あの車両を訪ねて

全国の保存・放置車両を訪ねています。

日本国有鉄道キハ20 70/喫茶ろくろ

2019-03-13 | 宮崎県


数記事に渡ってご紹介してきた宮崎・熊本遠征での保存車両も、今回の記事で紹介する物件が最後となります。

大トリとなる今回は、宮崎市の喫茶店の中で大切に保存されている車両をご紹介します。



宮崎駅から日豊本線で一駅隣の宮崎神宮駅から歩いて20分ほどの住宅街に、静かに佇んでいる喫茶店「ろくろ」。外から窓を見ると、既に鉄道グッズが溢れかえっている様子が見て取れ、期待が膨らみます。
店内に入ると、さっそくお目当てのキハ20 70が鎮座しており、早速大はしゃぎの一行。席について食事を注文するやいなや、オーナーご夫婦に許可を得た上で店内を物色する有様でした。笑

さて、ここでキハ20 70について少し。

キハ20 70は、1958年2月に製造されました。富士重工製で、当初厚狭機関区へと配置されたものの、すぐに南延岡機関区へと転属し、そのまま1986年3月の廃車を迎えました。
キハ20形は全国にそこそこの数が保存されていますが、このキハ20 70に関しては特筆すべき点があります。それはずばり、0番台であること。そしてその最大の特徴は、側面に有ります。



全国でも唯一のバス窓を持ったキハ20形、それがこのキハ20 70と言う訳です。カットモデルとなっているものの、非常に貴重な存在であることに間違いありません。



車内もほぼ手付かずで残る車内には、鉄道関連の品々が所狭しと並べられています。運転席もそのまま残されており、現役の香りがした様な気がしました。

ここで食事が運ばれて来たので、しばし料理に舌鼓を打ちました。私は「鉄スペシャル」と銘打たれたセットメニューを注文しましたが、これがミートソースパスタとハンバーグ、それにサラダがセットとなった非常にボリューミーなものでして、大満足でした。

食事後はご主人とトークタイム。同車を手に入れた際の秘話や車両の現状などをお話頂いた他、グッズの紹介などもして頂き、こちらもまたボリューミーな内容でした。

更に、唐突に床にある“蓋”を開けるご主人。するとそこには、床下へと続く梯子がかけられており、そこを降りると…。



なんと床下機器が目前に!実は、訪れるまで車体しか残存していないのかと思っていたので、これは嬉しいサプライズでした。

最後に、ご主人がテールライトを点灯してくださりました。



未だに生きている機器もあると分かり、大切にされているんだなと再認識。そういえば、室内灯も元々のものを活用されていましたね。

宮崎に来た際は、また是非訪れたいお店でした。

〈物件データ〉
設置場所:宮崎県宮崎市 喫茶ろくろ店内
公開時間:営業時間に準ずる

撮影データ:2018年12月18日15時頃