。CM-Educationと呼ばれる教育機関はフランス(パリ),ブラジル(サンパウロ)、スペイン(マドリッド)、ポーランド(ワルシャワ)、等のスタッフを合わせると500人にも及び、おそらく個人の歯科医医院では世界最大の規模を誇ると思われる。医院の中には、コールセンターからカフェテリア、フィットネス、と言った普通の医院では考えられない施設までまり、‘クリニック ツアー’では迷子になるかと思った。

さて、初日の講義は無歯顎患者(歯を全て失った患者さん)さんへのトータルリハビリテーションと呼ばれる口腔再建のゴールやプロトコールについてから始まった。特にAll-on-4と呼ばれる4本のインプラントのみで12歯を支える特殊な治療方法は、力学的見地、安全性、予知性、成功率といった事から考えても、非常に理にかなった理論で、従来の歯科医療そのものを変えてしまうほどのものだった。

ライブオペは、All-on-4の理論を用いた、下顎の歯槽膿漏患者さんへの10歯抜歯、3本のインプラントを即時埋入そして直ちに型どりを行い固定性の仮歯を入れるという手技であった。
骨の整形方法や埋入位置の決定方法、咬合採得法、等、よく考えれていて、とにかくその手際のよさは認めざる得なかった。
(無論、このブログをお読みの歯科医の皆さんには異論や反対意見もあるかと思います。が、この理論や方法で‘救われている患者さんがいる’ということは考えてください。)

午後はNobel GuideノーベルガイドといわれるCTから撮影したデーターを3Dデザインし、コンピューター上で外科術式を検討し、さらに、そのデーターからサージカルガイドを作成、そして最終的な固定性ブリッジまで作成をおこなうという最新テクニックの講義と手術のビデオだった。
この手技は、数年前のLA(ロス)でのアークと呼ばれるシステムと一緒で、この一部は、すでに当院(天王洲インプラントセンター)でも行っている。が、今回のノーベルガイドの精度には目を見張るものがあった。正確なCT、緻密な診断、その上に熟練した技術が伴い完璧な手術を作り上げているのである。

明日(今日)も、ライブオペを含む講義。一番前に座って目に焼き付けてきます。