JR烏山線の終点、烏山駅からバスに揺られること15分。那珂川脇の道沿いに突如現れる幾つもの鉄道車両…。初訪問の際にこんな光景に驚かれた方は、このブログをご覧の方なら多いかもしれません。
今となっては多くの保存車ファンから知られる存在となった、「那珂川清流鉄道保存会」。今回は、今年の5月に新しく仲間入りした、キハ40形3両をご紹介します。
2017年3月改正にてEV-E301系「ACCUM」へと置き換えられ勇退した、烏山線のキハ40形。現役当時は8両が配置されていましたが、この内キハ40 1009は山口県の錦川鉄道へと譲渡され、運行を開始したのは記憶に新しい所です。
そして残る7両の内、1002、1005、1007が5月下旬に当地へと陸送され、無事保存されることとなりました。
3両はそれぞれ異なるカラーの車両が選定され、この1002は烏山線色となっています。烏山線では国鉄時代からこの塗装が採用されており、実に30年もの間烏山線色の車両が走り続けて来ました。そのため、同線のキハ40形は全車が首都圏色よりもこの烏山線色を纏っていた期間が圧倒的に長いと言うのは特筆すべきポイントかと思います。当地に移動後に屋根が設置され、多少窮屈そうではありますが、綺麗に保存されている様子でした。
1002の隣には、国鉄気動車標準色となった1007が据え付けられました。ご存知の通り、キハ40形にはこの塗装が施されたことはありませんでしたが、2010年頃にこの1007と1003が標準色へと塗り替えられました。その後はJR東海やJR西日本も同様の塗装を施しており、そのはしりとなったと言えますね。必ずしも似合っているとは思いませんが、この色の車両も保存されたのはありがたい限りです。
1002と1007が格納されている建屋とは線路を数本挟んだ所に、首都圏色の1005が鎮座しています。キハ40形と言えばこの塗装を思い浮かべると言う方も多いのではないかと思いますが、先述の通り烏山線ではあまり長く見られたものではありませんでした。こちらの1005は2013年に首都圏色に塗り替えられ、3月の引退を迎えています。
この那珂川清流鉄道保存会では非常に近くで車両を見ることが出来るので、現役時には撮影することのできなかったカットなども撮影することができるかも。
他にも多くの車両がいますので、気になる方は是非訪れてみてください。
〈物件データ〉
設置場所:栃木県那須烏山市 那珂川清流鉄道保存会内
公開時間:当日の担当者様の都合によるとのことなので、訪問時は事前に問い合わせを。
撮影データ:2017年8月28日13時半頃