あの車両を訪ねて

全国の保存・放置車両を訪ねています。

一畑電気鉄道デハ20形デハ23/島根県立古代出雲歴史博物館

2017-07-25 | 島根県


多くの参拝客で賑わう、島根県は出雲大社。この隣にある島根県立古代出雲歴史博物館の中でひっそりと保存されているのが、今回ご紹介する一畑電気鉄道デハ20形デハ23です。



とは言え、保存されているのは前頭部及び客室の一部のみであり、かつての北松江駅を再現した展示と一体となって公開されています。塗装は1950年代の茶色一色となっており、一畑の旧型車両の保存車の中では唯一の存在となっています。



車内は開放されています。スロープを上がって中へと進むと、客室内で映像が流れている他、運転台も自由に見学できる様になっていました。



デハ20形はロングシートだったデハ1形やデハニ50形をセミクロスシート化した形式で、4両が改造されました。このデハ23の車内にもクロスシートが残されていますが、映像を楽しむ人のために現役時とは異なる配置となっているのがミソです。
一度は車両まるごと保存されたものの、一部を除いて解体という憂き目にあったデハ23。出雲大社にお参りした後は、出雲の歴史に触れつつこちらの車両に会いに行ってみるのも良いかもしれません。

〈物件データ〉
設置場所:島根県出雲市 島根県立古代出雲歴史博物館内
公開時間:9時~17時(冬季)/18時(夏季)

撮影データ:2013年9月10日13時頃






横浜市交通局1500形1518/野毛山動物園

2017-07-23 | 神奈川県


その昔、主要都市の多くで人々の足として生活を支えていた路面電車。モータリゼーションの波に飲まれて多くの路線が廃止となりましたが、近年はその便利さや環境負荷の観点から評価が見直され、新設を目指す動きも出るようになりました。
神奈川の県庁所在地である横浜市にも、45年前まで路面電車が活躍していました。今回は、そんな横浜市電で活躍していた車両をご紹介します。



横浜市が運営する動物園「野毛山動物園」。多くの家族連れが訪れるこの動物園の一角に、1500形1518が保存されています。



1951年に20両が製造された1500形。1972年の市電全廃時まで活躍し、現在もこの車両を含めて4両が保存されています。
市電保存館に保存されている車両に比べたら保存状態は必ずしもいい訳では無い様に思えますが、それでも子ども達の歓声に包まれながら余生を過ごすこの車両は、きっと幸せなんだろうな…と。

〈物件データ〉
設置場所:神奈川県横浜市西区 野毛山動物園内
公開時間:9時半~16時半

撮影データ:2013年11月1日15時半頃










鹿島臨海鉄道キハ1000形キハ1001/佐原つり堀センター

2017-07-11 | 千葉県


千葉県は佐倉市、利根川の土手沿いに、遠くからでも非常に目立つ鮮烈な赤色を施された車両が鎮座しています。



佐原駅から車で10分程の所にある「佐原つり堀センター」。この敷地の一角に保存されているのが、鹿島臨海鉄道キハ1000形キハ1001です。



今となっては貴重なバス窓が綺麗に残る。

キハ1001は、その外見からもお分かりの通り元国鉄のキハ10形を譲受して改造したものです。これは、1978年に始まった成田空港の航空機燃料輸送の見返りとして旅客営業が行われるために導入された車両で、キハ1001、1002の2両が入線しました。しかしながら、1983年に旅客営業は廃止され、これら2両も翌年には廃車となりました。廃車後、キハ1001のみが当地に搬入され、現在までその姿を残しています。



以前は休憩所として利用されていたそうですが、現在は物置として利用されているとのこと。応対して頂いたお店の方によると、前週に塗装を塗り直したそうで、この時はまだ途中であるとのことでした(帯がまだガタガタなのはそのため)。
こんなのもうあっても仕方ないわよねえ、と仰るので一応貴重なものであることは説明させて頂いたのですが、あまりピンと来ていない様でした(苦笑)。搬入時のこぼれ話など色々なお話を聞かせて頂いたので、訪問される方はお店の方へのご挨拶をお忘れなき様。。。

〈物件データ〉
設置場所:千葉県佐倉市 佐倉つり堀センター内
公開時間:不明(つり堀の営業時間に沿いますが営業時間が不明…17時には店じまいの準備をされていました)

撮影データ:2017年6月4日17時半頃