多くの参拝客で賑わう、島根県は出雲大社。この隣にある島根県立古代出雲歴史博物館の中でひっそりと保存されているのが、今回ご紹介する一畑電気鉄道デハ20形デハ23です。
とは言え、保存されているのは前頭部及び客室の一部のみであり、かつての北松江駅を再現した展示と一体となって公開されています。塗装は1950年代の茶色一色となっており、一畑の旧型車両の保存車の中では唯一の存在となっています。
車内は開放されています。スロープを上がって中へと進むと、客室内で映像が流れている他、運転台も自由に見学できる様になっていました。
デハ20形はロングシートだったデハ1形やデハニ50形をセミクロスシート化した形式で、4両が改造されました。このデハ23の車内にもクロスシートが残されていますが、映像を楽しむ人のために現役時とは異なる配置となっているのがミソです。
一度は車両まるごと保存されたものの、一部を除いて解体という憂き目にあったデハ23。出雲大社にお参りした後は、出雲の歴史に触れつつこちらの車両に会いに行ってみるのも良いかもしれません。
〈物件データ〉
設置場所:島根県出雲市 島根県立古代出雲歴史博物館内
公開時間:9時~17時(冬季)/18時(夏季)
撮影データ:2013年9月10日13時頃