あの車両を訪ねて

全国の保存・放置車両を訪ねています。

JR西日本キハ28 3019/敦賀市金ケ崎地区

2018-06-07 | 福井県


かつて日本各地でその姿を見ることの出来たキハ58系気動車。その姿を見て懐かしいと思う方も多いのではないでしょうか?
JRグループからは2011年の高山本線での運行を最後に姿を消しており、現在活躍する姿は千葉県のいすみ鉄道で動態保存されているキハ28 2346のみとなります。
今回ご紹介するのは、そんなキハ58系グループの中でも貴重な存在で、かつ今後が非常に気になる新規物件です。



福井県敦賀市の海沿いに広がる「金ケ崎地区」。かつて貨物駅として栄えた敦賀港駅や赤レンガ倉庫、ユダヤ人を救った「命のビザ」で知られる杉原千畝氏にまつわる建物など、様々な施設が存在するこの地域では、現在再開発事業に向け様々な検討が行われています。その一環として、市内を走る小浜線で同形式が活躍した由縁でキハ28 3019が赤レンガ倉庫の脇に設置されました。



同車は、2016年6月まで南紀白浜にある「白浜アドベンチャーワールド」にて保管されていたものです。搬出後は鉄道車両の輸送で有名な㈱アチハによって保管されていましたが、2017年12月に「つるが鉄道フェスティバル」にて展示、好評を博しました。これを受けて、敦賀市は同車の購入を決定、5月に設置されました。
キハ28形は現在国内で3019を含めて3両が保存されています。そもそもキハ58系自体が10両も保存されていないのですが、その中でもこのキハ28 3019は唯一の「パノラミックウインドウ車」です。これは1968年から1969年のわずか1年間のみ製造されたグループで、前面窓が回り込んでいるのが特徴で、国内で完全な形で現存しているのはグループ全体で同車だけと言う非常に貴重な存在です。



金ケ崎地区の再開発に関する資料には、同車も含めて活用していくと言及されています。海沿いでの保存という事で課題は多いですが、是非この貴重な車両を後世に残すべく、良い状態で保存し続けて欲しいところです。

〈物件データ〉
設置場所:福井県敦賀市金ケ崎地区 赤レンガ倉庫脇
公開時間:外観は随時、今後車内公開も検討していくとのこと

撮影データ:2018年6月3日14時頃