
では、今回からは九州遠征で訪問した物件を順にご紹介していきたいと思います。
前記事で書いた通り、日之影温泉駅ではTR-100形104、105を利用した「TR列車の宿」と言う施設があります。今回の旅行はこちらで一泊させて頂きました。そのレポートです。

1日目の各駅訪問を終えた一行は、まだ日が落ちかけの時間帯に日之影温泉駅へ到着し、宿にチェックインしました。
荷物を部屋に入れたら、早速撮影タイム。ちょうど車両の端にある部屋が割り当てられたので、車内の電気を点灯して撮影。夜の列車は格好良いです。

翌朝は、日の当たり始める時間に合わせて記録を開始しました。本当はもう少し遅い時間が一番良さそうなのですが、スケジュールの都合上この光線でのみの記録となりました。
さて、ここで概要をご説明しましょう。
「TR列車の宿」は、路線の休止から5年、全線廃止からも2年が経った2010年に、日之影町が高千穂鉄道から車両2両を譲受し営業を開始した宿泊施設です。
車両は普通列車用であったTR-100形104、105の2両を利用しており、車両を半分で二分割した上、客室として利用されています。1人部屋、2人部屋、4人部屋があるそうで、私たちは2人部屋に宿泊しました。

こちらは、高千穂方に設置されているTR-104。「せいうん」の愛称が付けられています。私たちはこの車両の中でも一番高千穂方の2人部屋で一晩を過ごしました。

室内はこのような造りになっています。窓や室内灯は車両本来ものを利用していますが、随所に改修が加えられ、宿泊施設として十分な設備が備わっています。

晩酌の後ですいませんが(笑) 室内はカーペット敷で、土足禁止です。また、左側の運転台があった場所は、まさかのお手洗い!画像には写っていませんが、出入り口も車両本来の折戸が使われており、鉄道ファンとしては非常に楽しい場所でした。隣接する日之影温泉駅の温泉に浸かり、車内で楽しむ晩酌、まさに最高でしたね。

もう1両は、TR-105「かりぼし」。部屋の内訳は分かりませんでしたが、2両共綺麗な状態で活用されており、高千穂線が愛されていた、そして今も愛されていることを感じることができました。
鉄道車両としての役目は終えたものの、別の活用法を見出され、現在も五ヶ瀬川沿いで“活躍”する2両。高千穂線沿線にお越しの際は、是非利用してみては。
〈物件データ〉
設置場所:宮崎県日之影町 日之影温泉駅「TR列車の宿」
公開時間:宿泊すれば車内で一晩過ごせます。外観は随時。
撮影データ:1日目 18時頃 2日目 10時頃