あの車両を訪ねて

全国の保存・放置車両を訪ねています。

日立電鉄モハ1006(消滅)/茨城県水戸市

2021-04-29 | 消滅した保存・放置車両
記事を執筆する度に、今までどのような文体でやっていたか確認するところから始まる、あると思います。
…いや、ないですね。まただいぶ記事が空いてしまい申し訳ありません。実は、昨年訪れた物件が撤去されたという情報を知り、備忘録的に書いておこうと思いまして。

という事で、久しぶりに「消滅した保存/放置車両」シリーズとなります。



茨城県日立市、大甕駅から常陸太田、また鮎川まで伸びていた日立電鉄線。2005年3月に廃止となったこの路線で使われていた車両の一部が、茨城県西部に点在しています。しかも、それなりにたくさん。
そんな中の1両であり、茨城県水戸市に設置されていたモハ1006が、今月に入り解体されているとの情報が入ってきました。恐らくもうほぼ原型を留めていない事でしょう。。。



鬱蒼とした竹林の中に鎮座していたモハ1006。道路沿いなので公道からでもよく見えましたが、その状態の悪さは日の目を見るより明らかでした。
モハ1006を含む県内の物件の殆どは、廃止時に使用されていた2000形・3000形によって置き換えられた旧型電車であり、1990年代前半に払い下げられた車両ばかりでした。どうやら地元企業が橋渡し的役割をしていたとか何とか。



車体の表記も残っていましたが、状態が状態だっただけに、解体の報に触れた際もまあ…と言った気分でした。記録できていただけヨシとしましょう。

この他にも回った物件があるので、ちょいちょい出してみようと思います。お楽しみに。

〈物件データ〉
設置場所:水戸市某所
撤去時期:2021年4月中旬

撮影データ:2020年6月13日13時頃







【消滅】東急デハ6201/土浦市某所

2019-04-25 | 消滅した保存・放置車両


1年と少しぶりに、消滅した物件を紹介したいと思います。



2016年夏、鹿島鉄道の保存車両巡り(その内記事にします)をした後に寄った、土浦市の東急デハ6201。キッチングッズ等を扱う会社の敷地内で倉庫となっており、夏の厳しい日差しを受けながら、その車体はそこにありました。



東急(旧)6000系は、東急が1960年から製造した形式です。当時東急では、子会社である東急車輛製造にてオールステンレス製車体の5200系を完成させましたが、5000系由来の旧型機器ではなく、機器類も最新鋭の機構を取り入れた車両を新製することとなり、登場したのが6000系でした。

機器の比較をするためにまずA、B編成4連2本が製造され、後にその結果を反映させた量産型のC編成が4連3本登場しました。合計20両の陣容となった6000系ですが、その後は7000系に移行したため、小所帯のまま1989年に全車が引退しています。ですが、その間にVVVFインバータの試験車になったりと、話題に尽きなかったそうです。

廃車後、B編成の4両が車体のみながら茨城県にあるホームセンターを通じて民間に払い下げられ、様々な用途に使われました。ですが、徐々にその数を減らし、私が訪問した際にはデハ6201だけが残されていました。



先頭車2両の内、デハ6202は近づくことのできない場所に設置されていた様なので、先頭部をしっかり記録できるこの物件は貴重な存在でした。ですが、昨年春頃にとうとう撤去されてしまった様です。

なかなか味のある物件だったので、残念ですね。

〈物件データ〉
設置場所:土浦市某所
撤去時期:2018年春頃(詳しくは不明)

撮影データ:2016年7月31日17時頃



【消滅】営団地下鉄5000系5833/新砂あゆみ公園

2018-01-01 | 消滅した保存・放置車両


さて、新年一発目の記事は、新たな試みとして、解体により現在は消滅してしまった車両を紹介してみたいと思います。
とは言え、消滅してしまうこと自体は不本意であり、また自らの記録してきた中で消滅した物件は多くはないことから、そんなに回数は重ねないと思います。おそらく。

と言うことで消滅した保存・放置車両の第一回は、新砂あゆみ公園にて保存されていた営団地下鉄5000系5833です。



営団5000系は、東西線と千代田線で活躍していた車両です。東西線では2007年まで、千代田線(北綾瀬支線)では2014年まで活躍しましたが、現在は全車が営業運転からは外れ、北綾瀬支線で活躍していた5951Fのみが残されています。
そんな5000系ですが、東西線南砂町駅近くにある「新砂あゆみ公園」にて保存された車両がいました。東西線で2001年まで活躍した83編成の西船橋方先頭車であった5833号車です。



2002年の新砂あゆみ公園の開園と同時に公開が開始されました。
車体を1/3ほどにカットされ、下回りも無く、「保存」と言うよりかは公園内の遊具の一つの様な扱いではありましたが、地域住民から親しまれた5833号車。その一方で破壊行為も後を経たず、状態は最悪でした。



そんな折、新砂あゆみ公園はリニューアル工事が行われることとなり、状態の悪かった5833号車は他の遊具と共に撤去されることに。設置から11年と言う短い期間で撤去されてしまったのは、非常に残念でなりません。
ちなみにこの車両の撤去と同時に5000系ステンレス車が国内から消滅し、また長年活躍した東西線での塗装を纏った車両も消滅しました。

〈物件データ〉
設置場所:東京都江東区 新砂あゆみ公園内
撤去時期:2013年9月

撮影データ:2011年8月29日13時頃