あの車両を訪ねて

全国の保存・放置車両を訪ねています。

国鉄21-2023、東急デハ5201、デハ7052/総合車両製作所横浜事業所

2016-03-10 | 神奈川県
3月に入り、少しずつ暖かい日が増えてきました。花粉症の方には厄介な季節ですが、保存車両探訪にはうってつけな時期です。筆者も3月は多くの保存車両を訪れる予定にしています。
さて、今回ご紹介するのは、保存車両の中でも見ることがかなり難しい部類に入るものになります。訪問日は幾分古い日付となりますが、ご了承ください。



東急車輛製造。2012年まで存在したこの会社を知らない鉄道ファンは、まずいないのではないでしょうか。
現在は総合車両製作所、通称「J-TREC」と名を変え存続するこの会社は、関東に製造拠点を構える唯一の鉄道車両製造会社であると共に、現在では一般的となっている「ステンレス車体」を日本で初めて採用したことでも有名です。
鉄道車両にとって革命的な変化となったステンレス車両を初めて製造した旧東急車輛製造横浜製作所には、当所で製造された0系新幹線21-2023、更に記念すべきステンレス製造第一号である東急5200系デハ5201、初のオールステンレス車体となった同7000系のデハ7052が保存されており、総合車両製作所へ事業所が移管された後も変わらずその姿を留めています。

今回ご紹介する画像は、2012年2月、東急車輛製造がその業務を総合車両製作所へと移管する直前に開催された電車市場のグッズ販売会にて公開されたもの際のものです。なお、このイベント以降、これらの車両は一般には公開されておらず、貴重な記録と言えます。



21-2023は、言わずもがな0系新幹線の先頭車として製造された車両です。東急車輛製造時代の1985年に製造され、1998年の廃車まで活躍しました。引退後は佐久間レールパークで保存されていましたが、同所の閉園に伴い東急車輛製造が譲受、こちらに保存されています。なお、佐久間レールパークに保存される際に車体を1/3にカットされています。



デハ5201は、日本で初めて車体外版にステンレス鋼を採用した5200系の先頭車として1958年に登場しました。東急での運用終了後は長野県の上田交通(当時)に譲渡され1993年まで活躍しました。その後、デハ5201は東急へ里帰りを果たし、長津田工場での保管を経て、2008年、東急車輛産業遺産制度の第一号に指定され、当地へ保存されました。



デハ7052は、日本で初めてオールステンレス車体を採用し、1962年に登場した7000系の先頭車です。2000年にこどもの国線での運用を終了し東急からは除籍、その後は東急車輛へと移籍し、横浜製作所の牽引車として余生を送りました。2009年にその役目を7200系に譲り、引退。デハ5201と続き東急車輛産業遺産制度の第二号に指定され、デハ5201と背中合わせの形で保存されました。

東急車輛製造から総合車両製作所へと会社が変わった後も、これらの車両たちは変わらず保存されているそうです。あわよくば、天気の良い日に再び相見えたいところですが、果たして。。。

〈物件データ〉
設置場所:神奈川県横浜市金沢区 総合車両製作所横浜事業所内
公開時間:通常非公開

撮影データ:2012年2月25日10時半頃